これからのマクセルは「人に優しいインターフェース」がキーワード
マクセルは各種のディスクやテープ、メモリーなど、主力メディアメーカーとしてお馴染みだが、新たに「Vraison(ヴレソン)」というオーディオブランドを立ち上げる。VRAIとはフランス語で「本物」、SONは「音」。人間工学にもとづく「本物の音を」実現するいう意思が込められている。 その中核となる技術が、Bit-Rrevoiution(ビットレボリューション)だ。これは高域周波数の補間・ビット拡張などによって、MP3やCDの音を一気にSACDグレードに高め、あらゆる音楽をより自然なサウンドで聴くことのできる画期的な高音質化テクノロジーである。

いまオーディオをとりまく環境はデジタル一色、大容量化一色。当然ながら高圧縮化は避けられないトレンドだ。DAPや音楽配信など、高圧縮されたサウンドしか知らない若者も珍しくはない。それはオーディオや音楽文化にとって好ましいこととは、私にも思えない。そこにメスを入れるのが、マクセルが新たに開発したBit-Rrevoiutionなのだ。

2007年春には高音質処理をチップ化したAV用ヘッドホンや、高音質化スピーカーシステムなどを発売する予定
手軽さの反面で、失われようとしているホンモノの音楽の喜びや感動を一人でも多くのユーザーに味わって欲しいというコンセプトであり、その第一弾として投入するのが、PC用のUSBヘッドホンである。

2007年の春以降、ノイズキャンセルヘッドホンやBluetoothとの連携。そしてアクティブスピーカーに高音質ワイヤレスヘッドホンなどなど、総合オーディオメーカーへ向けたさまざまなロードマップを展望する同社だが、まずはパソコン向け高音質化商品にて勝負する。製品はヘッドホンと専用コントローラ、それにインストール用のソフトも含まれるが、パソコンの周辺機器とはまるで違う。パソコンのマシンパワーを活用し、あくまで高音質化機能を有したオーディオ機器とみて欲しい。ポイントは「化」の部分だ。パソコンにかかわるすべての音源の音を、飛躍的な高音質に「化(か)えてしまう」。CDさえもSACDになる。DVDの音もぐんと向上。ただの高音質システムでないのが、革新的(レボリューション)たる所以だ。