サブゼロ処理研究所のHyper Sub-zero Fuse
「サブゼロ」トリートメントは“音”にも“走り”にも効く!車載用フューズで効果をテスト
最上級のSE処理を施す、注目のカー専用フューズ
サブゼロ研究所の提供するHST(ハイパー・サブゼロ・トリートメント)はCDをはじめ、ケーブルその他のオーディオ製品を対象に幅広くサービスを行っているが、一方でサブゼロ処理を施したクルマのフューズもカーオーディオの世界では注目を集めている。ちょうどいいタイミングでフューズ交換に立ち会うことができたのでその模様をお伝えすることにしたい。
HSTには3つのグレードがあり、「ベーシック」、「エクセレント」、「SE」と分かれている。ここで交換するのは最上級のSE処理によるフューズで、2サイクルの深冷処理を行った後、さらに新たな物性処理を施すというものである。
中北英紀さんのメルセデス・ベンツCLS500のフューズを交換
取材に伺ったのは川崎市麻生区の中北英紀さんのお宅。その趣味の多彩さと交友の広さは普通ではない。実はオーディオ誌にも何度か登場されていて、多くの取材者が訪れているはずだ。クルマも趣味のひとつとして数台所有されているが、今回テストに使用したのはメルセデス・ベンツのCLS500、V8の4700CCツインターボ。
このCLSのフューズを交換して、クルマとしての性能とカーオーディオの音質変化を確かめようというのが今回の趣向である。交換するフューズは全部で69個。いずれもサブゼロ研究所のHyper-Sub-Zero-Use-ATO(SE)である。
交換を担当してくれるのは、オート・ファクトリーSOUND Proの竹原啓太さん。東京都荒川区にショップを構えて、オーディオのインストールを始めとする様々なサービスを提供している。
当初はオーディオに関する部分だけ先に交換して試聴という予定だったが、現代のクルマはエレクトロニクスが不可分になっている。全部一度に交換しないと無理ということなので、とりあえず現状の音だけ確認させてもらって、後は竹原さんに任せることにした。
普通ではない趣味を持つ中北英紀さんという人物
このとき試聴に使ったのが中北さんが現在制作中のCD。「ん?」と思われるかもしれないが、中北さんは実はギターの世界でも著名な人物である。
ひとつはコレクション。00045など1945年以前のマーティンが30本以上揃い、ギブソンやフェンダーなどエレキも含めて数十本。ギタールームに収納されている。
ただ中北さんは単なる収集家ではなく演奏者である。独学で始められて後に小原聖子氏に師事。いま制作中のCDにも参加していただいているそうだ。その他錚々たるメンバーがこの録音には集っている。既にギター・ソロのCDを何枚も出されていて、自分で弾くために集めたものがコレクションになったというところらしい。
他にもオーディオはもちろんとして、ピアノもお弾きになる。そしてさらに特記しておきたいのが絵本。ご自身で絵も画いて、令和元年の神奈川県児童福祉局推薦優良図書に選ばれている。タイトルは『たたかうざーやくマン』。座薬とその生理をわかりやすく説明した作品だ。本職は薬剤師という中北さんがそのお立場を通じて子供たちにメッセージを発信している。
高域まで軽快に伸び、表情豊かな再現に変貌
フューズ交換ができ上がったという。早速試乗。中北さんの運転で近所を走り回る。これがすごい。前の状態を知らないので何とも言えないが、「加速がよくなった」「エンジンが静かになった」とこれは中北さんの感想である。
そして音の方は? 「軽いですね。伸びがいい」。
最初の音は中低域が厚くどっしりとしていた。それが高域まで軽快に伸び、ギターや篠笛など楽器の音が、きめ細かく表情豊かに聴こえてくる。
はじめは少しだけ違和感があったのか、わずかに意外そうな表情をされたのが気になったが、ギターの低音が明らかに前よりすっと深いところまで沈むのを聴いて納得されたらしい。
サブゼロの効果はこういう形で出てくる。カラーや表現性を付け加えるのではなく、正しい方向へ変化してゆくのである。それを理解していただいたようだ。
また交換後、時間が経つとさらに変わってくる。出ていなかった音が次第に沢山出てくるようになるのだ。そこも見どころである。
走りも軽いが音も楽々としている。そういう感触を味わってもらえただろうか?
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.187』からの転載です。