■エントリーモデルながら画質・操作性とも着実な進化を遂げた
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PANASONIC「TH-AE200」(写真はクリックで拡大) |
本機のベースになったTH-AE100は、液晶プロジェクターを身近な存在に変えた立役者であった。価格もそうだが、なによりも肩肘張らずに大画面でDVDを見る楽しさを教えてくれた功績は大きい。それこそカジュアルに楽しむ大画面の良さである。
そのカジュアルシアターが、本機とTH-AE300という2台の新世代カジュアルシアターに分化し、進化した。手軽さという前作のキーワードに加えて、それぞれの製品がどんな新しい魅力を身に付けているのか、大いに興味のあるところである。
前作の構成を忠実に受け継いでいるのは、同じ解像度のワイドVGAパネル(858×484ドット)を搭載する本機の方である。ただし、解像度が同じといっても、デバイスとしての液晶パネルは新しくなっており、明るさの向上など、歓迎すべきいくつかの改善を実現している。本機は、その明るさの向上をコントラストの改善に振り分けて、コントラスト比を初代機の500:1から700:1へと引き上げた。それによって明暗差を描き分ける能力が上がるわけで、特に映画再生時の画質向上に大きな期待がかかる。
本機に搭載された6つの映像モード
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ノーマル |
標準的な明るさの環境時に使用でき、様々な映像に対応 |
シネマ1 |
階調を抑えた柔らかい画調 |
シネマ2 |
クッキリとした画質 |
ミュージック |
鮮やかさを重視したインパクトのある画質 |
ダイナミック |
明るい部屋で使用する時に最適 |
スポーツ |
暗部と被写体をしっかり映し出す |
もうひとつの大きな改善点は、使い勝手と画質の両方に関わっている。エントリークラスのプロジェクターを導入する映画ファンは、根気のいる細かい画質調整作業にそれほど時間をかけるとは考えにくい。だが、映画、コンサートライブ、地上波放送、ハイビジョン放送といった具合に、やはり映像ソースによって最適な映像バランスで楽しみたい。それを実現するのが、新設された6種類の映像モードである。特に映画についてはしっとり&ナチュラル系のシネマ1と、くっきり派のシネマ2という2種類の選択肢を用意した。この種の映像モードは、あらかじめ設定された内容が適切でなければ意味がないが、あとで紹介するように、本機の映像モードの設定は順当なものであり、十分に工夫されているといってよい。
使いやすさについて触れるなら、本機の設置が簡単である点も特筆すべきだろう。短焦点の投射レンズはじめ、コンパクトな筐体設計を初代機から受け継いでおり、相変わらず使いやすさは際立っている。
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