公開日 2014/10/10 10:29
ケンブリッジオーディオのセールスDが語る「イギリスの感性を世界に伝えたい」
東京インターナショナルオーディオショウに合わせて来日
9月23日から25日の3日間、東京・有楽町の国際フォーラムにて開催された「2014 東京インターナショナルオーディオショウ(TIAS 2014)」。ナスペックのブースでは、同社が取り扱う英国ケンブリッジオーディオの各製品が出展されたが、これに合わせてケンブリッジオーディオのインターナショナルセールス・ディレクターであるGregg Chopper氏が来日。ファイル・ウェブでは同氏にインタビューをする機会を得た。
■ネットワークプレーヤーやパワーアンプの新製品をTIAS 2014に出展
Gregg Chopper氏はまず、今回のTIAS2014に出展されたケンブリッジオーディオの最新製品について説明してくれた。10月1日より発売されたステレオパワーアンプ「Azur 651W」(関連ニュース)は、実売15万円という価格ながら、オーディオグレードの大容量トロイダルトランスを備えたことが特徴だ。内部のアンプ回路は、電源供給回路も含めてL/Rをセパレートしたデュアルものブロックデザインを採用している。「この価格帯でこれだけの物量を投入するというのは、他のブランドと比較しても非常に希です」と同氏は自信を見せていた。
そして、このパワーアンプとの組み合わせに最適といえるのが、デジタルプリアンプ内蔵のネットワークプレーヤー「Stream Magic 6 V2」(関連ニュース)だ。本機は実売12万円という価格ながら、192kHz/24bitのネットワーク再生に対応。さらにPCからのUSB入力、同軸/光デジタル入力も搭載するなど、幅広いインターフェースを備えていることも特徴だ。独自の操作アプリ「Streme Magic App」を用意するなど、使い勝手にも配慮している。
■日本のオーディオファンの意識の高さには感心している
ケンブリッジオーディオにおいて、日本をはじめとする世界の主要国のセールスマネージメントを担当しているというChopper氏。世界、そしてアジアと比較して、日本のオーディオマーケットについてはどのような印象を得たのだろうか。
「日本のオーディオファンはテクニカルな知識に精通していて、オーディオに対しての意識が非常に高いという印象を得ました。それから、今回のTIASの様々な展示を見てのわかる通り、セパレートタイプのアンプが非常に多いですよね。このあたりにもオーディオが趣味として確立していることを感じました。そして、これは今回のショウでも感じたことなのですが、オーディオファンに若い方が多いですよね。ヨーロッパだと、オーディオファンの年齢層はもっとずっと高いです」(Chopper氏)。
ケンブリッジオーディオはいち早くハイレゾ対応のUSB-DACを手がけ、ネットワークプレーヤーもラインナップしている。オーディオにおけるハイレゾ再生の潮流についてはどう考えているのだろうか。
Chopper氏は「192kHz/24bitなどのハイレゾ音源については、一人の音楽ファンとして非常に魅力を感じています。DSDについても同様です。これからも、普及のスピードは加速していくでしょう。ケンブリッジオーディオでも、こうしたハイレゾ再生に対応した製品をさらに手がけていく予定です」とコメントしてくれた。
また、ハイレゾ再生の音質の魅力はもちろん、音楽ファイル再生が可能とする“使い勝手”や“音楽への手軽なアクセス”も重視しているとのこと。「ケンブリッジオーディオはネットワークプレーヤーやUSB-DACを手がけていますが、ハイレゾならではの音の良さと同じレベルで、使い勝手の良さや直感的な操作性が重要だと考えています。192kHz/24bit PCMやDSDのようなフォーマットに縛られない音質の魅力に加えて、膨大なライブラリから自分の好きな音楽を簡単に選び出したり、プレイリストを作ったりする使い勝手も、音楽を楽しむ上でとても重要です。ケンブリッジオーディオはその両方を満たすことを常に念頭においています」(Chopper氏)。
■新しいリスニングスタイルへの要望を満たす製品も充実
世界のオーディオ市場におけるケンブリッジオーディオのお話を伺うなかで、話題はやはりヘッドホンにも及んだ。ヘッドホンのムーブメントは、日本はもちろん、アジア、そしてアメリカやヨーロッパでも共通しているという。「それはそれで非常に素晴らしいことですが、現時点ではメーカーやブランドも非常に多く、直接その分野に参入することが我々の仕事だとは考えていません」とChopper氏。
「だからこそ、私たちはヘッドホンの音質を最大限引き出すための周辺機器を積極的に手がけています。手のひらサイズながら本格的なサウンドを実現したUSB-DAC/ヘッドホンアンプの「DacMagic XS」(レビュー記事はこちら)などはその好例と言えるでしょう」(Chopper氏)。
さらには、従来のピュアオーディオに加えて、現在の若いジェネレーションのリスニングスタイルに応える製品も積極的に展開していることもアピール。日本にはまだ本格導入されていないが、同社はaptXに対応することで音質を改善したBluetoothスピーカーもいち早く製品化していた。また、「minx」シリーズのようなライフスタイルを重視したコンパクトかつデザイン性の高いスピーカーラインナップも展開している。
■音楽を知っているメーカーだからこそ可能な製品作り
インタビューの最後に、Chopper氏はケンブリッジオーディオにおける開発体制、そして開発思想についても紹介してくれた。
「ケンブリッジオーディオは50人ものエンジニアを抱える総合オーディオメーカーです。そしてその一人一人が、“サウンド・イズ・ファースト”という当社の思想を共有しています。興味深いのは、エンジニアの多くが何かしらの楽器をプレイしていることです。社内でバンドも結成しています。実際にライブハウスで演奏することも多いです。そういうタイプの技術者だからこそ、何より音楽が第一のオーディオコンポーネントを実現できるのです。ケンブリッジオーディオが一貫して、最先端かつ物量にこだわりながら、かつコストパフォーマンスの高いオーディオ機器を実現できる理由のひとつも、そこにあると思います」(Chopper氏)。
業務で世界を飛び回っているChopper氏には、日本に加えて、アジア全域で若い世代のオーディオファンが増えているという実感があるという。長年のオーディオ愛好家と共に、こうした新しいオーディオファンにも、良質かつ現実的な価格ですばらしいサウンドを提供していくことがケンブリッジオーディオの役目、と同氏は意気込みを語ってくれた。
Chopper氏は以下のようにコメントし、インタビューを締めてくれた。「ロンドンはもちろん、ケンブリッジオーディオの本社周辺にも本当にたくさんのライブハウスがあり、あらゆるジャンルの音楽を生で楽しむ環境が整っています。そしてイギリスがいかに魅力的な音楽を生んできたかは、今さら私が説明するまでもないでしょう。こうした環境でしか実現できないサウンドがあります。ケンブリッジオーディオというブランドを通して、イギリスの感性をもっと世界に伝えていけたらいいなと考えています」。
■ネットワークプレーヤーやパワーアンプの新製品をTIAS 2014に出展
Gregg Chopper氏はまず、今回のTIAS2014に出展されたケンブリッジオーディオの最新製品について説明してくれた。10月1日より発売されたステレオパワーアンプ「Azur 651W」(関連ニュース)は、実売15万円という価格ながら、オーディオグレードの大容量トロイダルトランスを備えたことが特徴だ。内部のアンプ回路は、電源供給回路も含めてL/Rをセパレートしたデュアルものブロックデザインを採用している。「この価格帯でこれだけの物量を投入するというのは、他のブランドと比較しても非常に希です」と同氏は自信を見せていた。
そして、このパワーアンプとの組み合わせに最適といえるのが、デジタルプリアンプ内蔵のネットワークプレーヤー「Stream Magic 6 V2」(関連ニュース)だ。本機は実売12万円という価格ながら、192kHz/24bitのネットワーク再生に対応。さらにPCからのUSB入力、同軸/光デジタル入力も搭載するなど、幅広いインターフェースを備えていることも特徴だ。独自の操作アプリ「Streme Magic App」を用意するなど、使い勝手にも配慮している。
■日本のオーディオファンの意識の高さには感心している
ケンブリッジオーディオにおいて、日本をはじめとする世界の主要国のセールスマネージメントを担当しているというChopper氏。世界、そしてアジアと比較して、日本のオーディオマーケットについてはどのような印象を得たのだろうか。
「日本のオーディオファンはテクニカルな知識に精通していて、オーディオに対しての意識が非常に高いという印象を得ました。それから、今回のTIASの様々な展示を見てのわかる通り、セパレートタイプのアンプが非常に多いですよね。このあたりにもオーディオが趣味として確立していることを感じました。そして、これは今回のショウでも感じたことなのですが、オーディオファンに若い方が多いですよね。ヨーロッパだと、オーディオファンの年齢層はもっとずっと高いです」(Chopper氏)。
ケンブリッジオーディオはいち早くハイレゾ対応のUSB-DACを手がけ、ネットワークプレーヤーもラインナップしている。オーディオにおけるハイレゾ再生の潮流についてはどう考えているのだろうか。
Chopper氏は「192kHz/24bitなどのハイレゾ音源については、一人の音楽ファンとして非常に魅力を感じています。DSDについても同様です。これからも、普及のスピードは加速していくでしょう。ケンブリッジオーディオでも、こうしたハイレゾ再生に対応した製品をさらに手がけていく予定です」とコメントしてくれた。
また、ハイレゾ再生の音質の魅力はもちろん、音楽ファイル再生が可能とする“使い勝手”や“音楽への手軽なアクセス”も重視しているとのこと。「ケンブリッジオーディオはネットワークプレーヤーやUSB-DACを手がけていますが、ハイレゾならではの音の良さと同じレベルで、使い勝手の良さや直感的な操作性が重要だと考えています。192kHz/24bit PCMやDSDのようなフォーマットに縛られない音質の魅力に加えて、膨大なライブラリから自分の好きな音楽を簡単に選び出したり、プレイリストを作ったりする使い勝手も、音楽を楽しむ上でとても重要です。ケンブリッジオーディオはその両方を満たすことを常に念頭においています」(Chopper氏)。
■新しいリスニングスタイルへの要望を満たす製品も充実
世界のオーディオ市場におけるケンブリッジオーディオのお話を伺うなかで、話題はやはりヘッドホンにも及んだ。ヘッドホンのムーブメントは、日本はもちろん、アジア、そしてアメリカやヨーロッパでも共通しているという。「それはそれで非常に素晴らしいことですが、現時点ではメーカーやブランドも非常に多く、直接その分野に参入することが我々の仕事だとは考えていません」とChopper氏。
「だからこそ、私たちはヘッドホンの音質を最大限引き出すための周辺機器を積極的に手がけています。手のひらサイズながら本格的なサウンドを実現したUSB-DAC/ヘッドホンアンプの「DacMagic XS」(レビュー記事はこちら)などはその好例と言えるでしょう」(Chopper氏)。
さらには、従来のピュアオーディオに加えて、現在の若いジェネレーションのリスニングスタイルに応える製品も積極的に展開していることもアピール。日本にはまだ本格導入されていないが、同社はaptXに対応することで音質を改善したBluetoothスピーカーもいち早く製品化していた。また、「minx」シリーズのようなライフスタイルを重視したコンパクトかつデザイン性の高いスピーカーラインナップも展開している。
■音楽を知っているメーカーだからこそ可能な製品作り
インタビューの最後に、Chopper氏はケンブリッジオーディオにおける開発体制、そして開発思想についても紹介してくれた。
「ケンブリッジオーディオは50人ものエンジニアを抱える総合オーディオメーカーです。そしてその一人一人が、“サウンド・イズ・ファースト”という当社の思想を共有しています。興味深いのは、エンジニアの多くが何かしらの楽器をプレイしていることです。社内でバンドも結成しています。実際にライブハウスで演奏することも多いです。そういうタイプの技術者だからこそ、何より音楽が第一のオーディオコンポーネントを実現できるのです。ケンブリッジオーディオが一貫して、最先端かつ物量にこだわりながら、かつコストパフォーマンスの高いオーディオ機器を実現できる理由のひとつも、そこにあると思います」(Chopper氏)。
業務で世界を飛び回っているChopper氏には、日本に加えて、アジア全域で若い世代のオーディオファンが増えているという実感があるという。長年のオーディオ愛好家と共に、こうした新しいオーディオファンにも、良質かつ現実的な価格ですばらしいサウンドを提供していくことがケンブリッジオーディオの役目、と同氏は意気込みを語ってくれた。
Chopper氏は以下のようにコメントし、インタビューを締めてくれた。「ロンドンはもちろん、ケンブリッジオーディオの本社周辺にも本当にたくさんのライブハウスがあり、あらゆるジャンルの音楽を生で楽しむ環境が整っています。そしてイギリスがいかに魅力的な音楽を生んできたかは、今さら私が説明するまでもないでしょう。こうした環境でしか実現できないサウンドがあります。ケンブリッジオーディオというブランドを通して、イギリスの感性をもっと世界に伝えていけたらいいなと考えています」。
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