PRUSB、Bluetooth、microSDなど色々対応。カーオーディオにも
“何でも聴ける” CDプレーヤー!Shanling「EC Mini」で楽しく上質に音楽を再生しよう
リアパネルにはボリューム可変機能を持つRCAライン出力に加え、microSDカードスロット、データ通信専用のUSB-C端子、電源供給専用のUSB-C端子、後述する車載モードの有効化/無効化に使うスイッチを搭載する。
またBluetoothレシーバーモードを搭載するので、スマホやタブレットの音声を再生したり、専用のアプリケーション「Eddict Player」をインストールしたスマホから、「SyncLink」機能でリモートコントロール操作もできる。
これらのインターフェイスから、EC Miniは一般的なホームオーディオユースからヘッドホン/イヤホンのポータブルユースまで広範囲に活用できそうだ、ということが伝わってくる。
■コンパクトかつ上品な再生システムで、躍動感あふれる音楽を楽しむ
コンパクトでコスパの良さそうなEC Miniには、再生システムとしてカナダ・パラダイムの2ウェイスピーカー「MONITOR SE ATOM」と、トライオードのコンパクトな真空管アンプ「Pearl」を組み合わせた。小型シャーシの2台と、コンパクトな2ウェイ・スピーカーの組み合わせは視覚的な圧迫感がなく、美しいオーディオの風景が出来上がった。
電源を入れると、上部のタッチスクリーンが点灯する。発色の美しいアイコンが並び、ソース選択や電源管理、Bluetoothのペアリング、バックライトの明るさ調整などのシステム設定メニューが利用できる。
まずは基本となるCDから、テイラー・スイフトのアルバム『ミッドナイト』を取り出した。ディスクがスロットに吸い込まれる。スムースな動作だ。
CDモードを選択するとスクリーンがCDモードメニューに変わり、トラックナンバーや再生時間が表示される。本体には再生/一時停止、曲送りの物理ボタンも備わるなど、CDプレーヤーとして基本的なユーザビリティが担保されているのが嬉しい。
基本的なサウンド傾向は、ソースに忠実な質感を基軸としつつも、躍動的かつ明るい音。重量感とスピードが両立するエレクトリックバスドラム、開放感のあるサウンドステージにより楽しく音楽が表現される音だ。
次に聴いたのは、筆者のジャズ秘蔵盤であるXRCD24のブルーノート盤、ジャッキー・マックリーン『Swing Swing Swingin』。ジャッキーの泣くような色気のあるサックスの音色、アート・テイラーのドラムがグルーブの高いリズムを刻む。懐かしい音色だが、EC Miniの個性である躍動的な音調により、心なしか当時より良い音で鳴っており、感慨深い。
■昔のCDも今どきのストリーミングも、これ1台におまかせ
CDの音質は確かなものだったが、上述のようにEC Miniは多ソースへの対応力の高さも魅力。ということで、microSDカードに入れた、ビリー・アイリッシュのハイレゾファイル「What Was I Made For?」(48kHz/24bit)をヘッドホン環境で聴いてみた。筆者のリファレンスとしているゼンハイザーの「HD 800 S」を、XLR - 4.4mm変換アダプターを介してバランス接続した。
ポータブルオーディオにも強いShanlingの製品だけあり、EC Miniのヘッドホン出力は良質で、高音域から低音域にかけての分解能や低音域の力感も好印象だった。また、ゲイン調整もHIGHとLOWが選べるのでHD 800 Sのようなハイインピーダンスのヘッドホンでの音量不足や、高感度のIEM使用時のヒスノイズにも強みがある。
ファイル再生時のギャップレス再生にもしっかりと対応しており、ライブ音源などでトラックが変わっても音が途切れないのが嬉しい。最後は、手持ちのiPhoneとBluetoothでペアリングして、Spotifyから、洋楽ポップスのヒットチャート「ビルボードHOT100」を聴いて楽しんだ。
多くのソースを良い音で再生できて満足したところだが、EC Miniは背面のスイッチをスライドすると車載モードにも切り替えられる。このモードではUSB給電の有無で自動的に電源がオン/オフされ、振動に強いドライブメカを搭載していることもあり、カーオーディオ用途でも使いやすそうだ。
買い替えでも新規購入でも、今このタイミングでCDプレーヤーを購入するならば、充実した音質対策と出力インターフェイスを搭載しつつ、新旧ソースへ対応できる本モデルは有力な選択肢となる。
スピーカーを使うハイファイオーディオ環境から、コンパクトさを活かしたデスクトップ/ポータブルオーディオ環境、車両搭載までも可能など、購入後の満足感の高いCDプレーヤーだと判断する。コストパフォーマンスが高く、オーディオファンのツボをついたモデルを次々と開発する同社の動向には、筆者としても注視していきたい。
(企画協力:MUSIN)