■高解像度パネルを搭載しハイビジョンとの相性バツグン
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TH-AE300は960×540の高解像度パネルを装備。縦横をそれぞれ2倍すればハイビジョンの解像度になり、高画質で画素変換が行える(写真はクリックで拡大) |
TH-AE200が初代カジュアルシアターの構成を受け継いだ直系の後継とすれば、本機は新しい血を加えた進化モデルといったところ。まず、心臓部の液晶パネルが960×540画素の高解像度パネルに変更になった。この数字を見て気付くのは、縦横の数値を2倍にした1920×1080画素が、ハイビジョン信号のリアル解像度に重なるということだ。
液晶など固定画素方式のディスプレイでは、画素変換技術の完成度が最終的な画質を大きく左右する。もちろん、画素変換を必要としないリアル表示が理想だが、次善の選択肢としては、整数で割り切れる処理が望ましい。画質劣化を比較的抑えることができるためだ。その意味で、本機のワイド液晶パネルは、ハイビジョン信号との親和性が高いということができる。
■独自の高画質技術“SmoothScreen”を搭載
TH-AE200にはない本機だけの機能のひとつが、液晶パネルの格子構造を見えにくくするスムーススクリーン技術である。パネルの透過光を水晶板で微妙に重ねることで、画素間のマトリックスを目立たなくするという原理で動作する。マトリックス構造が完全に見えなくなるというわけではないが、事実上気にならないレベルまで減らすことは可能だという。画素ピッチの細かい高解像度パネルを積んだ液晶プロジェクターではそれほど気にならないものだが、スクリーンに近付いてみると、格子構造をはっきり識別できる。本機がその点に目を付けたのは画期的なことといっていいだろう。
もうひとつのこだわりは、きめ細かい画質調整機構を積んでいることである。本機はTH-AE200と同様な6種類の映像モードを積んでいるが、それに加えて、黒側と白側それぞれ±3段階のガンマ補正機能を追加。その掛け合わせによって、合計294(=6×7×7)通りの画質設定から好みの映像を選択することができる。さらに、各映像モードごとに±3000°Kの範囲で色温度を変更することができるなど、じっくり時間をかけて画質を追い込める良さがある。
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