連載レポートの最終回となる今回は、先にPhile-webで募集を行ったPureAVのHDMIケーブル用アダプター「RazorVision」のモニターユーザーにご当選された安齋尊顕さんのご自宅を訪ね、本機の使い心地などをうかがった。 |
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安齋さんは神奈川県横浜市の緑に恵まれた閑静な住宅街に、今お住まいのご自宅を約1年半前に新築し、移り住んで来られた。現在は奥様とお2人で暮らしている。編集部が取材にうかがった日は、3月の上旬にもかかわらずいつもの年よりも早い春の訪れを感じさせる暖かい陽気だった。
はじめに取材班は安齋さんのリビングシアターにおじゃまさせていただいた。こちらのリビングシアターでは、普段よく奥様と一緒にくつろぎながら、奥様の好きなテレビドラマや安齋さんの好きなスポーツ番組などを中心にご鑑賞されているそうだ。約23畳ほどのLDKは隣接するダイニングとキッチンにつながっており、日中は明るい陽射しが射し込む伸びやかな空間だ。 リビングシアターのAV機器は、普段観たいコンテンツや使い心地に関する希望を奥様にうかがいながら安齋さんが選ばれたそうだ。その選択基準については「くつろいで過ごしたいリビングルームなので、あまり機械っぽい印象が強くない製品で揃えるよう心がけました」という安齋さん。メインのディスプレイにソニーの46V型液晶テレビ“QUALIA 005”「KDX-46Q005」を据え、ハイビジョン対応の再生機はシャープの「BD-HD100」にソニーの「PLAYSTATION 3」が揃う。普段ご覧になるコンテンツは、もはやほとんどハイビジョン・クオリティのものばかりだという安齋さんだが、録画したBDディスクの枚数は早くも300枚に上るそうだ。 フロントスピーカーにはグレー・タイガー・アイのキャビネットが美しいB&Wの「Signature 805」をセレクト。普段は音楽を楽しむことも多いというこのリビングシアターでは、サラウンド再生も楽しめるようになっている。天井にはB&Wの埋め込みスピーカーを配置し、ヤマハのAVアンプ「DSP-Z9」とサブウーファー「YST-SW1500」による6.1chシステムを構成している。センタースピーカーについては、画面の下に大柄なスピーカーを置きたくなかったという安齋さんの選択により、現在はファントムセンターとなっている。
このような機器の選択からもわかるように、AV機器には並々ならぬこだわりを持たれている安齋さんだが、初めてご購入されたAV機器は、高校生の頃にアルバイトで貯めたお金で手に入れたというソニーのCDプレーヤー「CDP-333シリーズ」なのだそうだ。現在も新製品はまめにチェックされているという安齋さんだが、製品を導入する際には「私は新しもの好きな方と自負していますが、やたらむやみに新製品を買うのではなく、クオリティの向上が明らかに見込めそうなものや、新しいフォーマットの再生が楽しめるものなど、何か特別な魅力を持っている製品を見極めて購入するようにしています」というポリシーを大切にされている。ちなみにこちらのリビングシアターの他にも、地下室には映画をじっくりと楽しむための専用シアタールームもお持ちなのだそうだ。こちらのお部屋も後ほどぜひ拝見させていただくことにしよう。 |
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続いて、今回PureAVのHDMIケーブル用アダプター「RazorVision」を使っていただいた感想を安齋さんに訊ねて行くことにしよう。 今回のモニターユーザーにご応募いただいたきっかけについては「はじめは地下の専用シアタールームでプロジェクターと再生機器をつないでいる10mのHDMIケーブルと交換して画質補正の面から試したいと考えていました。実際には、送られてきた製品をリビングの液晶テレビにつないでテストし、機器の画質を積極的にエンハンスするという視点を中心に試用しました」という安齋さんだ。セットアップの段階で、最初はうまく映像を出画するまで少し手間がかかったそうだ。当初安齋さんは「HDMI接続に対応する機器どうしの、相性の問題なのかもしれませんが、色々試してみたところ、先にテレビの電源を入れた後に再生機を起動するといった順番だと上手く起動するようになりました」と語る。
今回、RazorVisionのエンハンスメント機能の評価については、安齋さんがHDVで撮影したテストパターン素材をPCで編集して、BDディスクに保存したという、自作のハイビジョン・チェックディスクを使って頂いた。「実は自宅のシアターに新しい機器を導入する時も、いつもこんなふうに画質を評価するのが楽しみなんです」と、笑顔を見せる安齋さん。RazorVisionの画質については「高い輝度は抑え気味ですが、ミッドのトーンを圧縮しガンマ立てて、クッキリとした映像に仕上がっているようですね。カラーパターンを見た時にも、「真ん中辺りの輝度をやや盛り上げた画づくりと感じました」と評価する。次々と画面スプリット機能で、補整前と補正後の、自作のテストパターンの画を比較しながら、安齋さんの具体的な説明がなめらかに続く。
今回長期に渡ってテストしていただいた安齋さんが考える、RazorVisionの最適な使いこなし方についても訊ねてみた。「先日“名もなきアフリカの地で”という映画がハイビジョンで放送されていたものを、BDディスクに録画してRazorVisionを使って観てみました。もともと現地のロケで撮影された映像のコントラストが淡いタッチの作品だったので、RazorVisionでエンハンスメントをしてみたところ、コントラストがしっかりと補正されて、美しく引き締まった映像が楽しめました。この経験から、例えば古い映画などを楽しむ際に、映像を瞬時にエンハンスして楽しむのにとても便利な製品だと考えています」と安齋さんは語る。今後、欲しい映像機器について伺うと、「やはりクオリティの高いBlu-ray再生機や、HDMIの画質補整の機器で、RazorVisionより、さらに細かくユーザーが設定を調節できるアダプターがあったら面白いと思います」と、最先端の機器やアクセサリーにも興味を示された。 リビングルームでのテストを終えた後、安齋さんご自慢の専用シアタールームも拝見させていただいた。こちらの部屋ではソニーのSXRDプロジェクター「VPL-VW100」にソニーのAVアンプ「TA-DA9100ES」を経由して、パナソニックのBDレコーダー「DMR-BW200」がHDMI接続で組み合わせられている。音響周りではソニーのAVアンプを軸に9.2chのサラウンドシステムを構築されている。今回はパナソニックのBDレコーダーでHDMI接続による安定した出画を行うための推奨環境が3台までとされていたため、編集部の持ち込んだパイオニアのハイビジョンレコーダー「DVR-DT90」を、PureAV HDMI9.1mケーブルとRazorVision経由でプロジェクターに接続し、ハイビジョン映画の映像を安齋さんに観ていただいた。「エンハンスメント機能については、はじめは主にテレビで使うのが良いかなと思っていましたが、プロジェクターとの相性も良いですね。液晶テレビよりもナチュラルに表現されるようです。特に寒色系の表現に不自然さがないですね」と、感触も好ましかったようだ。今回はRazorVisionが対応する上限の解像度となる1080i信号で映像を出力した。なおPureAVのHDMIケーブルシリーズはすべて1080p出力に対応しているが、すでに認証テスト済みの長さは4.8mまでとなる。安齋さんにはPureAV「RazorVision」を長期に渡ってアクティブにお使いいただいたが、取材の最後には「とても楽しませてもらうことができました」と笑顔で今回の体験を振り返って下さった。今後も安齋さんがホームシアターで過ごす大切な時間に、RazorVisionが感動をもたらしてくれることを期待したい。
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