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松山 パネルが持つ問題を私が指摘すると、東芝の開発者はすぐにその背景を理解してくれます。彼らの技術は明らかに向上していますし、ネイティブパネル性能の問題点も分かっているはずです。 − 客観的に見られるという強みがあるのかもしれませんね。 松山 ガンマを始めとする信号処理も巧みですね。未来に向けての課題も見えているようですし、今後も一緒に製品作りのお手伝いをしていきたいと思いますね。 貝山 ある一人の技術者の熱意が、実際の製品から感じられますね。最近の東芝のディスプレイにおいて私がまず評価したいことはそこです。大勢で議論して、協力して作りつつも、強い意志を持って最終的な画を決定する技術者の存在を感じます。REGZAからは「表現への求心力」が確かに感じられますし、そういった部分が私は大好きですね。 − はい。 貝山 私が感じたREGZA映像の違和感の無さは、そういった求心力に依拠していると思います。色や階調、そして「超解像技術」に代表される解像度に対する取り組み、それら全てですね。ZH7000シリーズは、今までの東芝製品としての集大成といっても良いと思います。難易度の高いソフトをじっくりと観る機会がありましたが、確実に再生できていました。 松山 『コッポラの胡蝶の夢』のことですね。 貝山 ええ。 松山 私は同じコッポラでも、『ドラキュラ』を最近のレファレンスにしています。これは、CGを一切使わないオールスタジオ撮影のフィルムです。彼の子供のときの陶然とした夢を形にした、決して鋭くはなく、ゆっくりしたエッジの恐怖がいかに表現出来るかをチェックしました。精細度を上げ過ぎてもいけない。蜂蜜で溶かされたような少し柔らかいエッジや、にじみのあるような赤が表せないと作品の価値が落ちます。結果的にはZH7000はこの作品にピタリとはまり、非常に良く表現出来ていると感じました。デジタル回路を駆使しつつ、映像にデジタル臭さがないのが最大の評価ポイントと言えます。 貝山 『コッポラの胡蝶の夢』は、暗い部分の表現が非常に厳しい映画です。ZH7000ではそのあたりがきちんと表現出来ていて、非常に感心しました。暗いシーンでの解像感もかなり理想に近付いていましたた。知的な娯楽作品であるこの映画を堪能できる、高いレベルに達した製品だと思います。これは同じソフトを各社のディスプレイと比較してみた結果の感想です。 − はい。 貝山 REGZAが今後さらにどのような進化を遂げるかが、非常に楽しみですね。 |
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