クラウドや3D、Androidにネットオーディオも
いよいよ開幕直前!「International CES」今年の見どころは?
今年も米国ラスベガスで、家電の総合展示会「International CES」が開催される。その年のトレンドを占う新技術や新製品が多数発表される非常に重要なイベントだ。
正式な開催日は現地時間1月6日からだが、その前々日には「CES Unveiled」が行われ、本会場で開催される製品が、プレス向けに一足先に披露される。
また開催前日の1月5日には、ソニーやパナソニック、シャープ、サムスン電子、LG電子など、AV/IT分野の世界的な大企業がプレスカンファレンスを行い、新たな戦略や新製品のラインナップを発表する。同日にはキーノートスピーチも行われ、今年はマイクロソフトのスティーブ・バルマー氏が登壇する予定だ。
これらのカンファレンスやブースの展示内容は、現地からできるだけ速く詳細なレポートをお届けする。記者自身も何が発表されるか楽しみにしている一人だが、この稿では、すでに一部発表されているものや、ある程度予想が成り立つテーマを中心に、CESの見どころを紹介していきたい。
■Google TVに代表されるネット対応テレビの進展
今回のCESでは、ネットワーク機能を強化したテレビやSTBなどが多数登場するはずだ。これまでもインターネットブラウザーやウィジェット機能は多くのテレビに搭載されていたが、今年は処理能力を大幅に上げ、PCやスマートフォンとほぼ変わらない性能を持った製品が増えるだろう。
その代表格がGoogle TVだ。すでに製品を米国内で発売しているソニーやLogitechが、Google TV向け独自アプリやサービスを充実させるなど、その可能性をさらに広げられるかどうかに注目だ。ほかにも複数のメーカーがGoogle TVをベースにした製品を発表する可能性があり、どこまでプラットフォームの参画メーカーが増えるかも見どころの一つと言えるだろう。もちろん、Google TV以外の新たなテレビ向けプラットフォームが発表される可能性もある。
もちろんネットワーク機能を高めたテレビやSTBはGoogle TVだけではない。RokuやBoxeeなどがどういった対抗策を打ち出すかにも注目したい。またNetflixなどIPTVサービスの大手企業が新たなサービスを打ち出してくるかも興味深い。これはアメリカ国内の話というだけにとどまらず、日本のIPTVの今後を考える上で、ウォッチが欠かせないテーマの一つであるはずだ。
最近になって、大手AVメーカーが独自のクラウド型サービスを展開する例が目立っている。ソニーは「Qriocity」ブランドの映像配信や音楽配信を世界中で展開すると公言しているし、東芝も「TOSHIBA PLACES」に力を注いでいく。
日本メーカー以外でも、サービスとハードを密接に連携する重要性を訴えているところは多い。この動きは、業界全体を取り巻く大きなうねりとなる可能性が高く、他メーカーもネットサービスへの取り組みを加速させるだろう。今回のCESの出展を見れば、その各社各様の内容から、それぞれのメーカーの戦略を推し量ることができるはずだ。
■3Dは「身近さ」をアピールするフェーズに
昨年は3D関連の話題が目白押しだったCES。既に大手メーカーのテレビが出揃ったこともあり、今年は3Dの新奇性をアピールするというより、3Dテレビが身近なものであるとユーザーに感じさせるため、各メーカーが腐心する年になりそうだ。
3Dテレビの画面サイズは、今年は大型化と小型化が同時に進む年になりそうだ。大型化については、すでにシャープが70V型の液晶テレビを米国で発売することを表明している(関連ニュース)。ほかにLG電子も72V型の3D対応液晶テレビ「LZ9700」シリーズを発売すると発表しており、70V型台の液晶テレビが増えることは間違いない。
一方で、パナソニックは30V型台の3D対応液晶テレビを発売する計画であることを、日本経済新聞が年明けに報じた。同社は、42V型以上の3Dテレビはプラズマ方式で展開しており、大型化がしやすい同方式の利点を活かし、すでに100V型を超える3Dテレビの市販も開始している。同社が小型サイズの3Dテレビを本当に販売するとしたら、3Dテレビをさらに身近なものにしたいという、同社の強い意欲が表れた結果と言えるだろう。
「目に優しい」3D映像を追求する動きも加速しそうだ。アクティブシャッター方式の3Dでは、映像の完成度や個人差、フリッカーやクロストークが気になることもある。メーカー側でもこの点を認識していることは間違いなく、テレビ側、あるいはプレーヤー側で調整し、これらの問題を軽減する機能が増えるはずだ。
より自然な立体視を探る試みでは、裸眼3Dテレビも一つの大きなトピックとなるはずだ。東芝は昨年のCEATECで56V型の裸眼3Dディスプレイを発表した。サイズや仕様などは微妙に異なる可能性もあるが、同様の大型裸眼3DディスプレイがCESで披露される可能性は非常に高い。
■Android端末やネットオーディオ機器にも注目
以上、テレビを中心にしたAV機器をメインに、今年のCESの見どころをごくかんたんに紹介した。もちろん、まったく予想もしていなかった新たな視点や、これまでになかった斬新な技術が大量に発表される可能性もあり、そうなったら事前の見どころ予想など軽く吹っ飛んでしまう。逆にそうなることを期待したいと思う。
このほか、IT分野の製品やオーディオ機器などでも、注目製品やサービスが続々と登場するはずだ。
オーディオでは、引き続きネットオーディオ関連の話題が賑やかだろう。USBデジタル音声入力機能は、高級プリアンプやプリメインアンプにも積極的に搭載されていくはずだ。ネットワークオーディオプレーヤーやその周辺ソリューションも数多く発表されるだろう。オーディオアクセサリー編集部の浅田が現地から最新事情を紹介する。
IT分野では、Android搭載スマートフォンやタブレットが、大小問わず、様々なメーカーから雨後の竹の子の如く登場する予定で、これがCES最大の話題となる可能性が高い。すでに発表することが明らかにされているもの、噂段階だが有力と思われるものを足し上げるだけでも、軽く10は超えてしまう。AVとも密接に関わる分野だけに、スマートフォンやタブレットについてもくわしいレポートをお届けしたいと考えている。
なお、編集部のTwitterアカウントでは、速報/詳報記事のヘッドラインだけでなく、現地からの「生つぶやき」も随時お届けする予定。最新情報が気になるという方は、ぜひフォローをお忘れなく。
正式な開催日は現地時間1月6日からだが、その前々日には「CES Unveiled」が行われ、本会場で開催される製品が、プレス向けに一足先に披露される。
また開催前日の1月5日には、ソニーやパナソニック、シャープ、サムスン電子、LG電子など、AV/IT分野の世界的な大企業がプレスカンファレンスを行い、新たな戦略や新製品のラインナップを発表する。同日にはキーノートスピーチも行われ、今年はマイクロソフトのスティーブ・バルマー氏が登壇する予定だ。
これらのカンファレンスやブースの展示内容は、現地からできるだけ速く詳細なレポートをお届けする。記者自身も何が発表されるか楽しみにしている一人だが、この稿では、すでに一部発表されているものや、ある程度予想が成り立つテーマを中心に、CESの見どころを紹介していきたい。
■Google TVに代表されるネット対応テレビの進展
今回のCESでは、ネットワーク機能を強化したテレビやSTBなどが多数登場するはずだ。これまでもインターネットブラウザーやウィジェット機能は多くのテレビに搭載されていたが、今年は処理能力を大幅に上げ、PCやスマートフォンとほぼ変わらない性能を持った製品が増えるだろう。
その代表格がGoogle TVだ。すでに製品を米国内で発売しているソニーやLogitechが、Google TV向け独自アプリやサービスを充実させるなど、その可能性をさらに広げられるかどうかに注目だ。ほかにも複数のメーカーがGoogle TVをベースにした製品を発表する可能性があり、どこまでプラットフォームの参画メーカーが増えるかも見どころの一つと言えるだろう。もちろん、Google TV以外の新たなテレビ向けプラットフォームが発表される可能性もある。
もちろんネットワーク機能を高めたテレビやSTBはGoogle TVだけではない。RokuやBoxeeなどがどういった対抗策を打ち出すかにも注目したい。またNetflixなどIPTVサービスの大手企業が新たなサービスを打ち出してくるかも興味深い。これはアメリカ国内の話というだけにとどまらず、日本のIPTVの今後を考える上で、ウォッチが欠かせないテーマの一つであるはずだ。
最近になって、大手AVメーカーが独自のクラウド型サービスを展開する例が目立っている。ソニーは「Qriocity」ブランドの映像配信や音楽配信を世界中で展開すると公言しているし、東芝も「TOSHIBA PLACES」に力を注いでいく。
日本メーカー以外でも、サービスとハードを密接に連携する重要性を訴えているところは多い。この動きは、業界全体を取り巻く大きなうねりとなる可能性が高く、他メーカーもネットサービスへの取り組みを加速させるだろう。今回のCESの出展を見れば、その各社各様の内容から、それぞれのメーカーの戦略を推し量ることができるはずだ。
■3Dは「身近さ」をアピールするフェーズに
昨年は3D関連の話題が目白押しだったCES。既に大手メーカーのテレビが出揃ったこともあり、今年は3Dの新奇性をアピールするというより、3Dテレビが身近なものであるとユーザーに感じさせるため、各メーカーが腐心する年になりそうだ。
3Dテレビの画面サイズは、今年は大型化と小型化が同時に進む年になりそうだ。大型化については、すでにシャープが70V型の液晶テレビを米国で発売することを表明している(関連ニュース)。ほかにLG電子も72V型の3D対応液晶テレビ「LZ9700」シリーズを発売すると発表しており、70V型台の液晶テレビが増えることは間違いない。
一方で、パナソニックは30V型台の3D対応液晶テレビを発売する計画であることを、日本経済新聞が年明けに報じた。同社は、42V型以上の3Dテレビはプラズマ方式で展開しており、大型化がしやすい同方式の利点を活かし、すでに100V型を超える3Dテレビの市販も開始している。同社が小型サイズの3Dテレビを本当に販売するとしたら、3Dテレビをさらに身近なものにしたいという、同社の強い意欲が表れた結果と言えるだろう。
「目に優しい」3D映像を追求する動きも加速しそうだ。アクティブシャッター方式の3Dでは、映像の完成度や個人差、フリッカーやクロストークが気になることもある。メーカー側でもこの点を認識していることは間違いなく、テレビ側、あるいはプレーヤー側で調整し、これらの問題を軽減する機能が増えるはずだ。
より自然な立体視を探る試みでは、裸眼3Dテレビも一つの大きなトピックとなるはずだ。東芝は昨年のCEATECで56V型の裸眼3Dディスプレイを発表した。サイズや仕様などは微妙に異なる可能性もあるが、同様の大型裸眼3DディスプレイがCESで披露される可能性は非常に高い。
■Android端末やネットオーディオ機器にも注目
以上、テレビを中心にしたAV機器をメインに、今年のCESの見どころをごくかんたんに紹介した。もちろん、まったく予想もしていなかった新たな視点や、これまでになかった斬新な技術が大量に発表される可能性もあり、そうなったら事前の見どころ予想など軽く吹っ飛んでしまう。逆にそうなることを期待したいと思う。
このほか、IT分野の製品やオーディオ機器などでも、注目製品やサービスが続々と登場するはずだ。
オーディオでは、引き続きネットオーディオ関連の話題が賑やかだろう。USBデジタル音声入力機能は、高級プリアンプやプリメインアンプにも積極的に搭載されていくはずだ。ネットワークオーディオプレーヤーやその周辺ソリューションも数多く発表されるだろう。オーディオアクセサリー編集部の浅田が現地から最新事情を紹介する。
IT分野では、Android搭載スマートフォンやタブレットが、大小問わず、様々なメーカーから雨後の竹の子の如く登場する予定で、これがCES最大の話題となる可能性が高い。すでに発表することが明らかにされているもの、噂段階だが有力と思われるものを足し上げるだけでも、軽く10は超えてしまう。AVとも密接に関わる分野だけに、スマートフォンやタブレットについてもくわしいレポートをお届けしたいと考えている。
なお、編集部のTwitterアカウントでは、速報/詳報記事のヘッドラインだけでなく、現地からの「生つぶやき」も随時お届けする予定。最新情報が気になるという方は、ぜひフォローをお忘れなく。