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PR上位機「PerL Pro」/スタンダード機「PerL」、どっちを選ぶ?

これがデノンの“シン・TWS”だ! 医療技術を応用して理想の音を実現する「PerLシリーズ」レビュー

公開日 2023/07/01 07:00 野村ケンジ
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上質な炭酸水を思わせる「PerL Pro」。自然な響きで聴き心地の良い「PerL」

奏でるサウンドそのものも印象的だ。10mm口径の3レイヤー・チタニウム振動板ドライバーを搭載する「PerL Pro」を聴くと、たっぷりとした低音とエッジの効いたスピード感溢れる中高域のバランスが巧みにとれた、印象的なサウンドが楽しめる。同時に、ピークやディップを感じないニュートラルで耳馴染みのよい音色も持ち合わせているので、とても聴きやすい。

PerL Pro

もちろん、Snapdragon Sound、aptX adaptiveコーデック対応による基本スペックの高さもあるのだろう(ちなみに44.1kHz/16bitをビットパーフェクトでワイヤレス再生できるaptX Losslessにも対応)、なかなかの良音質だが、上質な炭酸水のように刺激はあれどスッと体にしみこんでくる、そんなイメージのサウンドだ。

おかげで、女性ヴォーカルは清々しさのなかにどこか優しさを感じる、人間味溢れる歌声が楽しめる。サラ・オレインはほんの少しハスキーだが抜けよく伸びやかな、宇多田ヒカルはマイクまでの距離が近く優しい歌い方をする、安月名莉子は伸びやかなのにどこか人間味溢れる独得の声色が、YOASOBIは曲によってコロコロ表現が変わる興味深い声の表現など、それぞれに魅力的な歌声が楽しめる。

もちろん男性ヴォーカルも楽しい。米津玄師は「M八七」と「KICK BACK」で曲調に合わせて歌い方だけでなく声のエフェクトも大きく異なっていることがしっかりと伝わる。楽器も、ピアノやドラムなどはキレがよく音色がリアルなため、普段よりも幾分ノリのよい演奏に感じられる。

シリコンイヤーチップ4種類やフォームイヤーチップ1種類、ウィングアタッチメント2種類が付属。パーソナライズにはフィット感が大事なため、ここで自分の耳に合うものを選ぶことが重要だ

オーケストラを聴くとデノンならではのサウンドポリシーが顕著に表れ、抑揚表現に富んだ、雄大で広がり感のある演奏が楽しめる。特に金管楽器やヴァイオリンがヌケのよい伸びやかな音色を奏でてくれているのが好ましい。しかも聴き心地が良いので、何時間でも聴いていられる。ついつい聴き続けてしまいそうな、クセになるサウンドだ。

いっぽう弟分「PerL」はというと、同じ10mm口径ながらコーティングのないドライバーを搭載していたり、BluetoothコーデックもaptXまでの対応と、スペックの違いによるものか解像感や高域のスピード感など質の面で「PerL Pro」に劣る傾向はある。

しかしその反面、自然な響きを持つ聴き心地のよいサウンドを持ち合わせているので、こちらはこちらで好ましい。「PerL」の音色のほうが好き、という人もいることだろう。確かに価格差に相当する違いはあるけれど、どちらを選ぶかは好み次第といったところだ。

PerL

パーソナライズ機能「Masimo AAT」によって作り上げられたサウンドがあまりに衝撃的だったため、ついついサウンドに関してばかり書き綴ってしまったが、デノン製TWSのフラグシップシリーズだけあって、機能面でも充実した内容を誇る。

まず、両モデルともにハイブリッドANCや外音取り込みを搭載。屋外でも大いに活躍させることができる。いっぽう、マルチポイント接続や良音質な音声通話を実現する「aptX VOICE」、イヤホン本体で8時間/専用ケースからの充電を含め32時間の使用が可能なバッテリー持続時間など、機能面でも「PerL Pro」の方がより上をいっているようだ。

とはいえ、両機ともに搭載されているパーソナライズ機能「Masimo AAT」の実力は圧倒的。音と機能の違いによってどちらをチョイスするか少々悩むところだが、どちらを選ぶにしても大いに満足できることは確実。とても魅力的な製品だ。

(協力:ディーアンドエムホールディングス)

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