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<速攻レポート>『THE FIRST SLAM DUNK』UHD BD、ついに到着! 劇場上映を7回“観戦”した記者が感動を追体験
2022年公開の劇場映画『THE FIRST SLAM DUNK』のBlu-ray&DVDが本日2月28日に発売された。予約解禁日の昨年10月27日にAmazonで注文していた『LIMITED EDITION(初回生産限定)4K ULTRA HD Blu-ray』が届いたので、早速開封してみた。
まずは中に入っているものを全て出してみる。LIMITED EDITIONは、作品の“追体験”をコンセプトとしているだけあり、内容は盛りだくさん。ブックレットや、イベントの様子を収めたボーナスディスク2枚(DVDでの収録)や、劇場上映時に配布していた入場者特典「THANKSプレゼント」全種がサイズや一部仕様変更を行った上で「Special THANKSプレゼント」として封入される。
作品内容が素晴らしすぎるがゆえに、上映中は劇場で7回観戦した記者。自然と特典も手元に集まってくるので、オリジナルと比較すると、サイズや素材が変更されていることがあらためてわかる。特典配布時はメンバーがランダム配布だったPETスタンドも湘北メンバーが勢揃い。サイズダウンしてはいるものの、「やはり5人が居てこそ」と思うのでめちゃくちゃ嬉しい。ディスクの三方背ケースと組み合わせると、作品メインビジュアルを思わせる配置ができるのも素晴らしい。
もう一つ特筆したいのは、劇場公開時には山王工業高校・湘北高等学校の試合日時にあわせた、8月3日の上映回来場者にしか配られなかった「山王×湘北 観戦チケット」もしおりサイズで封入。オリジナルでは上映日が刻まれていた半券部分は、ソフト発売日の日付「2024.02.28」と変更されている。
記者は8月3日夜の上映回を観に行き、どうにか「山王×湘北 観戦チケット」を手中に収めることができた。ただし上映日が平日で昼夜の2回のみ、上映館も限られていたということもあり、座席も即完だった。座席の予約日や、8月3日の上映当日もSNS上では「席が取れなかった」「泣く泣く諦めた」という声をよく目にした。
こうやって思わず振り返ってしまうほど、劇場上映期間中は特典配布に連動したイベントが多く、特典一つ一つを見るだけで文字通り作品を“追体験”することができる。それを最も象徴する特典がLIMITED EDITION限定の「シアターバナー・アップサイクルチャーム」だろう。全国の劇場で使われたバナーから作ったというから、“劇場体験ありきのパッケージ”であることを強く認識させられる。
公開2週目となる2023年12月10日からはDolby Cinema上映が実施されたが、封入される4K ULTRA HD Blu-rayはDolby Vision/Dolby Atmosを収録する。
パンフレット記載のスタッフコメントにもあるように、音響は音楽も含めてDolby Atmosでの制作を行なったという本作。対応機器で再生することで、バッシュが体育館を擦り付けるスキール音や、ザラつくバスケットボールをハンドリングする手触りまでもが伝わりそうな実在感あるタッチ音、ゴールリングに触れずスリーポイントを決める「三井寿を何度でも甦らせる音」(ボールとネットの擦過音“Swish”)といった音響効果を、立体感と共に楽しむことができる。
また余談ながら、声援を送る観客や、メガホンを叩きつけるリズムや音、スコアの状況に応じて変わるインターハイ会場の空気感を再現すべく「バスケットボール音響監修」が配置されるなど、徹底的に音にこだわった作品となっている。
ちゃっかりソフトの配送先を会社にしていたので、出社している社員何人かに声を掛け、ささやかな上映会を行った。プレーヤーは「DP-UB9000」、テレビは単体でDolby Atmos音響の再生に対応する4K MiniLEDテレビ「TH-55MX950」と、パナソニックの機材で揃えた。
視聴は全尺……といいたいところだが、バスケットシーンを中心に実施。ボールが弧を描き、ゴールポストに吸いこまれるシュート音には、軌道に合わせた音の振りがつけられていたり、セリフがなくとも後ろで鳴り続けるインターハイ会場の喧騒なども臨場感に満ちている。
上記したようなSEだけで無く、主題歌「第ゼロ感」の歌唱も担当する10-FEETによる劇伴などもバチバチに決まる本作。その白眉とも言えるシーンが「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ!」のセリフと共に、山王のゾーンプレスを突破する宮城リョータ。劇場で観る都度、涙ぐんでいた場面を繰り返し観ることができてしまうのも、ディスクメディアならではの楽しみである。
そして、音響演出が決まっているからこそ活きてくるのが「無音」のシーン。本作は本当に「無音」を聴かせてくる。三井寿の「静かにしろい」のシーンもそれなりに音は少ないが、これ抜きでは語れないのは、ラスト1分切りの攻防を描いたシーンだろう。劇場でたまたま両隣に座った見知らぬ観賞客と、その成り行きを固唾を呑んで見守った「劇場という状況をインターハイ会場へと変えてしまう一幕」。何度観てもヒリつき、ボルテージが最高潮になるシーンを、好きなだけ浴びれる。そんな贅沢が叶ってしまう。
なお、今回試聴に用意したテレビTH-55MX950は、フルレンジ2発とウーファー1基の内蔵スピーカーでDolby Atmosを再現するもの。ご自宅で劇場体験した音響に近しいものを楽しみたいのであれば、アンプとスピーカーを揃えてマルチチャンネルシステムを組むか、対応サウンドバーを用意したいところではあるが、その準備が出来ていない人も多いだろう。
お手元の『THE FIRST SLAM DUNK』を再生し切りたいという方は、ぜひPHILE WEBのAVアンプやスピーカーシステム、サウンドバー記事に目を通していただけたら幸いだ。
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いまや、映画鑑賞手段としてAmazon Prime VideoやNetflixといった月額制サブスクリプションサービスがメジャーになってきた。実際、『THE FIRST SLAM DUNK』と同じ2022年公開の東映製作×週刊少年ジャンプ連載漫画を原作とする長編映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』『ONE PIECE FILM RED』については、ソフトの販売に先んじてAmazon Prime Videoでの独占見放題配信をスタートさせていた。
本作も同様に、即座に配信開始するかと思ったら、DL販売を含めた配信のアナウンスが未だ行われていない。近年のコンテンツでは珍しいほどの「パッケージファースト」の姿勢は、作品の“追体験“という要素を大切にした結果ではないだろうか? 実際、LIMITED EDITIONの満足感はとてつもなく大きいものだった。
自宅にテレビや再生機器を置かなくなったという世帯も増え、物理メディアのレンタル店舗や販売店舗が減りつつあるというニュースも珍しくなくなった。好きなタイトルや、装丁が気に入ったものは物理メディアを買う記者にとって、この世の流れは、まさに逆境といったところだ。
劇場興行でも驚異の記録を打ち立てた『THE FIRST SLAM DUNK』には、パッケージソフトの販売という面においても、逆境の状況を覆した対山王戦のようなビッグゲームを期待したい。
■盛りだくさんの封入特典で『THE FIRST SLAM DUNK』を“追体験”
まずは中に入っているものを全て出してみる。LIMITED EDITIONは、作品の“追体験”をコンセプトとしているだけあり、内容は盛りだくさん。ブックレットや、イベントの様子を収めたボーナスディスク2枚(DVDでの収録)や、劇場上映時に配布していた入場者特典「THANKSプレゼント」全種がサイズや一部仕様変更を行った上で「Special THANKSプレゼント」として封入される。
作品内容が素晴らしすぎるがゆえに、上映中は劇場で7回観戦した記者。自然と特典も手元に集まってくるので、オリジナルと比較すると、サイズや素材が変更されていることがあらためてわかる。特典配布時はメンバーがランダム配布だったPETスタンドも湘北メンバーが勢揃い。サイズダウンしてはいるものの、「やはり5人が居てこそ」と思うのでめちゃくちゃ嬉しい。ディスクの三方背ケースと組み合わせると、作品メインビジュアルを思わせる配置ができるのも素晴らしい。
もう一つ特筆したいのは、劇場公開時には山王工業高校・湘北高等学校の試合日時にあわせた、8月3日の上映回来場者にしか配られなかった「山王×湘北 観戦チケット」もしおりサイズで封入。オリジナルでは上映日が刻まれていた半券部分は、ソフト発売日の日付「2024.02.28」と変更されている。
記者は8月3日夜の上映回を観に行き、どうにか「山王×湘北 観戦チケット」を手中に収めることができた。ただし上映日が平日で昼夜の2回のみ、上映館も限られていたということもあり、座席も即完だった。座席の予約日や、8月3日の上映当日もSNS上では「席が取れなかった」「泣く泣く諦めた」という声をよく目にした。
こうやって思わず振り返ってしまうほど、劇場上映期間中は特典配布に連動したイベントが多く、特典一つ一つを見るだけで文字通り作品を“追体験”することができる。それを最も象徴する特典がLIMITED EDITION限定の「シアターバナー・アップサイクルチャーム」だろう。全国の劇場で使われたバナーから作ったというから、“劇場体験ありきのパッケージ”であることを強く認識させられる。
■『THE FIRST SLAM DUNK』視聴:再生すると自宅がインハイ会場に!
公開2週目となる2023年12月10日からはDolby Cinema上映が実施されたが、封入される4K ULTRA HD Blu-rayはDolby Vision/Dolby Atmosを収録する。
パンフレット記載のスタッフコメントにもあるように、音響は音楽も含めてDolby Atmosでの制作を行なったという本作。対応機器で再生することで、バッシュが体育館を擦り付けるスキール音や、ザラつくバスケットボールをハンドリングする手触りまでもが伝わりそうな実在感あるタッチ音、ゴールリングに触れずスリーポイントを決める「三井寿を何度でも甦らせる音」(ボールとネットの擦過音“Swish”)といった音響効果を、立体感と共に楽しむことができる。
また余談ながら、声援を送る観客や、メガホンを叩きつけるリズムや音、スコアの状況に応じて変わるインターハイ会場の空気感を再現すべく「バスケットボール音響監修」が配置されるなど、徹底的に音にこだわった作品となっている。
ちゃっかりソフトの配送先を会社にしていたので、出社している社員何人かに声を掛け、ささやかな上映会を行った。プレーヤーは「DP-UB9000」、テレビは単体でDolby Atmos音響の再生に対応する4K MiniLEDテレビ「TH-55MX950」と、パナソニックの機材で揃えた。
視聴は全尺……といいたいところだが、バスケットシーンを中心に実施。ボールが弧を描き、ゴールポストに吸いこまれるシュート音には、軌道に合わせた音の振りがつけられていたり、セリフがなくとも後ろで鳴り続けるインターハイ会場の喧騒なども臨場感に満ちている。
上記したようなSEだけで無く、主題歌「第ゼロ感」の歌唱も担当する10-FEETによる劇伴などもバチバチに決まる本作。その白眉とも言えるシーンが「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ!」のセリフと共に、山王のゾーンプレスを突破する宮城リョータ。劇場で観る都度、涙ぐんでいた場面を繰り返し観ることができてしまうのも、ディスクメディアならではの楽しみである。
そして、音響演出が決まっているからこそ活きてくるのが「無音」のシーン。本作は本当に「無音」を聴かせてくる。三井寿の「静かにしろい」のシーンもそれなりに音は少ないが、これ抜きでは語れないのは、ラスト1分切りの攻防を描いたシーンだろう。劇場でたまたま両隣に座った見知らぬ観賞客と、その成り行きを固唾を呑んで見守った「劇場という状況をインターハイ会場へと変えてしまう一幕」。何度観てもヒリつき、ボルテージが最高潮になるシーンを、好きなだけ浴びれる。そんな贅沢が叶ってしまう。
なお、今回試聴に用意したテレビTH-55MX950は、フルレンジ2発とウーファー1基の内蔵スピーカーでDolby Atmosを再現するもの。ご自宅で劇場体験した音響に近しいものを楽しみたいのであれば、アンプとスピーカーを揃えてマルチチャンネルシステムを組むか、対応サウンドバーを用意したいところではあるが、その準備が出来ていない人も多いだろう。
お手元の『THE FIRST SLAM DUNK』を再生し切りたいという方は、ぜひPHILE WEBのAVアンプやスピーカーシステム、サウンドバー記事に目を通していただけたら幸いだ。
いまや、映画鑑賞手段としてAmazon Prime VideoやNetflixといった月額制サブスクリプションサービスがメジャーになってきた。実際、『THE FIRST SLAM DUNK』と同じ2022年公開の東映製作×週刊少年ジャンプ連載漫画を原作とする長編映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』『ONE PIECE FILM RED』については、ソフトの販売に先んじてAmazon Prime Videoでの独占見放題配信をスタートさせていた。
本作も同様に、即座に配信開始するかと思ったら、DL販売を含めた配信のアナウンスが未だ行われていない。近年のコンテンツでは珍しいほどの「パッケージファースト」の姿勢は、作品の“追体験“という要素を大切にした結果ではないだろうか? 実際、LIMITED EDITIONの満足感はとてつもなく大きいものだった。
自宅にテレビや再生機器を置かなくなったという世帯も増え、物理メディアのレンタル店舗や販売店舗が減りつつあるというニュースも珍しくなくなった。好きなタイトルや、装丁が気に入ったものは物理メディアを買う記者にとって、この世の流れは、まさに逆境といったところだ。
劇場興行でも驚異の記録を打ち立てた『THE FIRST SLAM DUNK』には、パッケージソフトの販売という面においても、逆境の状況を覆した対山王戦のようなビッグゲームを期待したい。