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Phile-web >> 製品批評 >> BOSE3･2･1>> 「3･2･1」で聴き比べる

アクション、ドラマ、音楽もの。色々なソフトを聴き比べる

さあ、本腰を入れて3・2・1のパフォーマンスに浸る時がきた。すでにスクリーン視聴にも使えることはわかったし、ここはDVD、CD、テレビ放送など、あらゆるソース、コンテンツの魅力を引き出してみよう。

DVDの映画はいきなり「ロード・オブ・ザ・リング」のパワフルなスピード感に圧倒された。こうしたアドベンチャーものは空間描写がチープだと楽しめないが、驚くほど上下の高さ表現が巧みなのだ。それが背後までぐ～んと回り込む。実際にリアにスピーカーを置いたのと同じとまではいかないが、矢がピュンピュン耳元からヌケる感じは、とてもフロント2スピーカーとは思えない。

■林宅のシアタールームで聴き比べ
大画面の迫力に負けない、堂々としたそのサウンドに驚く

「ハリー・ポッター」では、目の回るようなボールゲームが画面狭しと動き回る映像ともシンクロし、気持ちのいい浮遊感を味わうことができる。「千と千尋の神隠し」も確かに頭上でサラウンドが回るようだし、「エアフォース・ワン」は護衛機が旋回していくシーンにリアルな高度差とスピード感を実感。「人間の音の方向知覚ITC、ILDを応用することで、意図した位置に特定の音を配置することができる」とのことだが、高速DSP演算の成せるワザと知りつつ、みごとにBOSEの心理作戦にハマった私だ。

このように計算しつくされた空間表現のみごとさとは別に、好感がもてるのがセリフのヌケ出しやその肉声感。それにぱりっと爽やかなミュージック音の再現も3・2・1ならではの魅力だろう。「ショコラ」は特にそれが素晴らしい。ドラマ性の強い「ビューティフル・マインド」はセリフと音場に緊張感がありシリアスな表現だ。

音楽DVDは、いま人気の「ダイアナ・クラール／ライブ・イン・パリ」ほかを鑑賞。突き放したようなダイアナのボーカルとピアノの空間融合がきれいなのは、S/Nが優秀な証拠だ。ベースは指のひっかかりまでリアルに表現し、ホールの残響も気持よい。

■今回視聴に使ったDVDソフト
アクション、ヒューマンドラマ、アニメなど、様々なソフトで3・2・1の実力を検証

■元ちとせ『ハイヌミカゼ』も試聴に使用。

ピュアオーディオのCDでは、クラシックやジャズもいいが、Jポップの元ちとせのいやし系ボイスがゴキゲンだ。クリアーな音色をもつ声のヌケ出し、とりわけ高音部の裏声の澄んだ美しさ……。テレビの音声もやはりボイスと音楽に魅力があり、6センチユニットもアクースティマスのベースモジュールも非常に歪みが少なく、音質そのものがハイクオリティであることがわかった。