【第2回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
映画アドバイザーが推す週末サブスクこの1本。『隔たる世界の2人』
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2021年の配信作『隔たる世界の2人』をご紹介します!
◇
『隔たる世界の2人』(2021年・アメリカ)
(配信:Netflix)
第93回アカデミー賞において、最優秀短編実写映画賞を受賞したトレイヴォン・フリーとマーティン・デズモンド・ロー監督作。一晩を共に過ごした女性の家で目覚めた黒人の青年・カーター(ジョーイ・バッドアス)は、愛犬が待つ自宅へ帰ろうとするも、白人警官(アンドリュー・ハワード)に止められ口論の末に殺されてしまう。しかし、目が覚めると再び同じ朝が始まり、警官と会う度に理不尽に殺されるという恐怖が延々と繰り返されていくことに…。
映画を問わず、様々な媒体において目にする機会が増えたタイムループもの。ただ、その設定に“人種差別”を掛け合わせて描いているという点が斬新であり、たった32分という短さながらも、未だ途絶えぬ人種差別のいびつさや愚かしさを痛い程までに感じさせてくれるのが本作のすごいところ。
一体どのようにしてループから抜け出すのかという興味を掻き立てられるのと同時に、分かり合えない相手とどのようにしたら分かり合えるのかという相互理解の難しさ、絶望的な状況に陥ろうと希望を捨てず、挑戦し続けていくことの大切さを感じさせてくれる力作です。2時間映画を観る気力はないけど、何か面白い作品を観たい。そんな時におすすめ!
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『隔たる世界の2人』(2021年・アメリカ)
(配信:Netflix)
第93回アカデミー賞において、最優秀短編実写映画賞を受賞したトレイヴォン・フリーとマーティン・デズモンド・ロー監督作。一晩を共に過ごした女性の家で目覚めた黒人の青年・カーター(ジョーイ・バッドアス)は、愛犬が待つ自宅へ帰ろうとするも、白人警官(アンドリュー・ハワード)に止められ口論の末に殺されてしまう。しかし、目が覚めると再び同じ朝が始まり、警官と会う度に理不尽に殺されるという恐怖が延々と繰り返されていくことに…。
映画を問わず、様々な媒体において目にする機会が増えたタイムループもの。ただ、その設定に“人種差別”を掛け合わせて描いているという点が斬新であり、たった32分という短さながらも、未だ途絶えぬ人種差別のいびつさや愚かしさを痛い程までに感じさせてくれるのが本作のすごいところ。
一体どのようにしてループから抜け出すのかという興味を掻き立てられるのと同時に、分かり合えない相手とどのようにしたら分かり合えるのかという相互理解の難しさ、絶望的な状況に陥ろうと希望を捨てず、挑戦し続けていくことの大切さを感じさせてくれる力作です。2時間映画を観る気力はないけど、何か面白い作品を観たい。そんな時におすすめ!
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、渋谷クロスFM・Voicy・各種WEB・雑誌・メディア等で映画を紹介。イベント登壇、映画祭審査員、映画のカメオ出演、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |