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【特別企画】MUSIC BIRD注目番組紹介

DSD録音で「CD番組より格段に音が良い」ラジオ「トッパンホール・トライアングル」とは?

公開日 2013/10/17 10:53 ファイル・ウェブ編集部
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“室内楽の殿堂”と呼ばれるまでになったトッパンホール。同ホールを舞台に産学共同プロジェクトで制作されているラジオ番組「トッパンホール・トライアングル」が音楽専門の衛星デジタルラジオ「MUSIC BIRD」で放送中だ。同ホールでの演奏の音響を“ワンポイントマイクでいかに生かし切るか”をテーマにDSDで録音することで、放送時に変換を挟んでも「CD番組と比べて格段に音が良い」とリスナーが評価するという同番組の魅力を、ミュージックバードのスタッフが紹介する。


<スタッフより>

■月に一度の国内LIVE!「トッパンホール・トライアングル」(毎月最終日曜 22:00〜)

これまで、THE CLASSICで放送中のライヴ番組「WORLD LIVE SELECTION」をご紹介してきましたが、今回は国内公演のライヴ番組「トッパンホール・トライアングル」を特集します。

「トッパンホール・トライアングル」は、トッパンホールの主催公演を東京藝術大学で音響や録音について学ぶ大学院生が収録を行い、ミュージックバードで放送するという産学共同プロジェクトで制作している番組。

舞台となるトッパンホールは、2000年に凸版印刷が創業100周年を機に開館したホール(座席数408)。響きの良さから生まれるステージと客席との一体感が素晴らしく、他では聴けない考え抜かれたプログラムと相まって、開館10年にして“室内楽の殿堂”と呼ばれるまでになりました。そんなホールの音と響きを、こだわりの録音で惜しみなく活かした番組が「トッパンホール・トライアングル」です。

トッパンホールでのコンサートを録音して放送

■こだわりの録音方法。基本は3点吊りマイク、DSDで

収録は亀川徹教授(元NHKのチーフ・エンジニア)指導の下、毎回2~6人ぐらいの大学院生で行っています。基本的に3点吊りのステレオペアマイクのみを使用し、トッパンホールのすばらしい音響を“ワンポイントマイクでいかに生かし切るか”、ということを課題にしています。使用マイクロフォンは「DPA 4006」、録音機はDSD(2.8MHz/1bit)。放送の際はこれを48kHz/16bitに変換しています。リスナーの皆様からはCD番組と比べて格段に音が良い、というお声をいただいています。

「DPA 4006」を始めとした機材でDSD録音を実施

■今後の放送ラインナップ

・「永野英樹(P)リサイタル」
 10月27日(日)22:00〜24:00
 再放送: 11月1日(金)12:00〜14:00

・「ランチタイム コンサート二題」
 Vol.65 南紫音(Vn)〜ひとときの幻想の世界へ
 Vol.66 デンハーグピアノ五重奏団〜今甦る、19世紀熱狂のパフォーマンス
 11月24日(日)22:00〜24:00
 再放送: 11月29日(金)12:00〜14:00

10月は日本人演奏家としてはじめてアンサンブル・アンテルコンタンポランの正式ソリストとなり、パリを本拠地に活躍する異才ピアニスト、永野英樹さんのソロ・リサイタル。テーマ作曲家はアレクサンドル・スクリャービン。スクリャービンが若き日に影響を受けたショパン、移行期に憧憬を抱いたリストやワーグナー、その官能性を彷彿とさせるメシアン、同時代に生きたドビュッシーらの作品を交えたプログラムは、謎の作曲家スクリャービンの新たな一面を発見する悦びへ誘います。(2013/7/14録音)

11月は、注目の若手演奏家紹介の場ランチタイム コンサートを二題。前半は、2005年に16歳でロン=ティボー国際音楽コンクール第2位に入賞し、キャリアを順調に積んでいる南紫音(Vn)。メシアン、イザイ、ラヴェルの色彩に満ちた小品を聴かせます。(2013/6/8録音)
後半は、フォルテピアノをつかったピアノ五重奏曲の響きを現代に甦らせるデンハーグ ピアノ五重奏団。古典派からロマン派への移行期に生まれたフンメルの魅力溢れる作品をオリジナル楽器の音色でお楽しみください。(2013/8/2録音)

<今後放送予定のコンサート>
北村朋幹(pf)、三浦一馬(バンドネオン)、アンドレアス・シュタイアー(fp)、ピーター・ウィスペルウェイ(vc)、ジャン=クロード・ペヌティエ (pf)、ファニー・クラマジラン(vn)、アリーナ・イブラギモヴァ (vn)、日下紗矢子 (vn)ほか。

収録の模様

■これまでに放送した主なプログラム

トッパンホールのプログラムはありきたりではありません。日本に何度も来日しているような巨匠でも今までにないプログラムに挑戦したり、ヨーロッパでの高い評価の割に日本では知られていない演奏家を招いたり。また西巻プロデューサーがこれは、と思う若手に大きなチャレンジの機会を作ったり。足かけ3年をかけて行ったティル・フェルナーの ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲演奏会や、今や若手のヴァイオリン奏者とし大注目の存在となった日下紗矢子さんのエスポワールシリーズなどは語り草になっています。

●2009年〜2011年放送 ティル・フェルナー(pf) ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲演奏会(1)〜(7)
●第10回 2009年5月31日放送 トッパンホール・アンサンブルVol.6 
●第22回 2010年5月30日放送 ルノー・カプソン(vn)
●第23回 2010年6月27日放送 ミクローシュ・ペレーニ(vc)
●第40回 2011年12月25日放送 ル・プロジェ エマール ピエール=ロラン・エマール(pf)
●第41回 2012年1月29日放送 ピーター・ウィスペルウェイ(vc)×ベンジャミン・ブリテン=∞
●第42回 2012年2月26日放送 マーク・パドモア(Ten) シューベルト三大歌曲集(1)(2)(3)
●第47回 2012年7月29日放送 アジアの感性-多彩な才能とその多様な可能性2- クン=ウー・パイク(pf)
●第50回 2012年10月28日放送 エスポワールシリーズ8 日下紗矢子(vn)Vol.3
●第51回 2012年11月25日放送 レジス・パスキエ(vn)
●第54回 2013年2月24日放送 ジャン=ギアン・ケラス(vc)&ベルリン古楽アカデミー

■あなたがトッパンホールの409人目のお客様に

2007年からはじまったこのプロジェクトは、トッパンホールのプロデューサー西巻正史さんが藝大でマネージメントの講義をしていることから、藝大の亀川徹教授とミュージックバードに声をかけて始まりました。ミュージックバードのリスナーは、高音質収録した公演を月に一度聴くことによって、トッパンホールの409人目のお客様といえます。

こだわりのプログラムと巧みな録音技術で収録されたライヴが聴けるのはミュージックバードの醍醐味。聴きたかった公演がご自宅にやってきます。細部にまでこだわったミュージックバードの音をご自身の耳でぜひ体験してみてください。

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