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ストリーミング時代のマストアイテム「Soundgenic Plus」。音質も基礎からグレードアップ、使いこなしを徹底チェック

公開日 2024/02/28 06:30 園田洋世
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「HG」筐体を採用し音質を基礎からグレードアップ



以上、内容的にまさに至れり尽せりの感がある「Soundgenic Plus」。ではその音質はどうなのか?旧「Soundgenic」(2TB HDD搭載モデル)、同「HG」(3TB HDD搭載モデル)、「Soundgenic Plus」(2TB HDD搭載モデル)それぞれのストレージに同じハイレゾファイルを入れて比較試聴してみよう。


外観からはわかりにくいが、上から「Soundgenic Plus」、「Soundgenic HGモデル」「Soundgenic ノーマルモデル」
一点補足として、amazonにて購入できる「Soundgenic Plus」は、末尾に型番/Eが入った廉価版モデルであり、筐体はHGではないノーマルグレードとなる。HG筐体を採用したモデルはオーディオ専門店並びにアイ・オー・データ機器の直販サイト、アイオープラザにて購入可能で、ストレージも厳選されたものが搭載されている。今回はHG筐体採用モデルで試聴をおこなっている。

USB-DAC搭載プリメインアンプTEAC「AI-303」、パッシブスピーカーPolk Audio「MXT15」と組み合わせて聴いてみる。試聴曲は96kHz/24bit WAVのカラヤン指揮、ベルリン・フィル「ドヴォルザーク:交響曲第9番」である。


ティアックのDAC内蔵プリメインアンプ「AI-303」とPOLK AUDIO「MXT15」(総額10万円程度)にて音質比較
旧ノーマルモデル「HDL-RA2HF」、旧HGモデル「HDL-RA3HG」、そしてHG同様の音質対策が施されている「HDL-RA2H(Soundgenic Plus)」の3機種を聴き比べてみる。なによりSoundgenic Plusでは、ノイズフロアが断然低いことにまず驚く。さらに混濁が解消して各木管楽器の演奏を容易に聴き分けられるし、ノーマルでは団子になっていた弦楽器群は明瞭に分離した上で美しくブレンドされる。

旧HGモデルとSoundgenic Plusは両機共に静音性が高く偏心が少ない、非常に高価な録画用のストレージを搭載している。加えてシャーシの要所に制振材を取り付けることでストレージと本体の振動を抑制している。これらの対策がてきめんに効いているようだ。

これだけの高音質である。組み合わせる機器をグレードアップしたらさらなる魅力が引き出せそうだ。3パターンほど試してみよう。

アクティブスピーカーからヘッドホンまで。Soundgenic Plus使いこなし提案



■DAC内蔵アクティブスピーカーとの組み合わせ

まず「Soundgenic Plus」を、ピュアオーディオ界でも大変評価の高いAIRPULSE「A100 HD MONITOR」と組み合わせてみる。最初に、同梱のUSBオーディオケーブルで「Soundgenic Plus」と繋いで、AIRPULSEにはアナログ入力する形で聴いてみる。


AIRPULSEのアクティブスピーカー「A100 HD MONITOR」(オープン、市場実売価格112,000円前後)
…同梱ケーブルに内蔵のDACでDA変換しているというのに本格的な音が出てきて驚いた。DACの非力を高性能なアンプ・スピーカーが補って余りあったのだろう。

当然、通常のUSBケーブルで繋いでDACはAIRPULSE内蔵のものを使うとさらにレベルアップ。上記したカラヤン指揮の「ドヴォルザーク」はノイズフロアがきわめて低く、音場に展開する管弦各楽器の音色が実に瑞々しい。強打するティンパニの周囲に漲る緊張感がダイレクトに伝わってくる。

Amazon Musicで再生するYOASOBIの「アイドル」は精密に解像された電子音が広い音場に活き活きと乱舞する。ヴォーカルの音像も明らかに立体感を増した。

ここまでの音を聴けるとは思っていなかったと正直に告白しよう。価格が全く信じられない。スペースファクターにも優れるこの「令和のスーパーミニコンポ」はぜひ皆さんに実際に聴いていただきたい!

■DAC、プリメインアンプ、パッシブスピーカーとの組み合わせ

次はいわゆるオーソドックスなシステム。DACがiFi audio「ZEN One Signature」、プリメインアンプがDENON「PMA-600NE」、そしてパッシブスピーカーがPolk Audio「MXT15」という組み合わせである。


本格オーディオシステムにも「Soundgenic Plus」を導入。USB-DACにiFi audioの「ZEN One Signature」(59,400円)、プリメインアンプにDENON「PMA-600NE」(64,900円)、パッシブスピーカーがPolk Audio「MXT15」(27,500円/ペア)
鮮烈な音を聴かせたAIRPULSEとは対照的に、このシステムはある意味で大人な音調。「ドヴォルザーク」は各楽音を解像度高く分析的に描きながらも、温度感高く滑らかな質感で聴かせる。「アイドル」も広い音場に各音像を細かく描きつつ、終始聴き疲れしないまろやかな質感が保たれる。

■DAC内蔵ヘッドホンアンプ、ヘッドホンとの組み合わせ

最後はヘッドホンシステムである。DAC内蔵ヘッドホンアンプがiFi audio「ZEN DAC」、ヘッドホンがSennheiser「HD 800S」という組み合わせ。


ヘッドホン再生システムでも音質をチェック。USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプiFi audio「ZEN DAC」(33,000円)とSennheiser「HD 800S」(オープン、市場実売価格195,000円前後)
HD 800S特有といえるドッカーンと拡がる音場に、これまたHD 800S特有の子音成分の強い音が展開するかと思いきや、電子音を多用する「アイドル」を聴いても耳に刺さらない。オーケストラのスケール感を存分に楽しませる「ドヴォルザーク」も彫り深い中低弦が素晴らしい。

「Soundgenic Plus」も「ZEN DAC」も非常にリーズナブルかつコンパクトだが、ハイエンドヘッドホンの性能をよく引き出している。電源やケーブルをグレードアップしたら凄いことになりそうだ。

コストも抑えネットワークオーディオへの敷居を下げる



ところで、「Soundgenic Plus」の直販サイトでの税込価格は2TBのHDD搭載モデル(HDL-RA2H)が53,130円。

3TBのHDD搭載モデルとはいえストリーミング対応していなかった旧「HDL-RA3HG」(約56,000円)よりも、なんと3,000円ほど安くなっている。両機ともに同様の音質対策を施しているのに、である。

このご時世、エントリーモデルのアンプやスピーカーも部材の値上がり・為替変動により値上げが相次いでいるのはご存知の通りだ。しかしアイ・オー・データ機器としてはそんななかでもネットワークオーディオの敷居を下げるという使命を果たすために、「Soundgenic Plus」と組み合わせてもシステムの価格をトータル10万円前後から導入できるようにしたかったのだという。

また、ハードでなくソフトの話になるが、上記した通りダウンロードサイトでファイルを買って再生する形はもう主流ではない。ダウンロードするのはストリーミングで聴いて気に入ったアルバムを高音質で楽しみたいときだけ、といった形でストリーミングとダウンロードを使い分ける例が増えていくだろう。

残念ながら、ストリーミング対応等の新機能は、旧「Soundgenic」にアップデートの予定はない。しかし以前からのユーザーも、「Soundgenic Plus」を新たに導入すれば上記のような使い分けが可能になり、ユーザーにかかるトータルの費用は下がるとも考えられる。

HDD搭載の旧モデルをお使いの方はHDDの故障が増える前に「Soundgenic Plus」に買い換えれば、新しいHDDあるいはSSDを手に入れられるだけでなく、ストリーミングサービスの利用も可能になる。

またTwonkey Serverのアグリゲーション機能で、2台以上のSoundgenicサーバーを1つのサーバーとして利用できるので、新たな「Soundgenic Plus」環境に、従来の「Soundgenic」シリーズを追加し、一体で運用することも可能だ。

このように、「Soundgenic Plus」は旧「Soundgenic」をお使いの方にもお薦めできる内容となっているのである。

「Soundgenic Plus」はまだ他にも魅力的な機能をたくさん搭載しているのだが、字数に限りがある本稿では全ての機能に言及することはできない。とはいえ、簡単かつリーズナブルに豊富な機能と優れた音質を提供してくれる「Soundgenic Plus」は、ストリーミング時代を迎えたネットワークオーディオをいっそう楽しいものにしてくれること間違いなしであろう。

(提供:アイ・オー・データ機器)

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