アップルTIPS
iPhoneで遊べる新たな名作ゲーム『ファンタジアン』からApple Arcadeを始めよう
Apple Arcadeは月額600円から楽しめるアップルの定額制ゲームサービスだ。4月からこのApple Arcadeに加わった新作ロールプレイングゲーム(RPG)の『FANTASIAN(ファンタジアン)』が面白い。本作の第一部をクリアした筆者が、ファンタジアンから始めるApple Arcadeの楽しみ方をナビゲートしてみたい。
■移動中に空き時間を見つけてiPhoneでサクッと遊べる
ファンタジアンは名作『FINAL FANTASY』シリーズの生みの親である、ゲームクリエイターの坂口博信氏が率いるミストウォーカーコーポレーションの最新タイトルだ。なんと職人たちがハンドメイドで制作した150点以上のジオラマをデジタルデータ化して、ゲームの舞台としてしまったことも話題を呼んでいる。
プレーヤーは主人公であるレオアの視点を借りて物語の中で仲間たちと出会い、剣技や魔法を使って強敵を倒しながら成長を遂げていく。ストーリーは人間が暮らす世界と、機械が支配する世界のパラレルワールドで進行する。レオアは失った自身の記憶と、行方不明になった父親・母親を取り戻せるのだろうか。
筆者はもともとゲームに夢中になりやすく、特にRPGにハマると仕事も投げ出してしまいそうなことから、これまで意識して距離を置いてきた。ファンタジアンはApple Arcadeのゲームを取材するためと割り切って、最初の部分だけトライアルするつもりだったのだが、仕事の合間にできた15〜20分前後の空き時間を見つけてサクッとプレイしていたら、気がつけば熱を上げ過ぎることなく、1ヶ月ほどで第一部がクリアできた。総プレイ時間は22時間25分。
ファンタジアンのシナリオは、15分前後でひとつのイベントやマップのターニングポイントを越えられるようにできている。また各所にはプレイを中断してひと休みができるようにセーブポイントも適材適所に配置されている。ゲームのために投じられる可処分時間が少ない方でもゆっくりマイペースに楽しめるだろう。
■画面タッチ操作に最適化されたバトルシステム
ファンタジアンはマップ上でランダムに遭遇した敵キャラをターン方式のバトルシーンで次々に倒しながら戦う、RPGでは比較的オーソドックスなバトルシステムを採用している。ここにもまた「エーミング」と名付けられた、iPhoneで心地よくプレイできる工夫がある。
主人公たちは武器による攻撃を直線的に飛ばしたり、カーブをかけて狙ったモンスターに当てられる。その際にiPhoneの画面を指でホールド&スワイプしながら狙いを定める操作がエーミングだ。これがiPhoneのタッチディスプレイによる操作とすこぶる相性がよい。エーミングなどファンタジアン独特のバトルシステムの解説はYouTubeに公開されているオフィシャルの「FANTASIAN」機能篇トレーラーが参考になる。
ファンタジアンはほかのApple Arcadeのゲームと同様に、Bluetoothコントローラーでもプレイできる。タッチ操作の場合と遊び心地を比べてみたところ、Bluetoothコントローラーも悪くはないのだが、やはり画面に直接触れた方が弓の弦をしならせて矢を射るような手応えが得られるので、敵に攻撃が命中した時に何倍もスカッとする。
BluetoothコントローラーはApple TV 4KやMacでファンタジアンを楽しむ際に必須のアイテムだ。ちなみにApple TV 4Kでプレイするとファンタジアンの高精細な4Kグラフィックスが楽しめる。Apple TV 4Kをお持ちの方はiPhoneとハイブリッドで楽しみたい。
■エンカウンターバトルを効率よく戦える「ディメンジョンシステム」
そしてもうひとつのiPhoneによるプレイに最適化された機能が、物語の序盤であるアイテムを手に入れると使えるようになる「ディメンジョンシステム」だ。これはマップ上でランダムに遭遇する敵をいったん異次元にストックして、あとでまとめて対戦できるという仕組みになる。そのメリットは、例えば外出中に電車で15分間の移動中に、なるべく敵と遭遇しないでマップをより遠くまで移動したい時、ストーリーを先に進めておきたい時にディメンジョンシステムを使うと実感される。
ディメンジョンには「最大30体」の敵をストックできる。ディメンジョンに貯めた敵とは一度にまとめて戦わなければならないため、主人公のパーティーがまだ弱いうちはディメンジョンに敵を貯め過ぎてしまうと、あとで手に負えなくなる場合があるので注意したい。ただ、ディメンジョン内での戦闘中には、普段ならばマジックポイントを消費する「攻撃力アップ」「再行動」などのスキルをアイテムとしてゲットして味方キャラクターの攻撃を強化できる。普通の戦闘よりは幾分か楽に戦えるので、筆者はよく“レベル上げ”の時にディメンジョンシステムを活用した。
■ファンタジアンをより濃く楽しむためのTIPS
さて、これからファンタジアンのゲームクリアを目指すプレーヤーの皆様のため役立つTIPSを2件ほどご紹介しよう。
本作の舞台は「ジオラマ」を土台に作られているので、意外な隙間や塀の上などを歩いて移動できる場所がある。建物の隙間に迷い込んだら宝箱の中から重要な強化アイテムを発見! なんてことも割とよくある。新しい街や戦闘フィールドに移動したらマップ上を隈なく歩いてみよう。
もうひとつは意識してレベル上げをしておくと後が楽になる。ファンタジアン(の第一部)は、筆者のように久しぶりにRPGに戻ってきたゲームファンもサクサクと楽しめるように、特に物語の前半でイベントがスムーズに進行する感じがした。ボスキャラも上手に戦えば、ストーリーの中盤ぐらいまでレベルが低めでも倒せてしまう。
ところが後半になると、主人公たちのレベル上げをしてこなかった「ツケ」を払わなければならなくなり、ボスキャラがやけに強く感じられる。気が付けば数に限りのある回復アイテムが必要以上に消費されていることもあった。レベル上げは、とある「カギ」を持った敵が頻出する場所で行うと一石二鳥だ。ストーリーを円滑に進めるために役立つアイテムがゲットできる宝箱を順序よく開けておけば戦いが楽になる。
■植松伸夫氏のサウンドトラックを良質なオーディオ環境で楽しみたい
Apple Arcadeのゲームタイトルはプレイ中の課金がないため、筆者のようにオールドファッションなゲーマーも安心して楽しめるだろう。ファンタジアンの場合は敵を倒してもらえる劇中の通貨「ゴールド」を貯めるとキャラクターを強化するための武器や防具、アイテムを買いそろえることができる。
ゲームクリエイターの坂口氏と約35年間の苦楽を共にしてきたという、作曲家の植松伸夫氏によるファンタジアンの全編にわたる60曲の楽曲もみな見事だった。オーケストラ録音によるシンフォニーや生ピアノの演奏による情感あふれるバラードなど豪華なトラックが勢揃いしている。YouTubeには植松氏のショートインタビューが公開されている。
iPhoneやiPadでプレイする際にはよいヘッドホン・イヤホンを組み合わせて聴きたい。Apple TV 4Kでプレイする際にはHomePodシリーズをつないで迫力あふれるサウンドを浴びながらゲームの世界に深くのめり込みたい。
筆者のようにゲームを楽しむことを忘れかけていた方にぜひ一度、Apple Arcadeのファンタジアンの世界に触れてほしいと思う。
■移動中に空き時間を見つけてiPhoneでサクッと遊べる
ファンタジアンは名作『FINAL FANTASY』シリーズの生みの親である、ゲームクリエイターの坂口博信氏が率いるミストウォーカーコーポレーションの最新タイトルだ。なんと職人たちがハンドメイドで制作した150点以上のジオラマをデジタルデータ化して、ゲームの舞台としてしまったことも話題を呼んでいる。
プレーヤーは主人公であるレオアの視点を借りて物語の中で仲間たちと出会い、剣技や魔法を使って強敵を倒しながら成長を遂げていく。ストーリーは人間が暮らす世界と、機械が支配する世界のパラレルワールドで進行する。レオアは失った自身の記憶と、行方不明になった父親・母親を取り戻せるのだろうか。
筆者はもともとゲームに夢中になりやすく、特にRPGにハマると仕事も投げ出してしまいそうなことから、これまで意識して距離を置いてきた。ファンタジアンはApple Arcadeのゲームを取材するためと割り切って、最初の部分だけトライアルするつもりだったのだが、仕事の合間にできた15〜20分前後の空き時間を見つけてサクッとプレイしていたら、気がつけば熱を上げ過ぎることなく、1ヶ月ほどで第一部がクリアできた。総プレイ時間は22時間25分。
ファンタジアンのシナリオは、15分前後でひとつのイベントやマップのターニングポイントを越えられるようにできている。また各所にはプレイを中断してひと休みができるようにセーブポイントも適材適所に配置されている。ゲームのために投じられる可処分時間が少ない方でもゆっくりマイペースに楽しめるだろう。
■画面タッチ操作に最適化されたバトルシステム
ファンタジアンはマップ上でランダムに遭遇した敵キャラをターン方式のバトルシーンで次々に倒しながら戦う、RPGでは比較的オーソドックスなバトルシステムを採用している。ここにもまた「エーミング」と名付けられた、iPhoneで心地よくプレイできる工夫がある。
主人公たちは武器による攻撃を直線的に飛ばしたり、カーブをかけて狙ったモンスターに当てられる。その際にiPhoneの画面を指でホールド&スワイプしながら狙いを定める操作がエーミングだ。これがiPhoneのタッチディスプレイによる操作とすこぶる相性がよい。エーミングなどファンタジアン独特のバトルシステムの解説はYouTubeに公開されているオフィシャルの「FANTASIAN」機能篇トレーラーが参考になる。
ファンタジアンはほかのApple Arcadeのゲームと同様に、Bluetoothコントローラーでもプレイできる。タッチ操作の場合と遊び心地を比べてみたところ、Bluetoothコントローラーも悪くはないのだが、やはり画面に直接触れた方が弓の弦をしならせて矢を射るような手応えが得られるので、敵に攻撃が命中した時に何倍もスカッとする。
BluetoothコントローラーはApple TV 4KやMacでファンタジアンを楽しむ際に必須のアイテムだ。ちなみにApple TV 4Kでプレイするとファンタジアンの高精細な4Kグラフィックスが楽しめる。Apple TV 4Kをお持ちの方はiPhoneとハイブリッドで楽しみたい。
■エンカウンターバトルを効率よく戦える「ディメンジョンシステム」
そしてもうひとつのiPhoneによるプレイに最適化された機能が、物語の序盤であるアイテムを手に入れると使えるようになる「ディメンジョンシステム」だ。これはマップ上でランダムに遭遇する敵をいったん異次元にストックして、あとでまとめて対戦できるという仕組みになる。そのメリットは、例えば外出中に電車で15分間の移動中に、なるべく敵と遭遇しないでマップをより遠くまで移動したい時、ストーリーを先に進めておきたい時にディメンジョンシステムを使うと実感される。
ディメンジョンには「最大30体」の敵をストックできる。ディメンジョンに貯めた敵とは一度にまとめて戦わなければならないため、主人公のパーティーがまだ弱いうちはディメンジョンに敵を貯め過ぎてしまうと、あとで手に負えなくなる場合があるので注意したい。ただ、ディメンジョン内での戦闘中には、普段ならばマジックポイントを消費する「攻撃力アップ」「再行動」などのスキルをアイテムとしてゲットして味方キャラクターの攻撃を強化できる。普通の戦闘よりは幾分か楽に戦えるので、筆者はよく“レベル上げ”の時にディメンジョンシステムを活用した。
■ファンタジアンをより濃く楽しむためのTIPS
さて、これからファンタジアンのゲームクリアを目指すプレーヤーの皆様のため役立つTIPSを2件ほどご紹介しよう。
本作の舞台は「ジオラマ」を土台に作られているので、意外な隙間や塀の上などを歩いて移動できる場所がある。建物の隙間に迷い込んだら宝箱の中から重要な強化アイテムを発見! なんてことも割とよくある。新しい街や戦闘フィールドに移動したらマップ上を隈なく歩いてみよう。
もうひとつは意識してレベル上げをしておくと後が楽になる。ファンタジアン(の第一部)は、筆者のように久しぶりにRPGに戻ってきたゲームファンもサクサクと楽しめるように、特に物語の前半でイベントがスムーズに進行する感じがした。ボスキャラも上手に戦えば、ストーリーの中盤ぐらいまでレベルが低めでも倒せてしまう。
ところが後半になると、主人公たちのレベル上げをしてこなかった「ツケ」を払わなければならなくなり、ボスキャラがやけに強く感じられる。気が付けば数に限りのある回復アイテムが必要以上に消費されていることもあった。レベル上げは、とある「カギ」を持った敵が頻出する場所で行うと一石二鳥だ。ストーリーを円滑に進めるために役立つアイテムがゲットできる宝箱を順序よく開けておけば戦いが楽になる。
■植松伸夫氏のサウンドトラックを良質なオーディオ環境で楽しみたい
Apple Arcadeのゲームタイトルはプレイ中の課金がないため、筆者のようにオールドファッションなゲーマーも安心して楽しめるだろう。ファンタジアンの場合は敵を倒してもらえる劇中の通貨「ゴールド」を貯めるとキャラクターを強化するための武器や防具、アイテムを買いそろえることができる。
ゲームクリエイターの坂口氏と約35年間の苦楽を共にしてきたという、作曲家の植松伸夫氏によるファンタジアンの全編にわたる60曲の楽曲もみな見事だった。オーケストラ録音によるシンフォニーや生ピアノの演奏による情感あふれるバラードなど豪華なトラックが勢揃いしている。YouTubeには植松氏のショートインタビューが公開されている。
iPhoneやiPadでプレイする際にはよいヘッドホン・イヤホンを組み合わせて聴きたい。Apple TV 4Kでプレイする際にはHomePodシリーズをつないで迫力あふれるサウンドを浴びながらゲームの世界に深くのめり込みたい。
筆者のようにゲームを楽しむことを忘れかけていた方にぜひ一度、Apple Arcadeのファンタジアンの世界に触れてほしいと思う。