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PRもちろんジャズやクラシックも

Polk Audioは“ロックやポップス”にもハマる!米津玄師やビルボード上位曲でも納得の音楽性を発揮

公開日 2023/04/14 06:30 土方久明
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ビルボードチャートの上位から検証、その相性は?



ここからは試聴に入っていく。まずは自宅1Fの試聴室にES20を設置し、アンプはFirstWatt「F7」を投入。ネットワークプレーヤーはルーミン「X1」を使う。アンプに同じアメリカのオーディオブランドを組み合わせたのがポイントだ。

設置風景を見て「いいじゃないか」と思わず口に出る。フロントパネルとキャビネット側面の配色バランスも良く、スピーカーユニットの色がワンポイントで適度な存在感を出している。これでペア6万円以内なのだ。

なお、Signature Eliteには、ブラウン/ホワイト/ブラックという3色のカラーがラインナップされている。今回のブラウンはどこの部屋でも似合いそうな色味だし、この試聴室だったらホワイトを合わせても良さそうだなと思った。

スピーカーのデザインは「アコースティックギター」から着想を得ているという

設置が終わり、ストリーミングサービスのTIDALから様々なジャンルの楽曲を再生した。まず「良いな」と思ったのは、洋楽のポップスだ。ビルボードチャートの上位から聴いていったが、キム・ペトラスとサム・スミスの「Unholy」を再生してハッとした。

この曲は、イントロの左右に広がるエレクトリックベースの表現が良い。重量感をたっぷりと出しながらも分解能が高く、いつものR&B調と違う「淫らなダーティ・ボーイ」を演じるサム・スミスのボーカルにはハリがある。それに呼応するドイツ人歌手、キム・ペトラスの声に色気もあるし、かなり良く鳴っている。

アメリカのシンガーソングライター、チャーリー・プースの「There's A First Time For Everything」も好印象だった。本楽曲は筆者のポップスのリファレンスだが、評価基準となるイントロのシンセサイザーの透明感、明瞭なディテールでしっかりと前方へ飛び出してくるボーカルを秀逸に表現する。「低域再生の難しさ」もリファレンスたる理由なのだが、イントロから始まるベース、0:29から始まるバスドラム、楽曲中最も盛り上がる1:37付近の重量感が強いベースという、帯域の違う3種類の低域をグルーブ高く、しっかりと描き分けた。

低域表現の高さでラップもノリノリ



ES20はブックシェルフタイプとして少し大きめだが、その分大口径ウーファーを搭載し低域の表現力に強いことが、現代の洋楽ポップス再生のアドバンテージとなっているようだ。特に近年のポップスで特徴的な音圧の高さにもスピーカーが負けてないため、新譜のポップスやロックとの相性がかなり良く、普段はレビューで使わないような、トリニダード・トバゴ生まれのラッパー、ニッキー・ミナージュの「Super Freaky Girl」もノリノリで聴けた(かなり嬉しい)。

またJ-POPからは、米津玄師の「KICK BACK」を再生したが、重低音的な音調を持つイントロのベースは重心が低くしっかりとした音階を表現しているし、音数が多い楽曲ながら1つ1つの音が混濁していない。もちろん価格的に仕方ない部分もあり、絶対的な分解能や上下fレンジなどはある程度制限されるものの、それでもコストパフォーマンスはかなり高い印象をもった。

音圧の高さに負けないような低域能力がポイント

この後、改めてジャズやクラシックも再生したが、分析的になりすぎずオーケストラのサウンドステージ表現も良質だった。マイルス・デイヴィスのトランペットの前への飛び出しやドラムの立体的な表現も好印象。そしてES20がもつ音楽性の高さは、Polk Audioの他モデル同様に魅力的だ。



同社の社内には、マスターと言われる一人と、その弟子的な存在の2名が構成する「ゴールデンイヤーズ」と呼ばれるチームが開発中のスピーカーの音質を徹底的にチューニングしていると聞くが、その結果は如実に音に現れている。

Polk Audioのスピーカーを試聴される際は、ロックやポップスもぜひ試していただきたいと思った。冒頭でも触れたが、再上陸からわずか2年で日本国内のブランド別スピーカー販売シェアで3位にまで急成長した人気の高さは、この音を聴けば確かに納得である。

(提供:ディーアンドエムホールディングス)

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