始めよう!アナログレコード入門:カートリッジのMM/MCって?昇圧トランスってどんなもの?
■フォノイコは「RIAA補正をするもの」、昇圧トランスは「ゲインを引き上げるもの」
入門者には、アナログ再生に欠かせないフォノイコライザーと、これらの昇圧アイテムとの関係が少しわかりづらいのではないでしょうか? もういちど、信号の流れにそって整理してみましょう。
前回学んだように、フォノイコライザーは飽くまでレコードのRIAAカーブを「ロー上げハイ下げ」の補正カーブで元どおりにフラット化するための回路。もし手持ちのカートリッジが出力の高いMM型だったら、その、ままフォノイコライザーに「MM入力」としてインプットできるのです。
ところがひと桁ゲインの低いMC型の場合、そうはいきません。音量が小さ過ぎるので、「フラットな特性をもったまま、ゲインだけ10倍に引き上げる」昇圧アイテムの助けを借りるわけです。
実際の製品は、プリメインアンプの中にフォノイコや昇圧アイテムまで収めた一体型や、フォノなしのプリメイン(ラインアンプ)と組むために、単体のフォノイコも用意されていますよ。さらにフォノイコも、製品によってMM入力だけのものや、昇圧トランスを内蔵したMC対応のモデルがあり、前者なら別途単体の昇圧トランス(またはヘッドアンプ)が必要……というように組合せはいくつかのタイプに分かれます。
次回はアナログの最終回で、プレーヤーの選び方や置き方、つなぎかた、トーンアームの針圧調整など、実践的な講義でしめくくりましょう。