PRag「WHP01K」がベースのANCワイヤレスヘッドホン
新チューニングでどれだけ変わった?final「UX3000」のサウンドをチェック!
ANCで重要な意味を持つマイクの位置は、ハウジング上部に設けられた3本のスリットからわかるとおり、変更はないようだ。なお、ノイズキャンセリングは音楽鑑賞時以外の使用も可能で、イヤーマフのような遮音装置としても周囲の雑音を防げるWEB会議用マイクシステムとしても活用できる。
■新チューニングで表れた確かな違い、finalの底力を見せつけられるかのような逸品
肝心のサウンドについて、WHP01Kとは対応コーデックなどスペック的には変わらないはずだが、新チューニングにより違うキャラになっている。aptX対応のAndroid端末でストリーミング(Amazon Music)を中心に試聴を進めたが、ややコンシャス傾向の低域は適度に引き締まり、自然なメリハリがある。aptX接続だからか高域方向の情報量も豊富で伸びやかだ。
たとえばピアノの音。菊地雅章の「黒いオルフェ」は、繊細なサスティーンをスポイルしないことが再生の肝なのだが、UX3000はそれを丁寧にトレースする。この曲に触発され、学生時代によく聴いたHenry Cowの「Half Asleep; Half Awake」を再生してみたが、楽曲が持つ曇天感とでもいおうか、ECM系に通じるアトモスフィアがしっかり表現されている。
続いて気分一新、近頃よく聴くミニマムファンクの佳曲The Fearless Flyers & Vulf「Introducing the Fearless Flyers」をスタート。Joe Dartのベースをいかにうまく再現するかが聴きどころだが、これがかなりいい。ともすればモコモコしてしまいがちなエレクトリックベースだが、フレット上を縦横無尽に動き回るJoeの運指が眼前に浮かぶよう。量感はじゅうぶん、気分も上がる。
もうひとつ、変化というか改良点がANCのオン/オフによる音質変化の解消だ。完全に同じというわけではないが、意識を集中して聴き比べないかぎりの軽微な差といえるまでに抑え込まれている。
agブランドからfinalブランドへ衣替えするとともに、新たな音質チューニングを施した「UX3000」。ag製品の基礎体力と完成度を再確認するとともに、finalが持つ製品開発の底力を見せつけられるかのような逸品だ。
(提供:株式会社final)