補償でカバー、片耳だけ販売など
完全ワイヤレスイヤホン “片耳だけ” 無くしたらどうなる? メーカーに聞いたら色々なパターンがあった
人気が過熱している、左右独立型の完全ワイヤレスイヤホン。記者も複数台を日常的に使用している。
ところで、完全ワイヤレスイヤホンにも「完全」でないというか、むしろ弱点と言える部分がある。左右がバラバラのため、通常のワイヤレスイヤホンに比べて、無くしたり落としたりしやすいのだ。
実際に記者も数ヶ月前、某社製完全ワイヤレスイヤホンのイヤホン部を両耳ごと無くしてしまい、1週間ほど落ち込んで過ごした経験がある(その後、上着のポケットから出て来た)。
両耳を一気に無くすのはレアケースとしても、片方をポロッと落として無くしてしまうということは、けっこうあり得ることだと思う。また無くしはしないまでも、落として壊してしまった、水没させてしまった、などといった事態は十分考えられる。
そこで今回、「完全ワイヤレスの片側をなくしたら、壊したらどうなるか?」をテーマに、メーカーや販売代理店の対応を調べた。すると、メーカーごとにそれぞれ違いがあることがわかった。
【補償制度があるメーカー・ブランド】
■JVC
JVCの完全ワイヤレスイヤホン「HA-ET900BT」は、紛失した場合の補償サービスを提供しており、それを特徴の一つとしてアピールしている。
この補償サービスは、HA-ET900BTを購入してから1年のあいだに、落下などでイヤホンが紛失・水没・破損し、使用不能になってしまった場合、自己負担額5,000円を払うことで新品のイヤホンと交換できるというものだ。
ただし紛失の場合、補償対象は片側のみとなる。また充電ケースは対象とならない。くわしい補償の内容は公式サイトに記載されている。事前の申し込み等が特に必要なく、安心して使用できるのは大きなメリットだ。
■NUARL(エム・ティ・アイ)
NUARLの完全ワイヤレスイヤホン「NT01」も、同じく「限定紛失補償」というサービスを提供している。落下などにより6,000円の負担額を払うと、購入後1年間に1回のみ、6,000円で新品1ペアと交換できるというものだ。細かな規定はこちらに記載されている。
【片側だけ購入できるメーカー・ブランド】
■アップル
一方で、片側イヤホンだけを購入できるメーカーやブランドもある。アップルはその代表格だ。長い間、完全ワイヤレスイヤホンの売れ筋モデルとして君臨している「AirPods」は、片側イヤホンを7,800円で再購入できる。さらに充電ケースも5,800円で購入可能。ちなみに、AirPodsのセット価格は16,800円(税抜)。片側を無くしたり壊したりしても、すべて買い直しにならないのは嬉しい。
ただし同社ではこの対応について、あくまで修理/交換料金と表現している。店舗にふらりと出向いて、片側だけ買って帰れるわけではない。あくまで修理のサービスプロバイダーやApple Store直営店へ「修理」として申し込む必要がある。その意味では、下で紹介する「サポートで対応するメーカー」に近いかもしれない。
■JABRA(GNオーディオ)
Jabraはもっと踏み込んでおり、同社直販サイトで、片側イヤホンだけを販売している。
たとえば最新モデルの「Elite 65t」は、左と右で仕様が違うようなのだが、左右どちらかを選んで購入できる。価格は左右どちらも7,222円だ。また充電ケースも個別に販売しており、こちらの価格は9,148円。Elite 65tのセット価格は23,130円なので、どれも納得感のある値付けと言えるだろう。
■JBL(ハーマンインターナショナル)
JBLの完全ワイヤレスイヤホン「FREE」も、同社の公式通販サイトで、片耳ずつ販売を行っている。Mサイズのイヤーチップが1個付属しているとのこと。イヤーチップは手元に残り、イヤホン本体部だけが無くなる…などということは珍しいだろうから、嬉しい配慮と言える。ちょっと面白いのが、右は5,800円、左は5,700円と、価格が100円だけ異なっていることだ。
■Jaybird(ロジクール)
ロジクールが展開するJaybirdの「Jaybird RUN」も、交換用のイヤホン部を公式サイトで販売しているパターンだ。片側の価格は9,880円(税抜)。充電ケースの個別販売も行っている。
■B&O play、SOL REPUBLIC、YEVOなど(完実電気)
完実電気が取り扱うB&O playの「E8」は、同社直販サイトで購入が可能。左右個別、カラーバリエーションも取りそろえている。また、同じく同社取り扱いのSOL REPUBLIC「AMPS AIR」、YEVO「YEVO-1」もサービス対応で片側だけを購入することができる。
■EARIN、SOULなど(モダニティ)
モダニティが輸入・販売しているブランドは、ブランドによって対応が異なる。EARIN「M-2」は、6,000円(税抜)で片側イヤホンずつ再購入することが可能。さらにバッテリーケースも個別に購入できる。
ただし、同社が取り扱っているSOULなど他ブランドは、片側イヤホンのみ、あるいはバッテリーケースのみの販売は行っていない。これらのブランドの製品で片側だけを無くしてしまった場合、セットごと買い直しになる。
【サポートで対応するメーカー・ブランド】
■ソニー
ソニーは以前、購入時に1,000円の掛け金を支払うことで、紛失した場合、無くした片側イヤホンを5,000円で新品交換する「紛失あんしんサービス」を提供していた。だが、このサービスは今年4月26日に終了しており、いまのところ、この代わりとなるサービスの展開は未定という。
現在のソニーの対応は、片側を紛失した場合、バッテリーケースと残ったイヤホン本体をソニーが回収し、新品1セットと交換するというもの。もちろん有料だ。ソニーでは複数の完全ワイヤレスイヤホンを販売しているため、料金も機種によって異なると考えられる。
■ERATO、Nuforceなど(バリュートレード )
ERATOやNuforceなど、数多くの完全ワイヤレスイヤホンを展開するバリュートレード。同社に聞いてみたところ、ブランドや機種ごとに対応が異なるため、サポート窓口にて個別に案内しているとのことだった。
■ボーズ
ボーズ「SoundSport Free」は、片側を無くした場合、バッテリーケースと、残ったもう片側をサポートが回収。その後、新品1セットと有償で交換することができる。なお、交換価格は非公表とのこと。
※ボーズ「SoundSport Free」については、当初「特別な対応はありません」との回答があり、その主旨に沿って「片側イヤホンを紛失した場合、セットで購入し直す必要がある」と記載していました。その後、新たな連絡により、上記のようなサポートが存在することがわかりました。このため、記事内容を修正させていただきました。
◇
いかがだっただろうか。メーカーやブランドごとに対応が異なり、いくつかのパターンに分けられることがわかった。
もちろん上記で紹介した以外にも、完全ワイヤレスイヤホンをラインナップしているメーカーやブランドは数多い。「モノを無くしやすい」と自覚しているうっかり屋さんは、購入する前に「無くしたらどうなるか」あらかじめ確認しておくのが良さそうだ。
ところで、完全ワイヤレスイヤホンにも「完全」でないというか、むしろ弱点と言える部分がある。左右がバラバラのため、通常のワイヤレスイヤホンに比べて、無くしたり落としたりしやすいのだ。
実際に記者も数ヶ月前、某社製完全ワイヤレスイヤホンのイヤホン部を両耳ごと無くしてしまい、1週間ほど落ち込んで過ごした経験がある(その後、上着のポケットから出て来た)。
両耳を一気に無くすのはレアケースとしても、片方をポロッと落として無くしてしまうということは、けっこうあり得ることだと思う。また無くしはしないまでも、落として壊してしまった、水没させてしまった、などといった事態は十分考えられる。
そこで今回、「完全ワイヤレスの片側をなくしたら、壊したらどうなるか?」をテーマに、メーカーや販売代理店の対応を調べた。すると、メーカーごとにそれぞれ違いがあることがわかった。
【補償制度があるメーカー・ブランド】
■JVC
JVCの完全ワイヤレスイヤホン「HA-ET900BT」は、紛失した場合の補償サービスを提供しており、それを特徴の一つとしてアピールしている。
この補償サービスは、HA-ET900BTを購入してから1年のあいだに、落下などでイヤホンが紛失・水没・破損し、使用不能になってしまった場合、自己負担額5,000円を払うことで新品のイヤホンと交換できるというものだ。
ただし紛失の場合、補償対象は片側のみとなる。また充電ケースは対象とならない。くわしい補償の内容は公式サイトに記載されている。事前の申し込み等が特に必要なく、安心して使用できるのは大きなメリットだ。
■NUARL(エム・ティ・アイ)
NUARLの完全ワイヤレスイヤホン「NT01」も、同じく「限定紛失補償」というサービスを提供している。落下などにより6,000円の負担額を払うと、購入後1年間に1回のみ、6,000円で新品1ペアと交換できるというものだ。細かな規定はこちらに記載されている。
【片側だけ購入できるメーカー・ブランド】
■アップル
一方で、片側イヤホンだけを購入できるメーカーやブランドもある。アップルはその代表格だ。長い間、完全ワイヤレスイヤホンの売れ筋モデルとして君臨している「AirPods」は、片側イヤホンを7,800円で再購入できる。さらに充電ケースも5,800円で購入可能。ちなみに、AirPodsのセット価格は16,800円(税抜)。片側を無くしたり壊したりしても、すべて買い直しにならないのは嬉しい。
ただし同社ではこの対応について、あくまで修理/交換料金と表現している。店舗にふらりと出向いて、片側だけ買って帰れるわけではない。あくまで修理のサービスプロバイダーやApple Store直営店へ「修理」として申し込む必要がある。その意味では、下で紹介する「サポートで対応するメーカー」に近いかもしれない。
■JABRA(GNオーディオ)
Jabraはもっと踏み込んでおり、同社直販サイトで、片側イヤホンだけを販売している。
たとえば最新モデルの「Elite 65t」は、左と右で仕様が違うようなのだが、左右どちらかを選んで購入できる。価格は左右どちらも7,222円だ。また充電ケースも個別に販売しており、こちらの価格は9,148円。Elite 65tのセット価格は23,130円なので、どれも納得感のある値付けと言えるだろう。
■JBL(ハーマンインターナショナル)
JBLの完全ワイヤレスイヤホン「FREE」も、同社の公式通販サイトで、片耳ずつ販売を行っている。Mサイズのイヤーチップが1個付属しているとのこと。イヤーチップは手元に残り、イヤホン本体部だけが無くなる…などということは珍しいだろうから、嬉しい配慮と言える。ちょっと面白いのが、右は5,800円、左は5,700円と、価格が100円だけ異なっていることだ。
■Jaybird(ロジクール)
ロジクールが展開するJaybirdの「Jaybird RUN」も、交換用のイヤホン部を公式サイトで販売しているパターンだ。片側の価格は9,880円(税抜)。充電ケースの個別販売も行っている。
■B&O play、SOL REPUBLIC、YEVOなど(完実電気)
完実電気が取り扱うB&O playの「E8」は、同社直販サイトで購入が可能。左右個別、カラーバリエーションも取りそろえている。また、同じく同社取り扱いのSOL REPUBLIC「AMPS AIR」、YEVO「YEVO-1」もサービス対応で片側だけを購入することができる。
■EARIN、SOULなど(モダニティ)
モダニティが輸入・販売しているブランドは、ブランドによって対応が異なる。EARIN「M-2」は、6,000円(税抜)で片側イヤホンずつ再購入することが可能。さらにバッテリーケースも個別に購入できる。
ただし、同社が取り扱っているSOULなど他ブランドは、片側イヤホンのみ、あるいはバッテリーケースのみの販売は行っていない。これらのブランドの製品で片側だけを無くしてしまった場合、セットごと買い直しになる。
【サポートで対応するメーカー・ブランド】
■ソニー
ソニーは以前、購入時に1,000円の掛け金を支払うことで、紛失した場合、無くした片側イヤホンを5,000円で新品交換する「紛失あんしんサービス」を提供していた。だが、このサービスは今年4月26日に終了しており、いまのところ、この代わりとなるサービスの展開は未定という。
現在のソニーの対応は、片側を紛失した場合、バッテリーケースと残ったイヤホン本体をソニーが回収し、新品1セットと交換するというもの。もちろん有料だ。ソニーでは複数の完全ワイヤレスイヤホンを販売しているため、料金も機種によって異なると考えられる。
■ERATO、Nuforceなど(バリュートレード )
ERATOやNuforceなど、数多くの完全ワイヤレスイヤホンを展開するバリュートレード。同社に聞いてみたところ、ブランドや機種ごとに対応が異なるため、サポート窓口にて個別に案内しているとのことだった。
■ボーズ
ボーズ「SoundSport Free」は、片側を無くした場合、バッテリーケースと、残ったもう片側をサポートが回収。その後、新品1セットと有償で交換することができる。なお、交換価格は非公表とのこと。
※ボーズ「SoundSport Free」については、当初「特別な対応はありません」との回答があり、その主旨に沿って「片側イヤホンを紛失した場合、セットで購入し直す必要がある」と記載していました。その後、新たな連絡により、上記のようなサポートが存在することがわかりました。このため、記事内容を修正させていただきました。
いかがだっただろうか。メーカーやブランドごとに対応が異なり、いくつかのパターンに分けられることがわかった。
もちろん上記で紹介した以外にも、完全ワイヤレスイヤホンをラインナップしているメーカーやブランドは数多い。「モノを無くしやすい」と自覚しているうっかり屋さんは、購入する前に「無くしたらどうなるか」あらかじめ確認しておくのが良さそうだ。