【第4回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
映画アドバイザーが推す週末サブスクこの1本。『南極料理人』
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2009年の公開作『南極料理人』をご紹介します!
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『南極料理人』(2009年・日本)
(配信:Netflix / Amazon Prime Video / hulu)
南極観測隊に料理人として参加した西村淳のエッセイ「面白南極料理人」を、「横道世之介」や最新作「さかなのこ」などで知られる沖田修一監督が堺雅人主演で映画化。氷点下54℃、極寒の南極へやってきた8人のくせもの男性観測隊員たちが観測基地で共に過ごす1年半の歳月をユーモラスに描いた人間ドラマ。
男たちのむさ苦しくも微笑ましい共同生活は、目にする者の心をゆる〜く、(劇中の光景とは相反する)あたたかな気持ちにさせてくれると同時に、細かいことなど何も気にせず、ただ漠然と観ているだけでも十分楽しめてしまうに違いない。だが、調理・気象・通信・車両・医療など、それぞれに異なる役割を持つ隊員たちの仕事ぶりや、14,000キロ離れた日本の地で待つ家族や恋人たちとの関係性を通して見えてくるものがきっとある。
それは、他者の存在や支えがあってこそ果たすことのできる自分の役割があるということ。各々担当が異なる彼らの仕事、妻や子どもがいてこその父親という立場、はたまた数多の材料で作られる料理のように、何か一つでも欠けたら成立しない。南極がもたらす様々な制約が物事をシンプルにし、日頃見えづらい大切なものを鮮明に見せてくれると思います。
(C)2009『南極料理人』製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『南極料理人』(2009年・日本)
(配信:Netflix / Amazon Prime Video / hulu)
南極観測隊に料理人として参加した西村淳のエッセイ「面白南極料理人」を、「横道世之介」や最新作「さかなのこ」などで知られる沖田修一監督が堺雅人主演で映画化。氷点下54℃、極寒の南極へやってきた8人のくせもの男性観測隊員たちが観測基地で共に過ごす1年半の歳月をユーモラスに描いた人間ドラマ。
男たちのむさ苦しくも微笑ましい共同生活は、目にする者の心をゆる〜く、(劇中の光景とは相反する)あたたかな気持ちにさせてくれると同時に、細かいことなど何も気にせず、ただ漠然と観ているだけでも十分楽しめてしまうに違いない。だが、調理・気象・通信・車両・医療など、それぞれに異なる役割を持つ隊員たちの仕事ぶりや、14,000キロ離れた日本の地で待つ家族や恋人たちとの関係性を通して見えてくるものがきっとある。
それは、他者の存在や支えがあってこそ果たすことのできる自分の役割があるということ。各々担当が異なる彼らの仕事、妻や子どもがいてこその父親という立場、はたまた数多の材料で作られる料理のように、何か一つでも欠けたら成立しない。南極がもたらす様々な制約が物事をシンプルにし、日頃見えづらい大切なものを鮮明に見せてくれると思います。
(C)2009『南極料理人』製作委員会
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、渋谷クロスFM・Voicy・各種WEB・雑誌・メディア等で映画を紹介。イベント登壇、映画祭審査員、映画のカメオ出演、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |