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まずは「シアタープロ」モードで画質調整

視聴は主に36型の「AV-36Z1500」で行った。32型「AV-32Z1500」も用意し、同時に視聴を試みた。当然、視聴時の画質はイコライジングを行っている。シアタープロモードからの追い込みで、質感を上げるためにコントラストをゆっくりと下げ、明るさも少し下げている。この状態で色の濃さも適宜合わせて調整した。こうしたイコライジングによってブラウン管が描く精細度を大幅に改善できるので、ぜひ試してみてほしい。明るさを半分にするだけで見違えるほど鮮明度が増すのがわかるはずだ。ちなみに、この調整はいずれもリモコン操作で行える。操作自体も難しくない。

 
AV-36Z1500」(メーカー希望小売価格:34万円)。DET技術を搭載した「1500i」シリーズの最高モデルだ。32型の「AV-32Z1500」は希望小売価格29万円となっている

本機のリモコン。ビクターの既存モデルの使い勝手を踏襲している(クリックで拡大)

 

1125iとの画質差を実感。近距離でなくても効果は歴然

準備ができたところでさて視聴。BSデジタルチューナーを接続してのデジタルハイビジョン放送の視聴、そしてDVDソフトから映画と、音楽ソフトを見る。このときのDVDプレーヤーは同社の人気モデル「XV-A500」を使用した。低価格ながら、DVDオーディオに対応し、さらに独自の「デジタルダイレクトプログレッシブ」搭載により高画質再生も実現したモデルだ。

まず、BSデジタル放送ハイビジョンを、DETで1500本画質にして視聴する。1125本から1500本へとアップしたハイビジョン受信だが、差し引き375本分の走査線数アップが、驚くほど画質向上に貢献している。隣に置いていた通常のハイビジョンテレビとの差は明らかだ。このときの視距離は2.5mほどで、少し離れたこの距離でも走査線の増加が実感できるから驚きだ。この場合、悪くするとモヤッとしたソフトな画になることがあるが、内蔵の新DSD回路でエッジをきりっとさせており、鮮明な印象なのも好ましい。

 

DVDソフトでは画質向上により空気感さえも描出

DVDソフトは『U-571』や『恋におちたシェイクスピア』『ビージーズ』などを使用。見なれたソフトだが、はじめて見るような感覚を覚えるほど、画面の美しさに引き込まれる。画面内の空気感や演奏者の肌合いなども実感でき、DETや新開発のリアルファインピッチ管の威力をまざまざと見せつけられた。

 

 
本機にはD4端子を3系統装備。DVD、BSデジタルチューナーだけでなく、D-VHSも同時に接続できる