HOME > レビュー > VGP2025・優秀賞獲得モデルから厳選!審査員5名が “絶対推し” のデノン/マランツ/B&W/DALI

PRプロの心を射止めたモデルのクオリティチェックを一挙お届け

VGP2025・優秀賞獲得モデルから厳選!審査員5名が “絶対推し” のデノン/マランツ/B&W/DALI

公開日 2024/12/25 06:30 岩井 喬/生形三郎/大橋伸太郎/高橋 敦/林 正儀
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■702 S3 Signature、限りなく800 D4に近い音質とスリムで美しい仕上げ



Bowers & Wilkins「702 S3 Signature」 719,400円(1台・税込)

ハイエンドスピーカーのリファレンスとして人気がある “800 D4シリーズ” と、その下位となる “700 S3シリーズ ”の間を埋める選択肢を求める声に応えた “700 S3 Signatureシリーズ”。700 S3シリーズに “800 Signatureシリーズ” で開発された技術を取り入れ、音質だけでなく外装の仕上げもさらなる高みを目指したものとなっており、フロア型モデル「702 S3 Signature」はVGP2025で部門金賞を受賞。“限りなく800 D4に近い” 高音質と、スリムで美しい上質な仕上げを両立したスピーカーとして高く評価された。

VGP2025では映像音響部会「スピーカーシステム・映像音響(ペア100万円以上200万円以下)」で部門金賞を獲得。オーディオ銘機賞では銀賞を受賞している

B&Wならではのキャビネット上にトゥイーターを取り付けるトゥイーター・オン・トップ構造が特徴だが、カーボンドーム・トゥイーターの前面には、開口率の高いトゥイーター・グリルメッシュを採用。ミッドレンジは音離れ良く色付けのない表現を獲得した150mmコンティニュアムコーン・FSTユニットを取り入れた他、低域の明瞭度をさらに向上させるため、ダンパーを改良した165mmエアロフォイルコーンウーファーを3発搭載している。

加えてクロスオーバー・ネットワークも新型コンデンサーや大型空芯コイルへ置き換えた改良版としており、スピーカーターミナルも信号の流れを高める真鍮製のものとした。

フラグシップ“800 Series Signature”で採用した開放的なトゥイーター・グリルメッシュを踏襲

“700 S3 Signature”となることでバイパス・コンデンサーの基板レイアウトを改善

「音源の情報を過不足なく引き出し、上質かつ清廉な表現力を持つ」


800 D4シリーズに匹敵する解像度の高さ、立ち上がり・立ち下がりのレスポンスの良さに加え、音場の空気感もダイレクトに感じ取れる、リアルな空間表現力を兼ね備えた、色付けのないニュートラルなサウンド性を持つ。まさにリファレンスとしての実力を感じさせるクオリティであり、接続するアンプやプレーヤーなど、機材の違いにも的確に反応を示してくれる。

岩井 喬氏がクオリティチェック。「特別大賞」を受賞したプリメインアンプ「PMA-3000NE」を組み合わせて試聴

低域まで伸び良く適度な厚みを持たせつつ、制動性も高く、フォーカス良く音像を描いてくれる。トゥイーター・オン・トップ構造を生かした、スピーカーの外側まで自然に広がるリアルな空間表現力も見事であり、センター定位のヴォーカルも音離れ良くふわりと浮き上がり、口元の潤いやクールでキレ味の良い輪郭感を付帯感なく引き出してくれる。

小林研一郎・指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団『ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」』はダイナミックな大太鼓の響き、定位を正確に引き出すとともに、金管パートの鮮烈な浮き立ち、弦楽パートの細やかな弦の際立ちを生々しく描き出す。アビーロードでの収録だが、そのスタジオの残響感、音像の実体感をリアルに感じ取ることができた。また、秋山和慶・指揮/日本センチュリー交響楽団『チャイコフスキー:交響曲第4番』では、太鼓系のアタックの強さ、密度感に負けない管弦楽器のハーモニーと各パートの分離の良さ、音像定位を実感。音源が本来持っている情報量を過不足なく引き出しながら、音場の自然さ、音像の澄み切った描写を味わえる、上質かつ清廉な表現力を持つスピーカーだ。

■RUBIKORE8、「ミュージカリティ・リファレンス」へと到達



DALI「RUBIKORE8」 704,000円(1台・税込)

旧モデルから躍進を遂げた “RUBIKOREシリーズ” は、ドーム・トゥイーターからの磁性流体の排除や、ウッドファイバー・コーンへ馬蹄形プレスラインを設けて剛性アップや共振の分散を図るなど、スピーカーユニットを大幅に改良している。

VGP2025では映像音響部会「スピーカーシステム・映像音響(ペア100万円以上200万円以下)」で部門金賞、そしてオーディオ銘機賞では銀賞を受賞している。

加えて、ネットワークパーツのグレードアップやバスレフポート形状の最適化を経て、再生品位を格段に向上させた。シリーズの最上位となる「RUBIKORE8」は、スタガー接続トリプルウーファーへのローパスフィルター用コイルに同社特許技術SMCが投入され、豊潤かつ透明性高い低域再生を実現する。

「ミュージカリティ・リファレンス」へと到達したDALIのセミフラグシップ・レギュラーラインアップの頂点として、VGP2025では部門金賞、そしてオーディオ銘機賞で銀賞を獲得するという受賞結果となっているが、オーディオ評論家、ならびにオーディオ・ビジュアルに精通する審査員も納得する来栄えなのである。

「KORE」で培った技術を導入した大口径29mm Low-Lossドーム・トゥイーターを搭載

バスレフポートは、連続的に断面積を変化させた「コンティニュアス・フレア・バスレフポート」

「自然で快い音楽本位な持ち味と、雑味を排した凝縮感あるサウンド」


スタガー接続されたトリプルウーファーには、コーンに馬蹄型のプレスラインを施して剛性アップや共振の分散を図った新型ユニットを搭載しているが、ピアノを聴くと、その音像や響きのスケール感が他のモデルと比較して各段に大きくなる。そして、解像感重視ではなく、心地よい自然な表現が特徴的で、併せて優れた凝縮度を体感させてくれる。

生形三郎氏がクオリティチェック。RUBIKORE8もデノン「PMA-3000NE」を組み合わせて試聴を実施

ネットワークに高品位な独ムンドルフ製パーツが投入され、ウーファーのローパスフィルターには同社特許技術SMCを用いたコイルが配備されるほか、バスレフポートには、ストレート管ながらも開口部にラッパ状のカーブを設けたコンティニュアス・フレアーポートが搭載されているが、これらの技術によってどの音楽ジャンルにおいてもて品位の高い低域再現を可能としている。

充実したボトムエンドから来るDALIならではの自然で快い音楽本位な持ち味を踏襲しつつ、トゥイーターユニットから磁性流体を排除した明晰な描写性能が加わり、新たなサウンドコンセプトである「ミュージカリティ・リファレンス」な音楽再現を獲得しているのだ。上位機だけに与えられるマグネプラナー型リボンユニットによる緻密で上質な手触りと併せて、雑味を排した凝縮感ある旨味を堪能することができるRUBIKORE8の実力は、多くの審査員の心をつかみ、高い評価に至っている。

(提供:ディーアンドエムホールディングス)

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: