HDMI搭載の「Woburn III」なら映画も音楽も迫力満点
この表現力こそ“Marshallサウンド“の神髄!ワイヤレススピーカー「Homeline III」3モデル一斉レビュー
■どこに置いても変わらないリスニング体験。「配置補正機能」が超優秀!
今度は、音楽で配置補正機能の効果を確かめてみよう。オーディオラックの端に置いて、アプリで縁に近いかを「はい」にすると下方向のサウンドがグンと広がる。なるほど、「いいえ」では下への反射が考慮されていたのか。「ホワットエヴァー」はより音場が大きくなったことでライブ感が増した。
今度はラックの奥、壁の手前20cmくらいに置く。設定は縁に近いかが「いいえ」、壁の近くかは「壁がある」にした。すると、下方向の広がりが抑えられ、低域がわずかにマイルドになる。特に違いが分かるのが、やや離れて聴いた時。設定変更前は、バフついていた低域が、スッキリ聴きやすくなった。
最後は、部屋の角をイメージし、左側約10cmの距離に壁を模して箱形のラックを置いた。設定は、縁に近いかを「いいえ」、壁の近くかは「角にある」とした。すると、先ほどの状態から左右方向のサウンドも抑え気味になる。つまり、置く場所によって音が変化するのを抑え、どんな環境でも同じリスニング体験ができるよう調整しているのだ。
面白いのが、本機の正面と斜めの位置で聴き比べても、音質が大きく変わらないこと。本機とリスニングポイントの位置関係も問わないのだ。例えば、普段はリビングに床置きしてソファーで聴き、たまに寝室の収納の上に置いて寝ながら聴く、といった使い方でも最適な音楽体験ができる。
■小型の「Stanmore III」「Acton III」もMarshallらしい分厚いサウンド
サイズが小さいStanmore IIIとActon IIIも聴き比ベてみよう。2番目に大きいStanmore IIIは、力強さこそ一歩譲るが、低域も中域も大型のWoburn IIIに引けを取らないほど迫力のあるサウンドだ。大きく違いを感じたのは音の広がり感。こちらもサウンドが広がるという傾向は変わらないが、大きな部屋の隅まで広がるかというと、パワー不足な感が否めない。Woburn IIIが家中どこでも使えるのに対し、Stanmore IIIは個室の中で楽しむのにちょうど良い具合だ。
最も小さいActon IIIは、Stanmore IIIより低域が控えめになるものの、中高域の迫力は遜色がない。バランス的には中高域の迫力が増して感じられる。音場はさすがにStanmore IIIよりもコンパクトで、デスクトップの距離感なら没入感あるサウンドを楽しめる。
Homeline IIIシリーズの3モデルは、サイズこそ違っていても、中域の音の厚みと表現力に長けていたことが共通していた。これこそ、Marshallサウンドの神髄と言えるだろう。大きさも価格も違うので、お薦めを挙げるのが難しいが、筆者が最も気に入ったのがWoburn IIIだ。
Woburn IIIなら、音楽に加えて映像の音声まで大迫力で味わえるうえに、インテリアとしても映える。また、オーディオシステムのように迫力あるサウンドを極めてシンプルな構成で楽しめるのも好ましい。ぜひとも導入して、あなたのQOL(クオリティ オブ ライフ)を爆上げしていただきたい。
(協力:完実電気)