新AirPodsの噂も
アップルがついにハイレゾ参入か? 気になる2つのポイント
アップルが、いよいよハイレゾ音楽ストリーミングに参入しそうだ。
「アップルのハイレゾ」については、以前から噂が立ったり消えたりしていたが、今回は様子が異なる。iOS 14.6のベータ版からそれらしきコードが見つかったりなど、確度が高そうな状況証拠が揃ってきているというのだ。
MacRumorsの記事によると、「Apple Music HiFi」という名称の高音質サービスと、それに対応した新AirPodsが、現地時間5月18日にニュースリリースで発表されるという。高音質サービスには、ロスレスと、ロスレスかつハイレゾの2種類がある、という情報もある。
アップルがハイレゾ音楽配信を行うこと自体は、それほど驚きではない。日本でも、Amazon Music HDやDeezer、mora qualitasが、すでにサービスを行っている。
海外を見ると、TIDALやQobuzなどの先行者がいる。これらの海外勢が日本に進出してくるという噂もある。また、Spotifyもロスレスの「Spotify HiFi」を今年後半にもローンチすると、すでに発表している。
このように、音楽ストリーミングサービスの高音質化はすでに世界的な潮流となっている。逆に言えば、アップルはいま参入しないと、これらのサービスの後塵を拝することになる。
Apple Musicがハイレゾ対応プランを開始するのはごく自然なことだが、いくつか気になる点もある。その中から二つのポイントを紹介しよう。
まず一つ目は、どの程度の音質スペックまで対応するのか、ということだ。
たとえばSpotify HiFiは「CDクオリティのロスレス」と表明している。つまり、44.1kHz/16bitのロスレス音声と考えられる。
上述の通り、噂レベルでは、高音質Apple Musicには通常のロスレスとハイレゾのロスレスの2種類が用意されるという記事も見かけたが、実際にはどうなるだろう。音声の仕様は、次に紹介する音声の伝送や、イヤホンやスピーカーなどハードのスペックにも関わってくるため、大変重要なポイントだ。
さて、二つ目の気になるポイントは、高音質な音源を、どうやってイヤホンやオーディオ機器へ伝送するのか、という点だ。
アップルの独自規格であるAirPlay 2は、ハイレゾ伝送に対応していない。さらなる高音質に対応した次世代AirPlayが用意されないと、据え置きオーディオやHomePod miniなどでの再生が不便だ。登場に期待したい。
とはいえ、アップルが最も重視しているのは、すでに巨大ビジネスに成長したイヤホン「AirPods」シリーズで、いかに高音質再生を実現するかということのはずだ。
iPhoneやiPadから新AirPodsへの音声伝送は、おそらくこれまでどおり、Bluetoothを使うことになるはず。そのコーデックには何が使われるのだろうか。
これまでのiOSやiPadOS、そしてiPhoneやiPadがサポートしていたのは、SBCとAACだった。一方でハイレゾ相当の音声を伝送できるBluetoothコーデックとしては、もともとソニーが開発したLDACや、クアルコムのaptX HDなどがある。ただ、自前主義を徹底しているアップルのこと。これらの他社製技術を素直に使うかというと、かなり疑問だ。そもそも既存のiPhoneが対応していないという重大な問題がある。
オープンなフォーマットの候補としては、Bluetooth SIGがすでに仕様書を公開している、次世代のBluetoothオーディオ伝送「LE Audio」で採用されるコーデック「LC3」が挙げられる。こういう新しい技術を事前に仕込んでおき、いち早く市場に投入するのは、いかにもアップル好みの戦略だ。
だがこのLE Audioは、まったく新しいフレームワークだ。イヤホン側だけでなく、送信側のハード(この場合であればiPhoneやiPad)も対応する必要がある。数年前のiPhoneから、これに対応したBluetoothチップをひそかに仕込んでいた、という可能性は低い。
ということで、iPhone/iPadと新型AirPodsの高音質伝送にどういった技術が使われるか、なかなか候補が見当たらない状況だ。既存のiPhoneでも利用できるようにすることを考えると、既にあるコーデックを改良した新コーデックを採用するのも有力だ。
いずれにせよ、噂通り5月18日に発表されるのなら、これらの気になるポイントの答えはすぐにわかる。果たしてアップルはどう判断したのか。答え合わせが待ち遠しい。
「アップルのハイレゾ」については、以前から噂が立ったり消えたりしていたが、今回は様子が異なる。iOS 14.6のベータ版からそれらしきコードが見つかったりなど、確度が高そうな状況証拠が揃ってきているというのだ。
MacRumorsの記事によると、「Apple Music HiFi」という名称の高音質サービスと、それに対応した新AirPodsが、現地時間5月18日にニュースリリースで発表されるという。高音質サービスには、ロスレスと、ロスレスかつハイレゾの2種類がある、という情報もある。
アップルがハイレゾ音楽配信を行うこと自体は、それほど驚きではない。日本でも、Amazon Music HDやDeezer、mora qualitasが、すでにサービスを行っている。
海外を見ると、TIDALやQobuzなどの先行者がいる。これらの海外勢が日本に進出してくるという噂もある。また、Spotifyもロスレスの「Spotify HiFi」を今年後半にもローンチすると、すでに発表している。
このように、音楽ストリーミングサービスの高音質化はすでに世界的な潮流となっている。逆に言えば、アップルはいま参入しないと、これらのサービスの後塵を拝することになる。
Apple Musicがハイレゾ対応プランを開始するのはごく自然なことだが、いくつか気になる点もある。その中から二つのポイントを紹介しよう。
まず一つ目は、どの程度の音質スペックまで対応するのか、ということだ。
たとえばSpotify HiFiは「CDクオリティのロスレス」と表明している。つまり、44.1kHz/16bitのロスレス音声と考えられる。
上述の通り、噂レベルでは、高音質Apple Musicには通常のロスレスとハイレゾのロスレスの2種類が用意されるという記事も見かけたが、実際にはどうなるだろう。音声の仕様は、次に紹介する音声の伝送や、イヤホンやスピーカーなどハードのスペックにも関わってくるため、大変重要なポイントだ。
さて、二つ目の気になるポイントは、高音質な音源を、どうやってイヤホンやオーディオ機器へ伝送するのか、という点だ。
アップルの独自規格であるAirPlay 2は、ハイレゾ伝送に対応していない。さらなる高音質に対応した次世代AirPlayが用意されないと、据え置きオーディオやHomePod miniなどでの再生が不便だ。登場に期待したい。
とはいえ、アップルが最も重視しているのは、すでに巨大ビジネスに成長したイヤホン「AirPods」シリーズで、いかに高音質再生を実現するかということのはずだ。
iPhoneやiPadから新AirPodsへの音声伝送は、おそらくこれまでどおり、Bluetoothを使うことになるはず。そのコーデックには何が使われるのだろうか。
これまでのiOSやiPadOS、そしてiPhoneやiPadがサポートしていたのは、SBCとAACだった。一方でハイレゾ相当の音声を伝送できるBluetoothコーデックとしては、もともとソニーが開発したLDACや、クアルコムのaptX HDなどがある。ただ、自前主義を徹底しているアップルのこと。これらの他社製技術を素直に使うかというと、かなり疑問だ。そもそも既存のiPhoneが対応していないという重大な問題がある。
オープンなフォーマットの候補としては、Bluetooth SIGがすでに仕様書を公開している、次世代のBluetoothオーディオ伝送「LE Audio」で採用されるコーデック「LC3」が挙げられる。こういう新しい技術を事前に仕込んでおき、いち早く市場に投入するのは、いかにもアップル好みの戦略だ。
だがこのLE Audioは、まったく新しいフレームワークだ。イヤホン側だけでなく、送信側のハード(この場合であればiPhoneやiPad)も対応する必要がある。数年前のiPhoneから、これに対応したBluetoothチップをひそかに仕込んでいた、という可能性は低い。
ということで、iPhone/iPadと新型AirPodsの高音質伝送にどういった技術が使われるか、なかなか候補が見当たらない状況だ。既存のiPhoneでも利用できるようにすることを考えると、既にあるコーデックを改良した新コーデックを採用するのも有力だ。
いずれにせよ、噂通り5月18日に発表されるのなら、これらの気になるポイントの答えはすぐにわかる。果たしてアップルはどう判断したのか。答え合わせが待ち遠しい。