海上忍が読み解く
次はAirPlayがオープンソース化? アップル「開放戦略」の今後を予測する
■AirPlayに見るアップルの戦略
アップルが方針を転換した理由は明らかにされていないが、家庭におけるメディア再生機器を強く意識していることは確かだろう。Android OS搭載テレビが増えアプリによる拡張性が身近な存在となり、Fire TV Stickのような4Kメディアプレイヤーも安く入手できるようになったいま、Apple TVが入り込む余地は減った。Apple TVが難しければAirPlayとiTunes Movies/TV Showsをテレビ内部へ入れてしまう、そうすればメディア再生系におけるアップルの存在感を保てるからだ。
状況からすると、コトがアップルの狙い定めた呼びかけで始まったことは間違いなさそうだ。対応製品を発表した4社とも、ホームオートメーションフレームワークの「HomeKit」も同時にサポートしたことを踏まえれば、リビングの主役たるテレビこそが狙いだったのだろう。外部へのライセンスがHomeKitの普及促進も期待しての判断だとすると、純粋にAV機器であるプロジェクターやAVアンプが除外されるのは無理もない。
AirPlayなどのソフトウェアがどのように実装されているかだが、ある種のアプリケーションプロセッサに依存しているものと推測される。なぜなら、テレビに採用されているオペレーションシステムがソニーとVIZIOはAndroid OS、サムスンはTizen、LGはwebOSと統一性がないからだ。アップルがそれぞれのOSに異なるバイナリパッケージを、しかもメンテナンス込みで提供するとは考えにくく、(従来のAirPlay同様に)SoC/モジュールでのサポートと考えるほうが現実的だろう。だから、今後VIERAやREGZAにAirPlay対応モデルが設定されても不思議はない。