◆入出力端子を豊富に用意し、様々な機器を接続できる
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マルチセレクター「P-TU4H10」。地上波チューナーと豊富な入出力端子、画質調整機能を備える(写真はクリックで拡大) |
富士通ゼネラルの「プラズマビジョンW」は、フルデジタル処理の「AVM Plus」による画質へのこだわりとともに、見のがせないポイントがある。別体チューナーユニットのセレクター機能である。PDPパネルとは、1本の専用ケーブル(3m)にてコネクトされるこのチューナーユニットの、入力/出力数及びセレクターとしての機能は非常に充実している。さらに画質イコライジングまでこなす多彩さは、2ユニット構成を採るメーカー多しといえど富士通がダントツ。では詳細にみていこう。
美しい。ひとつのコンポーネントのようにスタイリッシュなボディだ。搭載チューナーは地上波U/Vのみだが、背面とフロント面にわたる端子群がすごい。まずビデオ入力(映像とL/R音声)は都合8系統と業界最多だ。コンポジットやS映像、色差コンポーネントはRCA及びD4端子、さらにパソコンRGB……など様々な信号形態に対応するが、ホームシアター機器で使用頻度の高い色差系については、割り付けによって「最大5系統」の色差入力まで可能だ。
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セレクターの背面端子部(上)と前面端子部(下)。HDCPに対応したDVI-D端子も備える(背面端子部の写真はクリックで拡大) |
もちろん最新のDVI-D入力も装備。これは元々PC用デジタル動画伝送のインターフェースで、A/DやD/A変換の余計な経路を経ない。「素」の信号を画質劣化なしのデジタルダイレクトで伝送できるのがメリットだ。なお映像コンテンツ保護のため、インテル社が開発したHDCP暗号化処理方式にも対応する。具体的には、このDVD-Iは3系統あるRGB端子のうちRGB1に対して与えられ、RGB2と3(これは前面入力だ)については、パソコンモニターのミニD-sub15ピンとなっているのだ。音声ではデジタル光入力も2系統をもつ。
さあ、これだけあれば少々のモノもちでも対応にこと欠かない。ざっと数え上げてもアナログのVHSにD-VHSビデオ、ディスク系だとDVDプレーヤに人気のDVD録画機、あるいはアンプに110度CS/BSデジタルチューナー、ビデオムービーにゲーム機、パソコン……等々みんなつないで楽しめるし、また将来への発展性もバッチリなはずだ。
◆マニアライクな調整が行え、将来性も高い
家電量販店よりもホームシアターの専門ショップで人気の高い富士通だが、ユーザーからはやはり良質なセレクターへの要望が高いという。それも道理だ。せっかくAVアンプを所有していても画質の劣化を嫌い、映像ソースのセレクトまではAVアンプにまかせないことが多いのが現状なのだ。だがそれだと入力ソースを切り替えるたびに、ディスプレイの入力も選択することになり面倒。さらにAVアンプのメニュー画面表示もできないという不便さがあったが、本セレクターなら一気にすべて解消してくれる。
加えて画像イコライジングの充実である。各入力ソースごとに、コントラスト、明るさ、色あい、シャープネスといった通常の項目から、プロセッティングでより深い階層に入り、ルミナンス、黒レベル、色温度ユーザー設定などよりマニアライクにこなすスグレモノだ。またRGB入力では通常輝度系の調整しかできないのだが、本機は色関係まですべて調整OKとは嬉しい。
海外ではHDCPでセキュリティをかけたデジタル動画放送も近々登場する。そんな未来まで見据えたマルチセレクター機能なら将来にかけても安心だ。プラズマ選びの大きなポイントになるのは間違いない。
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