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エントリークラスから5機種をピックアップ

“推し活”にマストなCDコンポ!「2.5万円未満」のハイコスパモデルを一斉比較レビュー

公開日 2024/07/26 06:30 生形 三郎
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■2.5万円未満で買えるCDコンポ・全5モデルを比較レビュー



2.5万円未満で購入できるCDコンポを一斉チェック

昨今の音楽リスニングは、スマートフォンで音楽配信サービスを再生してイヤホン・ヘッドホンで楽しむスタイルが主流となっている。だが、お気に入りのアーティストやバンド、アイドルなどを応援して楽しむ、いわゆる “推し活” において、意外とマストアイテムになり得るのが「CDコンポ」である。

音源を手元に残すためCDで購入するファンも未だいるなか、再生機がないゆえに未開封になってしまうケースも多いのが現状だろう。その点CDコンポを活用すれば、CD再生はもちろんのこと、USBメモリーの再生やワイドFM再生、Bluetooth接続に対応するモデルもあり、豊富な再生機能によって様々なシチュエーションで役に立ってくるはずだ。

そこで本稿では、CDをすぐに楽しめて高い機能性も備えるCDコンポを紹介する。まずは第1弾として、「2.5万円未満で購入できる5モデル」比較レビューを行っていきたい。

試聴取材の様子

■PANASONIC「SC-PM270」〈上品なデザインに温かみのある音色〉



PANASONIC「SC-PM270」 オープン価格(税込15,000円前後)

スピーカーがセパレートタイプのCDコンポで、設置場所に合わせて自由に左右のスピーカーを配置できるタイプだ。 CD再生やラジオ、USBメモリー上のMP3ファイル再生に加えて、Bluetooth接続では、スマートフォンなどからの音源再生をはじめ、専用アプリを使うことで同一ネットワーク上のPCやファイルサーバーの音源も再生することが出来る。

スリープ&目覚ましタイマー機能も搭載。10cm径と充分な大きさのフルレンジスピーカーを内蔵するとともに、アンプの出力は左右チャンネル合計で20Wが確保され、大きめの音量にも対応する。ブラックを基調としながらシルバーの加飾をあしらい、パナソニックらしい上品さのあるデザインだ。

SC-PM270のUSB端子部分

SC-PM270のスピーカー端子部分

「ボーカルがクッキリと明瞭で、ポップスなど歌ものジャンルが心地よい」
サウンドは、柔らかく温かみある音色と弾みのある低音で、聴き易い音に纏められている。特筆なのは、ボーカルがクッキリと明瞭に浮き出てくること。ポップスなど歌ものジャンルの再生を、特に心地よく楽しむことが出来るバランスだ。

ピアノも温もりのあるタッチで耳に快い。フロントに配されたボタンからで高音と低音のバランス調整機能にアクセス出来ることも便利な仕様だ。スマホの内蔵スピーカーで聴くよりも格段に音楽が楽しくなるだろう。

SC-PM270のCDトレイ部分

■ORION「SMC-140BT」〈ミニマルなデザインに軽快さを追求したサウンド〉



ORION「SMC-140BT」 オープン価格(税込16,280円前後)

本機も左右スピーカーがセパレートされたタイプ。スピーカーは7.5cm径のフルレンジユニットを採用し、アンプの出力は左右合計で10Wの仕様だ。フロントにはヘッドホン出力も搭載されている。

本体の上と下とでブラックとグレイ色に分けられたミニマルなデザインで、ボタン類も整然と並ぶ姿が印象的。再生ソースは、CD、ラジオ、Bluetooth、USBメモリーに保存したMP3再生に対応するシンプルな設計。機能面では、音色バランス調整用のイコライザープリセットが内蔵されているほか、CDのプログラム再生やランダム再生も可能だ。

SMC-140BTのUSB端子部分

SMC-140BTのスピーカー端子部分

「ドライで爽やかなサウンド傾向が楽しめる」
音質は、軽快さが追求されたものとなっている。女性ボーカルは、歌声が明瞭かつ軽やかで、発音や呼吸のディティールがしっかり描かれる立体感のある再生が特徴的。どのようなソースもドライで爽やかなサウンド傾向が楽しめる。

イコライザープリセットを使用した音の変化も楽しく、ジャズモードでジャズのピアノトリオを聴くと、メリハリある音色で演奏がデフォルメされ存在感が高まった。そこまで音量は必要とせず、歌声やメロディを明瞭かつ軽快なサウンドで聴きたい人にマッチするCDコンポだろう。

SMC-140BTのCDトレイ部分

■KENWOOD「LCA-10-W」〈薄型で高い機能性と押し出し豊かな音を兼備〉



KENWOOD「LCA-10-W」 オープン価格(税込19,800円前後)

奥行き僅か9.8cmの、一体型薄型タイプのスマートなCDコンポ。再生可能なソースは、CD、ラジオ、Bluetooth、USBメモリーに保存したMP3再生に対応のほか、本体背面にRCA端子のアナログ入力を備えていることも大きな特徴といえる。5.5cm径のフルレンジスピーカー内蔵で、アンプ出力は左右合計10W、ヘッドホン出力も装備する。

CDおよびUSBメモリー再生は、プログラム再生やランダム再生にも対応し、音質面ではイコライザーのプリセットやベース強調効果も備える。また、デイリータイマーやスリープタイマーを搭載するなど、薄型でコンパクトかつ機能性に優れることも本機の魅力だ

LCA-10-Wの各種ボタン部分

LCA-10-WのAUX端子部分

「前へと迫ってくるボーカル、張り出しの良い歌声が特徴」
そのサウンドは、スリムな筐体から出てくる音としては意外なほど、押し出し豊かなものだ。広いフロントボディ面全体から音が鳴り、手前側に出てくる存在感があるのだ。薄型の筐体で5.5cm径フルレンジユニットということもあり、さすがに豊かな低音は望めないが、ボーカルが明瞭に前へと迫ってくる音である。

どのようなジャンルも、軽快に音が出てくる印象だ。ソースの相性としては、Bluetooth接続時の音とのマッチングが高く、張り出しの良い歌声が特徴的だ。どちらかと言えば、サウンドよりも、とにかくスリムさや機能性を重視したい人に向いている機種と筆者は感じた。CD出し入れ時の電動スライドドア開閉は、使って楽しいギミックである。

LCA-10-WのCDトレイ部分

■KENWOOD「M-EB50」〈クールなデザインにスムーズで心地よい音質〉



KENWOOD「M-EB50」 オープン価格(税込21,780円前後)

左右独立タイプのスピーカーは、11cm径ウーファーと4cm径トゥイーターによる2ウェイ構成で、駆動するアンプの出力も左右で合計50Wと、今回の試聴モデルの中では群を抜いた大出力仕様となっている。再生ソースは、CD、ラジオ、Bluetooth、USBメモリーに保存したMP3再生に対応し、ヘッドホン出力も装備する。

プレーヤー本体のフロントパネルは、ヘアライン仕上げのアルミパネルが採用され、ブラックのスピーカーと併せてメタリックかつクールなデザインにまとめ上げられている。本体中央の黒い部分がCDトレイとなっていることも、デザインのアクセントとなっているほか、ディスプレイ部のタイム表記も大きく遠目でも見やすい。

M-EB50のヘッドホン/USB端子部分

M-EB50のスピーカー端子部分

「エネルギー感重視で迫力豊かなに音楽を楽しめる」
サウンド面では、一聴して、たっぷりとした量感の弾みある低音再現が楽しい。高域側は穏やかな傾向で、スムーズで心地よい音質が実現されている。ボーカルは厚みある温かい歌声が印象的だ。

ポップスではキックドラムやベースが、ジャズのピアノトリオではウッドベースやバスドラムの低音が迫力豊かに迫るため、低音のエネルギー感重視で音楽を迫力豊かに楽しみたい方に特にオススメのサウンドといえる。まさに、本体デザインの傾向とサウンドの傾向とがマッチしたモデルと感じる。

M-EB50のCDトレイ部分

■JVC「NX-W30」〈落ち着いたデザインにメリハリの効いたサウンド〉



JVC「NX-W30」 オープン価格(税込23,980円前後)

スピーカーが筐体内の左右に配置された、一体型のCDコンポ。8cmフルレンジユニットを採用し、本体後ろ側に、低音を放出するバスレフポートが設けられている。アンプの出力は左右合計で30W。

木目調シートによる筐体仕上げやクローム風のボタン、スピーカー前部がパンチングメタル仕様のフロントパネル、シャンパンゴールドな色味など、落ち着いた雰囲気を持つデザインに仕上げられている。再生ソースはCD、ラジオ、Bluetooth、USBメモリーに保存したMP3再生に対応。ヘッドホン出力も備える。機能面では、好みの音質を選べるサウンドモード機能や、タイマー機能も装備されている。

NX-W30のヘッドホン/USB端子部分

NX-W30のボリュームノブや各種ボタン部分

「女性ボーカルは明快な存在感を持ち、淑やかさや上品さも引き出す」
音質面では、快い温かみがありながらも、しっかりとメリハリを効かせたサウンドが、音楽を魅力的に聴かせてくれる。女性ボーカルは、明解な存在感を持ちながら、歌い手が醸す淑やかさや上品も引き出される。

ピアノの音色も、ピアニストの演奏の機微が丁寧に拾い上げられ、クラシックでは、一体型ながら箱の中に演奏空間が広がる様子が描き出されるなど、オーディオ的な魅力が聴き手に届く。驚くのはBluetooth再生で、ストリーミング再生も音が軽くならずに、しっかりと箱を震わす低音の迫力を楽しめた。

NX-W30のCDトレイ部分



[SPEC]
PANASONIC 「SC-PM270」
●形式:フルレンジ・バスレフ型 ●ユニット:100mm コーン型フルレンジ ●再生周波数帯域:61Hz –17kHz(-16dB) ●インピーダンス:6Ω ●能率:83dB ●実用最大出力:10W+10W ●主な入出力端子:USB Type-A 入力×1 ●対応フォーマット:CD-DA(CD、CD-R/RW)、MP3 ●ワイヤレス機能:Bluetooth ver4.2 ●消費電力(待機時):14W(約 0.2W) ●外形寸法:スピーカー部 139W×224H×136Dmm ●質量:約3.7kg

ORION 「SMC-140BT」
●形式:フルレンジ・バスレフ型 ●ユニット:75mm フルレンジ ●インピーダンス:6Ω ●実用最大出力:5W+5W ●主な入出力端子:USB Type-A入力×1、ステレオミニ出力×1 ●対応フォーマット:CD-DA(CD、CD-R/RW)、MP3 ●ワイヤレス機能:Bluetooth ver5.2 ●消費電力(待機時):20W(0.5W) ●外形寸法:アンプ部 180W×120H×245Dmm/スピーカー部 150W×240H×126Dmm ●質量:アンプ部 1.6kg/スピーカー部 1.1kg

KENWOOD 「LCA-10-W」
●ユニット:55mm コーン型フルレンジ ●実用最大出力:5W+5W ●主な入出力端子:アナログ音声入力(RCA)×1、USB Type-A入力×1 ●対応フォーマット:CD-DA(CD、CD-R/RW)、MP3 ●ワイヤレス機能:Bluetooth ver4.2 ●消費電力(待機時):11W(0.5W)●外形寸法:375W×209H×98Dmm ●質量:1.9kg

KENWOOD 「M-EB50」
●形式:2ウェイ・バスレフ型 ユニット:● 40mm ドーム型トゥイーター、110mm コーン型ウーファー ●再生周波数帯域:60Hz – 20kHz ●インピーダンス:6Ω ●実用最大出力:25W+25W ●主な入出力端子:USB Type-A入力×1、ステレオミニ出力×1 ●対応フォーマット:CD-DA(CD、CD-R/RW)、MP3 ●ワイヤレス機能:Bluetooth ver4.2 ●消費電力(待機時):25W(0.5W) ●外形寸法:アンプ部 200W×119H×241Dmm、スピーカー部 134W×202H×221Dmm ●質量:アンプ部 1.6kg、スピーカー部 1.7kg

JVC 「NX-W30」
●形式:フルレンジ・バスレフ型 ●ユニット:80mm コーン型フルレンジ ●インピーダンス:6Ω ●実用最大出力:15W+15W ●主な入出力端子:USB Type-A入力×1、ステレオミニ出力×1 ●対応フォーマット:CD-DA(CD、CD-R/RW)、MP3 ●ワイヤレス機能:Bluetooth ver4.2 ●消費電力(待機時):18W(1.0W) ●外形寸法:405W×123H×284Dmm ●質量:4.4kg

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