オンキヨーによる音楽加振の効果はいかに
『あの花』『ハルヒ』ED曲を聴かせた日本酒ってどんな味?飲んで確かめた
筑井:……私はAの方が美味しいと思います。まず香りが全然違って、Aの方が香りが立っている気がしました。味もAの方がまろやかで、Bの方はエッジが立っている印象ですね。
筑井:オーディオっぽく言うなら、Aは余韻で聴かせていくのに対して、Bは立ち上がりが早くてスッと消えていく印象。例えるならAはレコード、Bはハイレゾっぽい。
−−ちなみに加振酒はBの方です。
筑井:あ、そうなんだ。振動を与え続けたっていうと角が取れるようなイメージがあるけど、そんなシンプルな話でもないんですね。
松永:思ってた以上に全然違いますね。Aの方はクセがなくてするする飲めるんですけど、Bの方はクセがあるというか……角が取れていないような感じです。違う言い方するなら、Bはある意味でお酒っぽさがあって、味わいたくなるタイプな気がします。
−−ちなみに加振したのはBの方です。
松永:ああ! 言われてみれば秩父の情景が思い浮かんできたわ。
−−もう酔ってんの?
奥田:Aは広がり感があるけれど、後から辛味がやってくる感じですね。逆にBの方が甘くて飲みやすいような気がします。
−−個人的に好みなのはどっちの方ですか?
奥田:僕はBですね。まあ、どっちも美味しいです(笑)。
塚田:Aの方が甘くてコクがある感じ。それに対してBはスッキリしてて酸味がありますね。爽やかで、スコッチとかで言うところのウッドフレーバーがあるような……。
−−好みで選ぶならどっちですか?
塚田:個人的にはAの方がボディもしっかりしてて、いわゆる日本酒らしさがあって好みです。
久我:Aの方がオールドスタイルな日本酒に近い気がしますね。でもBの方が香りが立っていて、よりお酒らしい感じがする。私はこっちの方が好みだし、ウケる気がしますよ。
−−どちらかというと酒飲みはAを支持する傾向にありましたけど、久我さんは逆なんですね。
久我:たくさん飲んで、そのまま寝ちゃってもいいのならAの方かな。サッと飲んで、そのまま帰るような時はBの方がいいね。
−−なるほど。皆さんの話を聞いている限りだと、あくまで武甲正宗の場合は加振によってスッキリ、爽やかな味に変わっているみたいですね。日本酒らしさ、飲みごたえが欲しい方はベースの方、軽さや飲みやすさを気に入った方は加振酒を好む傾向にあるようです。
■『涼宮ハルヒ』の「ハレ晴レユカイ」を聴かせた日本酒も飲んでみた
−−今回は発売されたばかりの『涼宮ハルヒの憂鬱』加振酒も用意しました。こちらは徳島にある三芳菊酒造の清酒「日本晴」をベースに、『ハルヒ』のED曲「ハレ晴レユカイ」を24時間30日間聴かせて熟成させたものです。
ただし、こちらは絞るタイミング毎に分けて採取し、「あらばしり(長門)」「中汲み(朝比奈)」「責め(涼宮)」と3つの味に仕上げ、登場キャラと重ね合わせてあります。ベースのお酒も用意しましたが『あの花』加振酒と違って比較が難しいため、あくまで参考出展という位置付けですね。
筑井:ベースの日本晴はフルーティで、リンゴみたいな健康的な酸味があるけど、長門は食パンというか……酵母みたいな感じがしますね。朝比奈も柔らかい感じだけど、涼宮でもう一回健康的な酸味が戻ってきたような印象です。
松永:確かに全然違って、味の方向性をキャラクターに合わせてるのがわかります。長門は1番スッとしてて、涼宮が1番キャラ濃いめ、朝比奈は1番飲みやすくて、アル晴レタ日ノ事を思い出すような……。
久我:個人的には朝比奈くらいが好みかな。もう一杯飲もうかと思える。涼宮はちょっと飲むくらいならいいけど、がっつり飲むのは重たい気がします。
塚田:私は涼宮が1番好みです。日本酒って感じがしますね。
−−加振の効果そのものは計りにくいですが、キャラの性格とのマッチングはかなりできているようですね
松永:なんか不可能がない気がしてきた……。
−−あっ! おつまみ持ってきてる!!
松永:めんま……みーつけた……。
−−『あの花』を肴に『あの花』加振酒を飲み始めた……。
筑井:えっ、新宿三丁目!? それなんて名前の飲み屋ですか?
−−こっちでは酒トークが始まってる! もう素面には手が負えないよ〜〜。
最初は半信半疑だったが、どうやらお酒に加振をすると本当に味が変わるようだ。現時点でオンキヨーの加振酒は日本酒とワインが発売されているが、ビールや焼酎など、他の種類のお酒ではどのような変化が現れるのかなど、色々気になるところ。
最初に述べた通り、ここで取り上げた感想は全て忖度なしの素直な意見である。本当かどうか気になる方は、是非ご自分の舌で確かめてみていただきたい。ただし、お酒はほどほどに。
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