東芝<レグザ>を使いこなす Z3500Series

テレビを中心に多彩なエンターテインメントがひとつになる

ハイビジョン対応の製品が増える一方で、パソコンのAV機能も日々進化している。テレビはそれらの機器のアウトプットとして、多くの機器から熱烈なラブコールを受けている。そんな時代のニーズに応えるべく東芝が提案するスタイルが「レグザリンク」だ。

「レグザリンク」とはLANによるホームネットワーク機器やHDMI接続した外部機器、USB接続した外付HDDなどをテレビを軸に一括管理し、ハイビジョンクオリティの映像やサウンドが楽しめるエンターテインメントの統合機能だ。各社薄型テレビのトレンドとして、いま自社のレコーダーやサラウンド機器をテレビのリモコンで操作する機能が人気を集めている。「レグザリンク」では、薄型テレビ“REGZA”のリモコンを使って、同社のレコーダー“VARDIA”や、オンキヨー製のAVアンプ、ヤマハ製のサラウンドシステムなどが快適に一括操作できる。“REGZA”の場合はさらに、USB HDDやLAN HDD、同社のノートPC“Qosmio”シリーズまでもがテレビのリモコン一つでコントロールできる。その操作感はまるでテレビの本体にレコーダーやパソコンの機能が内蔵されているように感じられるほど、シームレスになっている。

レグザリンクはHDMI CECやDLNAといった汎用性の高い規格をベースにしているので、東芝製以外の製品を含む多彩なデジタルAV機器との連携が可能になることも大きな魅力の一つだ(写真は拡大します)

テレビの表現力はフルハイビジョン対応を実現したことで格段に高まってきた。その一方でテレビ放送のデジタル化により、テレビから外部接続機器へアウトプットする情報についてもニーズが広まり、同時に高いクオリティが求められている。例えばフルハイビジョンで撮影したセルフムービーや、高画質の一眼レフデジカメで撮影した写真をテレビで再生したり、ハイビジョン放送の5.1chサラウンド音声をサラウンド専用機で楽しむというスタイルが一般化しつつある。“REGZA”シリーズの開発を担当する本村氏は「“REGZA”ではこれらの操作がテレビのリモコン一つで行えるので、様々な外部機器を接続しても、すべてテレビの機能の一部のような感覚で手軽に楽しめるようになる、それがレグザリンクです」と説明する。
レグザリモコンひとつで外部接続機器のシームレスな操作を実現

「レグザリンク」は、ただ横並びにテレビへ対応機器を接続して切り替えるだけのセレクターではない。リモコンの「レグザリンク」ボタンを押すことで、接続した機器の一覧が表示され、そこから必要な機能を選ぶだけで、外部機器の操作がテレビのGUIとリモコンだけで手軽に行える。昨今の新しいAV機器に採り入れられる連動コントロール機能は、HDMIで接続した機器のコントロールだけで終わることが多いが、「レグザリンク」はUSBとLANで接続したHDDに録画した番組の再生や、パソコン内に保存した音楽・動画・写真までもがリモコン一つで再生できてしまう。実際に操作を行っていると、テレビではなくパソコンを直接操作しているような感覚が得られる。

レコーダー“VARDIA”との連携による番組録画予約の操作も実に簡単だ。操作性・視認性の高い「レグザ番組表・ファイン」を使って、HDMI接続した“VARDIA”に番組予約ができる。あらかじめテレビの方から番組の「録画先」として“VARDIA”を設定しておけば、USBやLANで接続した外付HDDと同じ要領で、3タッチで手軽に録画予約が行える。まるで“REGZA”が“VARIDA”を内蔵しているかのようなシームレスな操作が可能だ。

オーディオまわりの機能にも「レグザリンク」ならではのメリットがある。リンク機能を使ったサウンドシステムとの連携と言えば、通常は「テレビと同じメーカー」の製品のみに対応している場合が多いが、「レグザリンク」では他社製のシステムとの連動操作を実現し、ユーザーの選択肢の幅が広げられている。現時点ではオンキヨーとヤマハの2社が対応しており、それぞれのメーカーからホームシアター機器をつないで迫力あるサラウンドが楽しめる。選択できる製品の幅が多いことは大いに歓迎できる。

そのほか外付HDDについてもメーカーが動作確認を取っている製品であれば、様々なメーカーから発売されている市販の製品が利用できる。こちらの場合でも対応メーカーが多いほど、セール品に遭遇するチャンスも増えるだろう。このあたりの自由度の高さも「レグザリンク」の大きな魅力の一つと言えそうだ。

レグザリンクを使ってみよう
レコーダー“VARDIA”のコンテンツを再生
【STEP1】レグザリンクのメニュー画面からはじめに「機器を選択する」を選び、レコーダー“VARDIA”を選択。その後あらためてメニューから「機器を操作する」を選ぶ(写真は拡大します) 【STEP2】機器操作のメニュー画面。テレビから操作可能な“VARDIA”の連動操作メニューが表示される(写真は拡大します) 【STEP3】“VARDIA”との連動時に表示される「見ながら選択」の画面。テレビ放送を見ながら番組選局や録画した番組の選択・再生、HD DVD、DVDソフトの再生も行える (写真は拡大します)

オーディオシステムのサウンドを楽しむ
【STEP1】HDMIで外部のオーディオ機器を接続している場合は、デフォルトの優先スピーカーをテレビ内蔵のスピーカーと外部オーディオシステムで選ぶことができる。まずは初期設定から「レグザリンク設定」を選択(写真は拡大します) 【STEP2】「優先スピーカー」のメニューを選ぶ(写真は拡大します) 【STEP3】デフォルトの優先スピーカーを「AVアンプスピーカー」にすることもできる。レグザリンク上のオーディオシステムは電源連動や音量調整などがテレビのリモコンから行えるようになる(写真は拡大します)
テレビの未知なる楽しみ方を“REGZA”は切り拓いてゆくだろう

「映像に口うるさい人ほど“REGZA”を選んでいる」━━これは筆者が以前、大手家電量販店を取材した際に店員から聞いたコメントだ。いまや店頭のテレビ売り場は戦国時代そのものだ。各社が多彩な機能や画質エンジンの名を連ねて、しのぎを削っている。その中でテレビ選びに一家言を持つ人に“REGZA”の評価が特に高いのは他でもない、彼らは店頭にてその目で製品比較した末に“REGZA”を選んでいるからだ。

究極のGUIである「レグザ番組表・ファイン」が搭載されたことにより、奥の深い数々の機能が誰にでも手軽に楽しめるテレビ「Z3500」シリーズが誕生した

もしアナタが一番映像の美しい薄型テレビを店頭で選ぼうとするなら、比較するテレビの画質設定を「スタンダード」にして、色の深みや人肌の表現などをじっくりと見比べるべきだ。例えばライブ映像を見ると、仕上がりの良くないテレビは、照明によってできるグラデーション部分に滲むようなノイズが発生する。また出演者たちの顔のアップを見比べると、人肌の質感が砂漠のようにザラザラとしていないだろうか?髪の毛の流れは1本1本確認できるだろうか?画質が決まったら、次は機能だ。筆者は家で常時10台以上のレコーダーを使ってテレビ番組を録画している。ライブライリ用に保存する番組もあるが、ほとんどの番組は「見たら消す」ことが多い。そうなるとテレビ番組は“テレビそのもので録画する”のが一番使い勝手が良く感じられてくる。面倒な入力切り替えを行わなくてもテレビそのものに録画機能があれば、見ている番組をその場で録画できる。録画機能付テレビの醍醐味は、一度味わってしまうとヤミツキになる心地よさなのだ。

「Z3500」シリーズでは市販のUSB HDDを接続するだけで録画機能付きテレビに早変わりする「驚き」が味わえる。録画機能付きテレビの中には、専用のHDDを用意する製品もあるが、メディアの価格が高価になるのが難点だ。格安の価格で手に入るUSB HDDに対応した「Z3500」からは、便利な機能をカジュアルなコストでユーザーに提供しようとする意気込みが感じられる。

良いテレビとは、作り手が常にユーザーの目線に立ち、些細な表現に心を砕き、改善や改良を積み重ねてできるものだと筆者は考えている。今回、“REGZA”の開発スタッフにお会いできて、彼らの「テレビづくりのプロ」としての気概を改めて感じることができた。

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