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実際にビットレボリューションの高音質化処理を体験し、その効果に驚く林氏 |
これはのけ反る変化だ。CDからMP3録音した圧縮音源は、もやついた冴えないサウンドで妙なきつさも残る。情報量不足そのものといった音の表情だが、それが補間後は様変わり。ボーカルがすっきりと高音域までヌけ、声に表情がついてくる。「惑星」のような編成の大きな管弦楽もダンゴにならない。かたまりだった各パートがきれいに分解され、楽器の定位やステレオイメージがぐんと正確になった。かさついていた弦にみずみずしさが宿り、強奏音がピークまできれいに伸びる。失われたはずの音域が復活し、天井が高くなったようにダイナミック感がついたのだ。
特筆すべきは、いかにも補間しましたというのではない、自然な心地よさが感じられることだ。これはヘッドホンでもハッキリとわかる。ポップスもジャズもとても聞きやすい。ニュアンスがキメ細やかで、長い時間でも聴き疲れすることもない。ああ、本来はこうあるべき音なのだ、と感じた。この手の補間された音はこれまで数多く聞いたが、ビットレボリューションはまさに別格といえる。オリジナルのCDを聴いているというより、たっぷりと醸成された情報量感はCD以上だ。
どこを補間しているのかは、画面上のスペアナで見ることができる。たとえばMP3なら16kHzがそのポイントだ。そこで16k/48kのうち16kHzを選ぼう。圧縮時はスペクトルが16kHzまでだったが、その上48kHzまで生成されている様子が確認できた。耳と目でわかるのは楽しい。
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VRAISONのメイン画面。スペアナが表示され、実際に再生されている |
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効果を自ら設定できる「ユーザーサラウンド設定」機能も内蔵 |