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各社のミドル/ハイスタンダードクラスが集まった

高音質と上質さにこだわった15万円以下のアナログプレーヤー厳選4モデルを横並びレビュー

公開日 2024/02/28 06:30 生形三郎
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■TECHNICS 「SL-1500C」




TECHNICS 「SL-1500C」 130,000円(税込)
上品でフラットなデザインが美しいテクニクスのもうひとつの顔。アルマイト仕上げの天板と、隅に配置された薄型のボタン類が、品の良い佇まいを演出している。シルバーの他、精悍なブラックモデルも用意。そのルックスの一方で、SL-1200シリーズ同様に高性能モーターによる卓越したダイレクトドライブ技術を継承。33.3/45回転は勿論78回転まで対応する他、アームの高さ調節も容易。


SL-1500Cのカートリッジ部

SL-1500C のトーンアーム部/ウェイト部
搭載されているフォノイコライザーアンプは、付属するオルトフォン「2M RED」カートリッジを含めたサウンドとの相性も良く、本機を買ってすぐ高音質を楽しむことが出来る。また、レコード再生終了時に自動的にトーンアームが持ち上がる「オートリフトアップ機能」を搭載するなど、使い勝手への配慮も巧み。


SL-1500Cの背面部/電源端子部
楽器の輪郭で明快でメリハリに富んだ音楽表現
先に聴いたSL-1200MK7と比較すると対照的で興味深い。「2M RED」カートリッジのキャラクターが存分に発揮され、メリハリに富んだ迫力ある音楽表現が楽しめる。ボーカルはヌケが良く明快で、ドラムスは少し大き目の音像で再現され、聴き手へと畳み掛けるように迫るフィルインが実にエネルギッシュだ。

より高回転となる45回転盤を再生した時も音がブレたりよれたりせず、歌声や楽器の輪郭が明快で、ホールやスタジオのアンビエンスも明瞭に拾い上げられる。このあたりに、ターンテーブルの正確な駆動能力やトーンアームのピックアップ能力など基礎体力の高さを伺い知ることが出来る。どっしりとした表現と、正確な時間軸の描写で、オールマイティに音楽を楽しませてくれるプレーヤーだ。


SL-1500Cの音質傾向

■JBL 「JBL TT350 Classic」




JBL 「JBL TT350 Classic」 143,000円(税込)
JBLが新展開する「Classic Componentsシリーズ」のアナログプレーヤー。1960年代中頃に発表した同社のプリメインアンプ「SA600」のデザインを踏襲した美しい佇まいが印象的だ。サイドパネルは、リアルウッドの突板を用いたこだわりの仕上げとなっている。駆動方式は、ダイレクトドライブを採用。


JBL TT350 Classicのカートリッジ部

JBL TT350 Classicのトーンアーム部/ウェイト部
回転数は33.3/45回転に対応する。今回登場している他のプレーヤー同様ユニバーサルアームを搭載し、ヘッドシェルの付け替えによってカートリッジ交換を容易に楽しめる他、VM型のオーディオテクニカ「VM95E」が付属するので、カートリッジ本体はそのままにスタイラス交換だけで様々なサウンドを楽しめることもポイントと言える。


JBL TT350 Classicの背面端子部/電源端子部
音像が適切で清澄完も健在する爽快なサウンド
そのサウンドは、付帯感のないシンプルでスッキリとした描写が快いものだ。ボーカルやギターなどはもちろん、バスドラムやベース類などの低音楽器の余韻も澄んでおり、端正で明快な視界が心地よいのだ。クラシックでホール空間の見通しが良好で、弦楽器の持続音はボウイングの様子が手に取るように見えてくる。

楽器の音像も適切なサイズで立ち現れる。エネルギッシュなロックやジャズピアノトリオでもその清澄感が健在で、スピード感溢れる音楽の推進力が、脚色のない音色表現とともに十二分に発揮される。ルックスのレトロなイメージとは裏腹に、実に爽快なサウンドを堪能できるプレーヤーなのだ。


JBL TT350 Classicの音質傾向

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