新製品批評
Phile-web >> 製品批評 >> EPSON dreamio EMP-TW200を徹底検証



部屋の明るさに関係なく高画質が楽しめる5つのカラーモード
EMP-TW200のカラーモード
※画像はデジカメで撮影しており、縮小などの加工を加えているため、あくまで参考程度にご覧下さい
※このほか、パソコンの映像を映し出す際に最適なsRGBモードも備えています

[ダイナミック] 高いコントラスト感で迫力の映像を映し出す

[リビング] 部屋を完全に遮光しなくても精細な映像が見られる

[ナチュラル] バランスの取れた映像で長時間の視聴も疲れにくい

[シアター] 映画を観る際に最適なモード。暗部の階調をしっかりと描き出す
本機の画質へのこだわりの深さについて、さらに詳しく紹介することにしよう。本機のカラーモードは、明るい順にダイナミック、リビング、sRGB、ナチュラル、シアターと、5種類用意されている。ダイナミックとリビングは標準のランプパワーで明るさを優先し、ナチュラルとシアターはランプパワーを抑えて黒の深みを引き出し、さらにエプソンシネマフィルタをオンにして映画らしい色調を狙うというのが、基本的な構成だ。そのほかにsRGB規格に準拠して厳密な色管理を行うモードもそなえている。ランプパワーの変更やエプソンシネマフィルタのオン・オフは、カラーモードを切り替えるだけで自動的に動作し、特別な操作は必要ない。

これら5種類のカラーモードのなかから、部屋の明るさに応じて最適なモードを選ぶわけだが、本当に明るい部屋でも暗い部屋でも楽しめるのか、疑問に思う人もいるかもしれない。実際に実験してみると、それがけっして誇張ではないことがわかる。

テレビを見るときのような標準的なリビングルームの明るさでは、ダイナミックモードで映像の中身を自然なコントラスト感で楽しめる。特に、テレビ放送を見る用途ならほとんど問題ない。部屋のメインの照明を消し、フロアスタンドなど間接照明だけを点灯させた明るさではリビングモードを選べばよい。手元で文字が読め、家族の表情などもわかる明るさだが、その状態でも映画は落ち着いたトーンで表示でき、ゆったり楽しむことができる。発色も鮮やかで、映像に深みが出てくる。

遮光カーテンやブラインドを使って暗くした部屋には、ナチュラルかシアターモードが最適だ。黒がグッと引き締まってコントラスト感が向上し、映画館のように集中して作品に没頭できる。DVDやハイビジョン番組をじっくり楽しみたいときに選択するといい。

どのモードでも気付くことだが、色の忠実度の高さと美しさは、本機の大きな特徴のひとつといっていい。適切なカラーモードを選べば、標準設定のままでも、色が抜けたり、色調を不自然に感じることはほとんどない。


本体のみでも自由度の高い色調整が行える
一方、作品ごとに異なる色調やコントラスト感を、豊富な色調整機能を使って、自分好みの色に追い込んでいく楽しみも存分に味わえる。特に色バランスについては、オフセット、ゲイン、ガンマの3項目をRGB各色についてきめ細かく設定でき、たいへん自由度が高い。抜けの良い肌の色にこだわったり、往年のハリウッド映画の濃密な色を再現したり、思いのままに色調をコントロールできるので、映画を見る楽しみが倍増するのだ。

本体のみで行える画質調整
 
[画質調整] 明るさ、色の濃さ、色合い、シャープネスの調整が可能   [RGB調整] RGBそれぞれのオフセット、ゲイン、ガンマの調整が行える。オフセットとゲインは-30〜+30まで1ステップ単位で、ガンマは1.8/1.9/2.0/2.1/2.2/2.3/2.4の7段階から選択する
 
[肌の色調整] 肌の色調整は0〜6までの7段階で調整できる   [色温度] 低、中、高の3段階から選択できる


パソコンとUSBケーブルでつなぐことでさらに高度な色の6軸調整が可能になる
本体での色調整の操作に習熟した上級ユーザーには、パソコンを併用する、さらに奥の深い調整モードが用意されている。操作は難しくない。本機に同梱されている「エプソン シネマカラーエディタ」をインストールしたパソコンと本機を付属のUSBケーブルでつなぎ、同ソフトを起動するだけでいい。それだけで、RGBにCMY(シアン、マゼンタ、イエロー)の3色を加えた計6軸について、±128段階の詳細な調整が行えるようになるのだ。調整データは本体に加えてパソコン側にも保存できるから、好みのバランスをたくさん登録しておくことができる。プリンタや業務用プロジェクターなど多くの製品で高度な色再現にこだわり続けてきたエプソンらしい、完成度の高い機能である。

PCで画質を詳細に調整
 
アプリケーションを起動すると上の画面が表示される。プロジェクターはUSBをつないでいれば自動認識される   本体で行える調整は、すべてパソコンからも操作可能。マウスを使って操作できるので、リモコンよりも扱いやすい
 
これが、パソコン側でしか操作できないRGBCMYの6軸調整。色相と彩度を256段階で調整できる。RGBCMYそれぞれ独立で調整可能なので、非常に詳細な設定が可能になる   画質調整を行ったら、そのままメモリーに登録できる