PR約3年ぶりとなるソニーEマウント専用レンズ
F1の超大口径を実現!フォクトレンダー「NOKTON 50mm F1 Aspherical」レビュー
■遠景から近接まで、クリアで安定した描写
ちまたの50mmと比べるとボリューミーに感じるかもしれないが、本レンズは、フォクトレンダーのフルサイズ用レンズとして最も明るく、一般的に大口径単焦点レンズの代名詞的な開放F値である「F1.4」と比べて2倍の明るさを実現している。そう考えれば、ミラーレス化以降、各社大口径レンズの大型化が顕著な中、MF専用レンズであることを差し引いても、かなりコンパクトであると言えるだろう。
そして、そのコンパクトさの一翼を担っているのが、レンズ第一面に採用された研削非球面レンズだ。今でこそ非球面レンズはポピュラーだが、そのほとんどはモールド製法。一方、本レンズに使われている非球面レンズは、研削工法で手間やコストがかかる代わりに、モールド製法では使用できないガラス材料を使うなど、より高性能や個性的なモノづくりをできるのが特長だ。
実際に撮影してみると、日中、適度に絞り込んだシーンでは、極めてシャープで繊細な描写が楽しめる。一方、夕刻以降はノクトンの本領を発揮。見た目はレトロでも、中身は最新鋭。ピントリングをゆっくり廻せば、順に姿を見せるピントピークとボケの共演に気持ちが高ぶる。
再生画像を眺めてもクリアで、遠景から近接まで安定した描写。単なるオールドレンズのそれとは世界が違い、浮き立つボケと最新デジタルカメラの能力を引き立てる両方の顔を持つ。夜の散歩がこれほど楽しくなるレンズは数少なく、スタンダードレンズのひとつのあるべき姿として、記憶に残る1本だ。
(提供:株式会社コシナ)