歴史は意外と古く、最初のユニバーサルプレーヤーが登場したのは1999年である。その後、モデル数が増えてユニバーサルプレーヤーという名称が定着し(当初はフルコンパチブルプレーヤーなどと呼ばれた)、ジャンルとしての地位を確立したのはここ2、3年のことである。 CDプレーヤーから連なるピュアオーディオのプレーヤーは、当初から質実剛健、重厚長大路線の進化をたどり、その頂点といえるのがエソテリックP-0という超弩級のトランスポートである。本体と電源が別筐体でその総重量は47.2kgに達する。正に怪物であった。
最新のDVDプレーヤーやレコーダーの再生画質はどれも高水準で、大画面再生に十分堪えうるクオリティを持っている。ただ、音質はどうしても古くとも大型重量級のプレーヤーには勝てない。厚みや力感といった要素は特に顕著だ。一昨年の秋あたりからユニバーサルプレーヤーが続々と発売されているが、ユニバーサルプレーヤーはDVDプレーヤーの延長といった感じのモデルが多く、画質はいいのだが本体が軽量級で音も軽量級、さらにモノとしての風格が不足しているのだ。僕は昨年の初め、ユニバーサルプレーヤーを自宅レファレンスとして導入すべく、色々なモデルをテストしていたのだが、いずれも音質と風格で不合格となった。 そんな折り、エソテリックUX-1に出会った。それは正に僕が待ち望んでいたユニバーサルプレーヤーの理想型であり、個人的に最も信頼するプレーヤーメカニズム、「VRDS」の進化形である「VRDS-NEO」を搭載していた。これは非常に重要なことで、UX-1がDVDプレーヤーの延長ではなく、ピュアオーディオプレーヤーの進化形だということの証なのだ。 |