ビクタースタジオがセレクト!エンジニアが唸るこの1枚 −「COVER 70's / 柴田 淳」
COVER 70's / 柴田 淳
WAV/FLAC 96kHz/24bit ¥3,240(アルバム)
http://hd-music.info/album.cgi/513
今回は「COVER 70's/柴田 淳」のご紹介だ。ハイレゾ配信がスタートしたのは2013年10月だが、今でも群を抜いた人気を誇るハイレゾポップスの“定番"とも言える作品。
本作は、ビクタースタジオ内のマスタリングワークス「FLAIR(フレアー)」が有するオリジナル技術「K2HDプロセッシング」により、CDマスターからのハイレゾ化が施されている。K2HDプロセッシングは、単なるフォーマットのアップコンバートでなく、CDフォーマットを周波数やダイナミックレンジも含めてオリジナルマスターに限りなく近づくように復元する技術。その技術的な詳細はこちらをご覧いただくとして、ここでは2つの効能について説明させて頂きたい。
K2HDプロセッシングを使用する目的のひとつは、「CDマスターしか現存していない作品のハイレゾ化」。レコードメーカーではCDマスターの保管はしているものの、そのCDマスターを作成する際に使用したアナログテープや素材まで保存していることは決して多くない。特にCDが全盛だった1980年代から2000年代中盤までにリリースされたヒット作品の中には、CDマスターしか残っていないものがかなりある。K2HDプロセッシングは、その名盤のハイレゾ化を実現できるのだ。
もうひとつは「CDのイメージを生かしたハイレゾ化」。当時作成されたCDマスターの完成度が非常に高く、新たに素材から音づくりをやり直してそれを変えてしまいたくないというケースだ。「COVER 70's」はこちらに当たる。アーティスト、プロデューサー、エンジニアが細部までこだわってでき上がった納得のCDマスターに沿ってハイレゾ化が行われている。
K2HDプロセッシングの音質的なクオリティーは、エンジニアは勿論、アーティストやプロデューサーの方々からも高い評価を頂いている。この作品でも、サウンドプロデューサーの立ち会いのもと、解像感の高さや空気感の表現力、高域が伸びていながら全体が非常に柔らかく艶やかに聴こえる“ハイレゾならでは"のサウンドを、K2HDを熟知したマスタリングエンジニアの手によって十二分にご堪能頂ける、抜群の仕上がりになっている。
まだお聴きいただいていない方はもとより、ハイレゾビギナーでポップス系がお好みの方には絶対におすすめ。人気の理由が納得できる作品だ。
袴田 剛史 氏
ビクタースタジオFLAIR所属マスタリングエンジニア
レコーディングエンジニアからキャリアをスタートし、レコーディングでは数多くのスタジオワークを経験。併せて外部での武者修行を含む、楽器の鳴りから音響空間の響きまで知り尽くすホール録音を体得。更には編集室の“虎の穴”に籠り、誰をも凌駕するエディティングワークを習得。これら総てにおいて「現役」として、レコーディング〜エディット〜マスタリングのどの部分にでも人一倍高いスキルでワンランク上の音楽づくりをサポートする。
複雑化するシステムと多様化し続ける機材への驚くべき対応力・順応性を持ちながらも、原音再生の「アナログっぽさ」をも、自らのものとする超本格派。
人当たりの柔らかさとは裏腹に、数えきれないシチュエーションであらゆる生音を経験し知り尽くした肌と耳は一級品。そして音には驚くほど頑なで頑固。
2007年よりスタートの「K2HDマスタリング」主宰。これまでに手掛けた1,000タイトルを超えるK2HDシリーズで絶賛を受け、そのサウンドメイクのスタイルを不動のものにした。そのピュアな耳への評価は高く、国内だけに留まらず海外からのオーダーも数多い実績を持つ。アジアの高音質CD界では教祖的存在。
FLAIR唯一のDAW “SADiE” の使い手でもある。マスタリングルームに収めきれない幅広いスキルが、進化し続ける新たな音楽づくりには欠かせない。「VICTOR STUDIO HD-Sound.」の殆どの作品を手掛ける、ビクタースタジオの“ハイレゾマスター”だ。
<袴田氏からのコメント>
この作品を最初に聴いた時、“懐かしく心あたたまる古さ" が今風の音色の味付けでとてもうまく演出されていると感じました。
もともとCDスペック(44.1kHz/16bit)の中で完成した作品を、単純にスペック的に面積が大きくキメも細かなハイレゾに乗せてしまうと、音楽の旨味成分が減ったり、音楽の聴きどころが散漫で楽しくないものになってしまうことがあります。ですから本作品についても、自然に演出されたオーガニックで素朴な雰囲気は、歌同様にとても大切で大事にしたポイントです。楽曲の魅力を更にお伝えできるならばと、時間をかけて丁寧に再構築しました。なので実際の音づくりに関しての印象は、イコライジングという周波数調整の機械的な作業ではなく、「楽曲の音の密度感をハイレゾの器の中で調整し直した」というイメージです。
CDマスターの完成度が高いだけに仕上げの難しさはありましたが、K2HDプロセッシングの効能によって、細かな音まで的確にブラッシュアップする事ができたのではと思っています。柴田 淳さんの繊細な歌声がさらに表情豊かに聴こえ、音質、音場・空気感は勿論、何よりも一層音楽的な仕上がりに感じていただければ幸いです。私自身も、ハイレゾの本当の意味での魅力を知ることができた作品です。
WAV/FLAC 96kHz/24bit ¥3,240(アルバム)
http://hd-music.info/album.cgi/513
今回は「COVER 70's/柴田 淳」のご紹介だ。ハイレゾ配信がスタートしたのは2013年10月だが、今でも群を抜いた人気を誇るハイレゾポップスの“定番"とも言える作品。
本作は、ビクタースタジオ内のマスタリングワークス「FLAIR(フレアー)」が有するオリジナル技術「K2HDプロセッシング」により、CDマスターからのハイレゾ化が施されている。K2HDプロセッシングは、単なるフォーマットのアップコンバートでなく、CDフォーマットを周波数やダイナミックレンジも含めてオリジナルマスターに限りなく近づくように復元する技術。その技術的な詳細はこちらをご覧いただくとして、ここでは2つの効能について説明させて頂きたい。
K2HDプロセッシングを使用する目的のひとつは、「CDマスターしか現存していない作品のハイレゾ化」。レコードメーカーではCDマスターの保管はしているものの、そのCDマスターを作成する際に使用したアナログテープや素材まで保存していることは決して多くない。特にCDが全盛だった1980年代から2000年代中盤までにリリースされたヒット作品の中には、CDマスターしか残っていないものがかなりある。K2HDプロセッシングは、その名盤のハイレゾ化を実現できるのだ。
もうひとつは「CDのイメージを生かしたハイレゾ化」。当時作成されたCDマスターの完成度が非常に高く、新たに素材から音づくりをやり直してそれを変えてしまいたくないというケースだ。「COVER 70's」はこちらに当たる。アーティスト、プロデューサー、エンジニアが細部までこだわってでき上がった納得のCDマスターに沿ってハイレゾ化が行われている。
K2HDプロセッシングの音質的なクオリティーは、エンジニアは勿論、アーティストやプロデューサーの方々からも高い評価を頂いている。この作品でも、サウンドプロデューサーの立ち会いのもと、解像感の高さや空気感の表現力、高域が伸びていながら全体が非常に柔らかく艶やかに聴こえる“ハイレゾならでは"のサウンドを、K2HDを熟知したマスタリングエンジニアの手によって十二分にご堪能頂ける、抜群の仕上がりになっている。
まだお聴きいただいていない方はもとより、ハイレゾビギナーでポップス系がお好みの方には絶対におすすめ。人気の理由が納得できる作品だ。
袴田 剛史 氏
ビクタースタジオFLAIR所属マスタリングエンジニア
レコーディングエンジニアからキャリアをスタートし、レコーディングでは数多くのスタジオワークを経験。併せて外部での武者修行を含む、楽器の鳴りから音響空間の響きまで知り尽くすホール録音を体得。更には編集室の“虎の穴”に籠り、誰をも凌駕するエディティングワークを習得。これら総てにおいて「現役」として、レコーディング〜エディット〜マスタリングのどの部分にでも人一倍高いスキルでワンランク上の音楽づくりをサポートする。
複雑化するシステムと多様化し続ける機材への驚くべき対応力・順応性を持ちながらも、原音再生の「アナログっぽさ」をも、自らのものとする超本格派。
人当たりの柔らかさとは裏腹に、数えきれないシチュエーションであらゆる生音を経験し知り尽くした肌と耳は一級品。そして音には驚くほど頑なで頑固。
2007年よりスタートの「K2HDマスタリング」主宰。これまでに手掛けた1,000タイトルを超えるK2HDシリーズで絶賛を受け、そのサウンドメイクのスタイルを不動のものにした。そのピュアな耳への評価は高く、国内だけに留まらず海外からのオーダーも数多い実績を持つ。アジアの高音質CD界では教祖的存在。
FLAIR唯一のDAW “SADiE” の使い手でもある。マスタリングルームに収めきれない幅広いスキルが、進化し続ける新たな音楽づくりには欠かせない。「VICTOR STUDIO HD-Sound.」の殆どの作品を手掛ける、ビクタースタジオの“ハイレゾマスター”だ。
<袴田氏からのコメント>
この作品を最初に聴いた時、“懐かしく心あたたまる古さ" が今風の音色の味付けでとてもうまく演出されていると感じました。
もともとCDスペック(44.1kHz/16bit)の中で完成した作品を、単純にスペック的に面積が大きくキメも細かなハイレゾに乗せてしまうと、音楽の旨味成分が減ったり、音楽の聴きどころが散漫で楽しくないものになってしまうことがあります。ですから本作品についても、自然に演出されたオーガニックで素朴な雰囲気は、歌同様にとても大切で大事にしたポイントです。楽曲の魅力を更にお伝えできるならばと、時間をかけて丁寧に再構築しました。なので実際の音づくりに関しての印象は、イコライジングという周波数調整の機械的な作業ではなく、「楽曲の音の密度感をハイレゾの器の中で調整し直した」というイメージです。
CDマスターの完成度が高いだけに仕上げの難しさはありましたが、K2HDプロセッシングの効能によって、細かな音まで的確にブラッシュアップする事ができたのではと思っています。柴田 淳さんの繊細な歌声がさらに表情豊かに聴こえ、音質、音場・空気感は勿論、何よりも一層音楽的な仕上がりに感じていただければ幸いです。私自身も、ハイレゾの本当の意味での魅力を知ることができた作品です。