• ブランド
    特設サイト
公開日 2019/01/12 18:26

<CES>「HDMI2.1」はいつ一般に普及する? HDMIライセンシングのCTOに聞いた

ビジュアル以外でも上質コンテンツを提供
山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
2019年の幕開けとともに、多くのテレビメーカーがHDMIの最新規格「HDMI2.1」を搭載する製品を発表した。CESに出展するHDMIフォーラムのブースを訪ね、HDMI Licensing Administrator, Inc.の最高技術責任者であるJeff Park氏に、HDMI2.1の現状とこれからの見通しを聞いた。

HDMI Licensing Administrator, Inc. 最高技術責任者(CTO)のJeff Park氏にインタビューした

2018年の11月末にHDMIフォーラムが正式にリリースした「HDMI2.1」のメインスペックについてはこちらのニュースを合わせて参照してほしい。ひとつの大きなポイントになるのが、最大のデータ伝送帯域幅を従来の18Gbpsから48Gbpsにまで広げて、8K/60p、4K/120pといったハイフレームレートの映像データを扱えるようにしたことだ。8K対応のテレビについては、HDMI2.1対応の製品を組み合わせれば単体チューナー、またはチューナーを内蔵するレコーダー機器とケーブル1本でつなげるようになる。

その他にもあるHDMI2.1の規格に含まれる機能の、どれを採用するかについてはメーカーの選択に委ねられている。さらにeARC(enhanced Audio Return Channel)以外の機能については、技術要件や認証試験の仕様が現時点でまだ定まっていない。Park氏は「それぞれ段階的に2019年内には確定して出揃うだろう」との見通しを述べている。

今年のCESで多くのテレビメーカーがHDMI2.1端子を搭載する新製品を発表したことについて、Park氏は「HDMIにまた多くの関心が向いたことについてはとても嬉しく思う。これから各カテゴリーの製品に採用が広がるだけでなく、デジタルインターフェースの技術進化が促されるものと期待したい」とコメントしている。

HDMIフォーラムがCES 2019に出展したブースにはSoC、ケーブルや認証試験のテスト機器を扱うメーカーなどが参加した

「コンシューマーが4Kコンテンツを楽しむための形態もUltra HD Blu-rayのパッケージから動画配信、YouTubeなど数年前から大きく様変わりした。映像制作の現場にも8K/4Kの機材が入り始めて、もはや珍しいものではなくなりつつある。すべてのテクノロジーが “いまここにある” 状況ができた。2Kから4Kへの進化にかかった時間よりも、これからはもっと短い時間で一気に8K時代への移行が進むだろうと見ている」(Park氏)

Park氏は、いまHDMI2.1が8K/4Kの高品位な映像を扱えることによって注目されているが、「本当に大切なのはビジュアルだけでなく、オーディオやゲーミングなどすべてにおいて、より上質なコンテンツ体験を新しい世代のHDMIが提供できること」であると強調している。

そのことを広く知ってもらうためにも、各機能の認証試験を着実に進めて、コンシューマーに多くの製品の選択肢を提供できる環境を整えることが肝要であると、意気込みもって取り組んでいく姿勢を明らかにした。

8K/60p対応のチップソリューションもINVECASやサムスン、JCEなどHDMIフォーラムに参加するメーカーが開発を進めている

HDMIフォーラムのブースには、HDMI2.1対応のケーブルのプロトタイプも展示されていた。48Gbpsの非圧縮伝送に対応する次世代のHDMIケーブルについては「Ultra High Speed HDMI Cable/Cat3」としてカテゴライズされ、現状HDMI2.1の技術要件に則った認証試験が進められている段階だ。Park氏は、HDMI2.1に対応するケーブルが商品として発売される時期については、2019年内になるのではという見通しを語っている。

HDMI2.1対応ケーブルのプロトタイプ

コネクタや線材の性能向上についても各社が工夫を凝らす

なお、従来の銅線を使ったHDMIのメタルケーブルでは、最大48Gbpsの帯域幅の信号を安定して通せる長さは2〜3mまでが限界とされている。ブースに展示されたプロトタイプの中には、プラグ部で電気信号を光信号に変換して、光ファイバーケーブルで安定した長距離伝送を実現するケーブルもあった。Park氏は「入出力がHDMI信号であれば途中の “通し方” については光ファイバーを使ったケーブル、あるいはワイヤレスであってもHDMIの規格として認められている」と説いている。

光ファイバーケーブルを使って最大48Gbpsの信号を長い距離に渡って安定して伝送するためのケーブルの試作機もINNEOSが展示した

今年はHDMIケーブルの革新にも目が離せなくなりそうだ。

(山本 敦)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX