Google TVへの布石か
4K2Kにテレビ向け新UI、ウェブアプリ化 − YouTubeが新サービスを一斉導入
YouTubeが先週、大型の新サービスを立て続けに発表しました。
公開されてから時間が経ってしまいましたが、今後のAVの動向を語る上で欠かせないサービスばかりなので、コラム欄で紹介します。
■4K2Kへの対応
一つは4K2K(4,096×2,304ピクセル)への対応です。YouTubeが1080pに対応したのは昨年12月のことですが、わずか半年程度で、その4倍以上のピクセル数を持つ4K2K映像のアップロード、再生が可能になりました。
ただし、4K2K映像の精細度をそのまま体験するには、対応のディスプレイやプロジェクター、高速なブロードバンド接続環境、高いPCの処理能力が必要になります。
4K2K映像のプレイリストはこちらにまとめられています。
実際に再生してみようと、Intel Core 2 Duo 2.4GHz/メモリ4GBのノートPCで試してみました。最新の標準的なノートPCに比べ、やや劣る程度のスペックです。
ブロードバンド環境は、オフィス向けの光ファイバーなので、同時接続数によってスピードは上下します。再生の直前にこちらで速度を測ってみたところ、ダウンロードスピードは97.13Mb/sと出ました。
4K2K映像を視聴する場合は、解像度を選択するタブから「Original」を選択します。すると、再生スピードを遙かに上回るスピードでバッファリングが行われ、ブロードバンドの接続スピードには問題ないことがわかります。
ただし、やはりPCの処理能力が足りないのか、再生時のフレームレートは落ち気味で、フルスクリーンで見てみると、ノイズも720p/1080pに比べ逆に増えました。圧縮方式は1080pと同様、MPEG-4 AVC/H.264が使われているものと思われますが、データ量の多さにデコードが追いつかず、ノイズ発生につながっているのでしょうか。
多くの方が指摘しているように、4K2K映像への対応は、現在のPC環境では明らかにオーバースペックで、そのポテンシャルをフルに引き出す環境を整えられる人はあまり多くはないはずです。
この4K2Kへの対応を、米国で2010年秋に対応機器が発売されるテレビ向けオープンプラットフォーム「Google TV」に向けた布石、と捉える向きも多いようです。
ただしGoogle TVへの搭載が言明されているIntelのSoC「Atom CE4100」のリリースを確認すると、フルHDの映像を同時に2本デコードできると書かれていますが、4K2Kに対応しているとの表記はなく、実際のところはわかりません。
■Google TVへの布石か、「YouTube Leanback」
「YouTube Leanback」という新たなユーザーインターフェースもサービスが始まりました。
名称には、ゆったりとソファなどに背を持たれてYouTubeを楽しめる、という意味が込められているようです。基本的な操作はキーボードの上下左右カーソルキーと、Enter(Return)キーの、計5つのキーで行えます。
UIは最下段にカテゴリ、その上にそのカテゴリの関連動画一覧が、いずれも横方向に表示されるというもので、余計な情報が一切表示されないので、とても使いやすくなっています。
さらに重要なことは、アカウントで設定した情報や登録した映像をもとに、映像が「フィード」として自動リコメンドされる点。フィードには、Facebook上で友人が共有した映像も表示されるとのことで、フィードを見ていれば、検索しなくても、常に最新の映像にアクセスが可能になります。これまでもYouTubeには「おすすめ動画」があり、またFacebook、Twitterなどとの共有機能も存在しましたが、フィードではこれらが統合的に表示されるようです。
「YouTube Leanback」は大画面のデスクトップPCなどでも便利に使えるでしょうが、キーボードレスでの操作を前提としている点、またよりカジュアルな利用方法を想定している点などから、この機能はやはり、Google TVを意識したものと考えるのが妥当でしょう。
■もうネイティブアプリは不要? 「YouTube Mobile」刷新
最後に、スマートフォン向けにYouTubeサイト「YouTube Mobile」(http://m.youtube.com/)を刷新しました。タッチ操作に最適化し、全面的にユーザーインターフェースを刷新したことで使い勝手を高めたほか、これまでのサイトより高速で動作するようになりました。実際にアクセスしてみると、ブラウザー上で動作しているとは思えないほど良好な操作性を実現しています。
YouTubeのスタッフは、「我々が日々YouTube.comを改善しているように、モバイルサイトでも迅速にフォローが行われる事がお分かり頂けると思う。頻繁にアップデートされないネイティブアプリとは異なる」と、今後も機能追加や使い勝手の改善を積極的に行うことを表明しています。
この新しいYouTube Mobileは、Androidケータイからはもちろん、iPhoneからも当然アクセスできます。ただし、言語をEnglishに設定しないとこれまでのサイトが表示されてしまうのでご注意を。
iPhoneでアクセスすると、ホーム画面へのボタン追加を促すメッセージがポップアップで表示されるなど、ネイティブアプリからウェブアプリへの移行を積極的に進めるグーグルのねらいが透けて見えます。噂されるグーグルの音楽配信サービスも、本当に行われるとしたらウェブアプリとして提供されることが考えられ、そんなことを想像しながら操作感をチェックしてみるのも一興です。
公開されてから時間が経ってしまいましたが、今後のAVの動向を語る上で欠かせないサービスばかりなので、コラム欄で紹介します。
■4K2Kへの対応
一つは4K2K(4,096×2,304ピクセル)への対応です。YouTubeが1080pに対応したのは昨年12月のことですが、わずか半年程度で、その4倍以上のピクセル数を持つ4K2K映像のアップロード、再生が可能になりました。
ただし、4K2K映像の精細度をそのまま体験するには、対応のディスプレイやプロジェクター、高速なブロードバンド接続環境、高いPCの処理能力が必要になります。
4K2K映像のプレイリストはこちらにまとめられています。
実際に再生してみようと、Intel Core 2 Duo 2.4GHz/メモリ4GBのノートPCで試してみました。最新の標準的なノートPCに比べ、やや劣る程度のスペックです。
ブロードバンド環境は、オフィス向けの光ファイバーなので、同時接続数によってスピードは上下します。再生の直前にこちらで速度を測ってみたところ、ダウンロードスピードは97.13Mb/sと出ました。
4K2K映像を視聴する場合は、解像度を選択するタブから「Original」を選択します。すると、再生スピードを遙かに上回るスピードでバッファリングが行われ、ブロードバンドの接続スピードには問題ないことがわかります。
ただし、やはりPCの処理能力が足りないのか、再生時のフレームレートは落ち気味で、フルスクリーンで見てみると、ノイズも720p/1080pに比べ逆に増えました。圧縮方式は1080pと同様、MPEG-4 AVC/H.264が使われているものと思われますが、データ量の多さにデコードが追いつかず、ノイズ発生につながっているのでしょうか。
多くの方が指摘しているように、4K2K映像への対応は、現在のPC環境では明らかにオーバースペックで、そのポテンシャルをフルに引き出す環境を整えられる人はあまり多くはないはずです。
この4K2Kへの対応を、米国で2010年秋に対応機器が発売されるテレビ向けオープンプラットフォーム「Google TV」に向けた布石、と捉える向きも多いようです。
ただしGoogle TVへの搭載が言明されているIntelのSoC「Atom CE4100」のリリースを確認すると、フルHDの映像を同時に2本デコードできると書かれていますが、4K2Kに対応しているとの表記はなく、実際のところはわかりません。
■Google TVへの布石か、「YouTube Leanback」
「YouTube Leanback」という新たなユーザーインターフェースもサービスが始まりました。
名称には、ゆったりとソファなどに背を持たれてYouTubeを楽しめる、という意味が込められているようです。基本的な操作はキーボードの上下左右カーソルキーと、Enter(Return)キーの、計5つのキーで行えます。
UIは最下段にカテゴリ、その上にそのカテゴリの関連動画一覧が、いずれも横方向に表示されるというもので、余計な情報が一切表示されないので、とても使いやすくなっています。
さらに重要なことは、アカウントで設定した情報や登録した映像をもとに、映像が「フィード」として自動リコメンドされる点。フィードには、Facebook上で友人が共有した映像も表示されるとのことで、フィードを見ていれば、検索しなくても、常に最新の映像にアクセスが可能になります。これまでもYouTubeには「おすすめ動画」があり、またFacebook、Twitterなどとの共有機能も存在しましたが、フィードではこれらが統合的に表示されるようです。
「YouTube Leanback」は大画面のデスクトップPCなどでも便利に使えるでしょうが、キーボードレスでの操作を前提としている点、またよりカジュアルな利用方法を想定している点などから、この機能はやはり、Google TVを意識したものと考えるのが妥当でしょう。
■もうネイティブアプリは不要? 「YouTube Mobile」刷新
最後に、スマートフォン向けにYouTubeサイト「YouTube Mobile」(http://m.youtube.com/)を刷新しました。タッチ操作に最適化し、全面的にユーザーインターフェースを刷新したことで使い勝手を高めたほか、これまでのサイトより高速で動作するようになりました。実際にアクセスしてみると、ブラウザー上で動作しているとは思えないほど良好な操作性を実現しています。
YouTubeのスタッフは、「我々が日々YouTube.comを改善しているように、モバイルサイトでも迅速にフォローが行われる事がお分かり頂けると思う。頻繁にアップデートされないネイティブアプリとは異なる」と、今後も機能追加や使い勝手の改善を積極的に行うことを表明しています。
この新しいYouTube Mobileは、Androidケータイからはもちろん、iPhoneからも当然アクセスできます。ただし、言語をEnglishに設定しないとこれまでのサイトが表示されてしまうのでご注意を。
iPhoneでアクセスすると、ホーム画面へのボタン追加を促すメッセージがポップアップで表示されるなど、ネイティブアプリからウェブアプリへの移行を積極的に進めるグーグルのねらいが透けて見えます。噂されるグーグルの音楽配信サービスも、本当に行われるとしたらウェブアプリとして提供されることが考えられ、そんなことを想像しながら操作感をチェックしてみるのも一興です。