ここでは、DPC-MP727に関するキーワードを解説しよう。

WMA

WMAの正式名称はWindows Media Audio。その名の通りWindowsの標準圧縮方式で、マイクロソフトが開発した。wmaという拡張子がつく。MP3やATRACなど既存の音声圧縮方式に比べて、音質を維持しながらさらに圧縮率を高めることができるとされ、64kbpsという低いビットレートでも音楽再生に常用できるといわれる。DPC-MP727も64kbpsに対応しているが、ケンウッドは、余裕をもって128kbpsを使うことを薦めている。Windows Media Playerで音楽ファイルをパソコンにコピーする場合は、このWMA方式で圧縮が行われる。


MP3

MP3の正式名称はMPEG1 Audio Layer3。DVDやBSデジタル放送の圧縮フォーマットとしておなじみのMPEGの仲間だ。音質を大きく落とさずに音楽CDの約10分の1のサイズまで圧縮できることから、パソコンユーザーを中心に世界的規模で普及が進み、現在、多くの音楽ファイルが特にインターネットを中心にこのファイル形式で流通している。

そのなかには著作権保護技術を組み込んでいないものもあったため、レコード会社の音楽配信サイトではほとんど採用していない。ただし、合法的にダウンロードしたり、CDからMP3に変換して個人で楽しむこと自体に問題はない。本機が対応しているビットレートは32~320kbpsと非常に広範囲だが、音質とサイズのバランスを考えると、WMA同様、128kbpsで記録するのが最も効率がいい。


その他の圧縮技術 ATRAC3、AAC(※MP727では対応していません)

音楽配信の世界ではその他にもいくつかの圧縮技術が実用化されている。MP727ではそのままで再生できないけれど、いくつか紹介してみよう。
まずソニーが開発したATRAC3。これは、MDの圧縮方式であるATRACをベースにさらに圧縮率を高めたもの。MDの長時間モードであるMDLPにも使われているので、それと知らずにATRAC3の音を体験している人も多いはずだ。
AACという圧縮技術もある。これは、BSデジタルの標準音声圧縮方式として採用された圧縮技術。高音質が自慢の最新フォーマットである。


CDDB

CDDBは「Compact Disk Data Base」の略称。音楽CDのアルバム名、アーティスト名、曲名などが検索できるCDのデータベースだ。このレポートの文中に紹介したのは、CDDBのWebページのこと。ここでも検索サービスが提供されている。 http://www.CDDB.com/index.html

WEB版CDDBのトップページ。データベースとなっている曲は洋楽中心であるが、日本のアーティストの曲は、あるものとないものがある。 なお、CDDBサーバのデータはユーザーが登録したものなので、間違っている可能性もたまにある。気を付けておこう。