「マスターサウンドワークス」の1号機、A-100は終段がKT88プッシュプルの真空管式アンプである。このモデルはカテゴリー的・回路構成的にはパワーアンプだが、セレクターとボリュームコントロール機能も装備しているので、プリメインアンプとして使用することも可能だ。
初段の真空管は12AT7×2、ドライバー段のそれは12AU7×4という豪華な構成で、回路は三段直結となっている。そのサウンドは高性能な真空管アンプらしいパリッとしたものだ。ノスタルジックな要素を排除した現代的な真空管アンプである。
同シリーズのパワーアンプの第2弾はソリッドステート式のモノラル機、A-80である。このモデルには、従来の国産アンプの常識を覆すほどの物量が投入されている。
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2008年発売発売のモノラルパワーアンプ「A-80」(¥840,000) |
また、筐体の構造にも配慮がなされており、大型のトロイダルトランスと大型のコンデンサーは回路基板の直下に吊り下げられている。これは真空管時代の戦闘機に搭載されていた通信機によくみられる手法で、制振効果が高い。
回路基板は脚部とダイレクトにつながっており、振動を大地に逃がすような構造になっている。出力は200W・8Ω/400W・4Ωである。
第3のパワーアンプ、A-03はAクラス動作のソリッドステート式ステレオ機だ。このモデルはA-02と機械的な基本構造を同じくするもので、パワーアンプとしては非常に高度で巧妙なデュアルモノラル化が推し進められている。
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2008年発売のステレオパワーアンプ「A-03」(¥945,000) |
また、シャーシ/ボディの高剛性化も深化しており、ヒートシンクの鳴きは皆無というレベルまで抑え込まれている。A級動作ゆえに発熱は大きいが、小音量時でも素子がフルスイングしたホットな表現を楽しむことができる。 |