フロント3本を直線上に配置するとセンターが近すぎ、音場がまとまらない。少しセンターを奥に下げてみた
指向性の強いECLIPSE TDスピーカーでのサラウンドは、通常のスピーカーでは得られない音場を再現する
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すぐれた残響・余韻の表現とリアリティ、立体感あふれる定位感にゆとりある音圧感。そんな魅力的な512を5.1chで使用してみたらどうだろうか。そう思い立って、さっそく編集部の試聴室で実験した。試聴にはDVDオーディオソフトを使用した。
まずは通常通りにフロント3本を直線上、フロントLRが約60度になるようにセット。リアは約120度にセットし、すべてリスニングポイントに向ける。その状態で視聴してみたところ、どうも音場がまとまらず、スケールが小さい。前の3本が直線上に並ぶためにセンターが近すぎるからだが、アンプ側での音量・距離設定で調整するよりも実際に距離を変えたほうが良いのではないかと考えた。もともと時間差の問題に真剣に取り組んだ製品だけに、アンプでディレイをかけることには抵抗を感じたのだ。
フロントLRとセンターがリスニングポイントから同じ距離になるように、センタースピーカーを少し遠ざけ、スクリーン側に近づけた。これですべてのスピーカーが自分から等距離だ。その結果、音場の広がりが非常に豊かになり、また、ダイナミズムの変化が滑らかで、微妙な音の出だしや消え行く余韻の再現が見事に洗練される。DVDオーディオのオーケストラ音楽では、ティンパニーのアタックの速さが際立って印象的だ。
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