公開日 2024/04/08 06:35
“一発録り”の空気感をどこまで再現できる?ジャズピアニスト・山本 剛とレコード&CDを徹底聴き比べ!
ティアックのCD&レコード再生システムを使用
ジャズピアニストとして、音楽ファンとオーディオファンの両方から愛される山本 剛。活動歴はすでに50年を越えながらも、いまだに毎年精力的にアルバム制作を続ける稀有な存在でもある。
昨年9月、evosoundレーベルより最新アルバム『ア・シェイド・オブ・ブルー』(A SHADE OF BLUE)が発売された。コロナ禍の最中、2021年9月に五反田文化センターにて収録され、イマーシブオーディオの第一人者である入交英雄氏が録音エンジニアを担当している。録音クオリティの高さはもちろん、MQA-CD、SACDハイブリッド盤、レコードなど複数のフォーマットで発売されており、オーディオのシステムチェックにも活用できる作品である。
今回は、ティアックのCD&レコードシステムを準備して、山本 剛さんとプロデュース担当・evosoundの山崎賢太郎さんと一緒に『ア・シェイド・オブ・ブルー』の聴き比べを実施。ピアニストの耳にはレコードとCDの違いはどんなふうに感じられるのか、たっぷり語っていただいた。
ーー今回はお時間をいただきありがとうございます。山本 剛さんといえば、オーディオファンの間ではTBMレーベルの『ミスティ』(1974年)が大変有名ですが、現在も積極的にレコーディングやコンサート活動を続けていらっしゃって、音楽ファンにたくさんのエネルギーを届けてくれています。今回は、昨年発売になりました最新アルバム『ア・シェイド・オブ・ブルー』をCDとレコードで聴き比べたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
山本 こちらこそよろしくお願いします。
ーーまずはアルバムのコンセプトについて教えていただけますか?
山崎(evosound) その点は、私の方から説明いたします。evosoundは香港に拠点を置くレーベルですが、音質や画質クオリティに非常にこだわった作品作りを行っています。今回、オーディオファンに人気の高い日本人ピアニストで作品を作りたい、となった時に、山本 剛さんのお名前があがりまして、お声かけさせていただきました。
2022年にはボブ・ジェームスで『フィール・ライク・メイキング・ライヴ!』というアルバムを制作いたしました。こちらもイマーシブフォーマットで録音したのですが、世界各国で非常に好評で、ぜひ日本発の企画としてやりたい、という思いもあったのです。
『ア・シェイド・オブ・ブルー』もMQA-CD、SACDハイブリッド盤、レコード、それからBlu-ray、Ultra HD Blu-rayでのリリースを予定しております。昨年発売になったのはMQAとSACD、レコードの3種類で、こちらはステレオで収録されています。今年春に映像作品としてもリリース予定で、こちらはイマーシブでの収録を予定しています。
ーー映像コンテンツも楽しみですが、今日はまずステレオでの音質チェックですね。山本さんは、この時のレコーディングで印象に残っていることはありますか?
山本 ほとんど一発録りでやったんだよね。ベースの香川(裕史)さんもドラムの大隅(寿男)も長くやっているメンバーだから、気心が知れているというのもありますが、なにより2回やると鮮度が落ちちゃうんだよ。
山崎(evosound) そうなんです。やり直しもほとんどなくて、私もとてもびっくりしました。リハーサルもやりますが、収録する曲はやらないんですよね。
山本 そう。録音チームのサウンドチェックは必要なんだけど、そこで(本番の曲を)やっちゃうと、終わっちゃう感じになるの。その日その日で演奏の内容は違うから、一発でやったほうが絶対いいものができるんだよね。
ーー今回の作品も、一発録りだからこそのフレッシュな空気感が詰まっているように思います。
山本 ミスももちろんないわけじゃないんだけどね、それをミスと考えないんです。“その時にしかできない演奏をする”、ということをいつも考えています。
ーー2021年にはレコードのダイレクト・カッティングにも挑戦されていましたが…。
山本 あれは大変だった(笑)。途中でやめられないからね、あれは本当に大変だったけど、それに比べるとこの時はもっとリラックスした感じでやれたかなぁ。
ーー今回はティアックのCDとレコードの再生システムをご用意しています。CD再生は、CDトランスポートの「VRDS-701T」とUSB-DAC「UD-701N」、レコード再生は「TN-5BB」とフォノイコライザー「PE-505」を組み合わせています。カートリッジはデノンのMCカートリッジ「DL-103」ですね。早速1曲聴いてみましょうか。まずはTr.3の「ザ・ウェイ・ウィー・アー」をレコードとCD(SACDハイブリッド盤のCDレイヤー)で聴き比べましょう。
♪Tr.3「ザ・ウェイ・ウィー・アー」
山本 これは2回目に録ったやつなんだっけ。
山崎(evosound) そうですね。基本的にはアルバムの順番に収録しましたが、これだけは2回録って、2回目に録った方が収録されています。
山本 どちらもすごくいい音だと思うけど…レコードの音の太い感じ、すごくいいね。針で擦っているのとデジタルで拾っているのと、それぞれの違いがあるんだと思うけど、これを聴くとレコードの音の良さがよく分かるね。
ーー次は山本さんの代表曲、「ミスティ」聴いてみましょうか。
♪Tr.9「ミスティ」
山本 いやぁ、改めて聴き返すといろんなことやってるなーって思うね。いいオーディオ装置で聴いているから、細かいところまでしっかり見えてくる感じもする。
ーーこちらは一発でOKが出たテイクなんですよね。
山本 これはCDもいいね、ニュアンス感がすごく出てくる感じ。いま録音した日のことを思い出してきたよ。「ミスティ」はいままで何百回って演奏していると思うんだけど、これはなかなか斬新だね。ドラムがドンって始まってから俺が出てくる。その時は自然だったんだけど、改めて聴き返して「こんなことやってたんだ〜」って発見があるね。
山崎(evosound) 収録当日も、4曲目くらいから演奏がぐっと良くなっていったんですよね。ちょっとお酒も入っていたんですけど、それもあってどんどんエンジンがかかっていったというか。
山本 あの日はカメラも入っていたから、最初はそれも意識していたところはあったよね。
吉田(ティアック) このCDトランスポートは、昨年春に発売になった製品です。このご時世にいまさらCD再生機かよ、という意見もあったのですが、私たちはCDもまだまだいい音で聴けますよ、ということを繰り返し言っています。新作も発売になりますし、過去に集めてきたコレクションをお持ちの方もたくさんいます。CDはそう簡単に劣化しませんので、その中に収められている情報量をいかに引き出すか、ということにこだわって作りました。
ーー録音がいいからこそ空気感の違いなどもとてもよく見えてきますね。この時はなんのピアノを使っていたのですか?
山本 これはスタインウェイですね。響きもすごくいいですし、ホールの残響音もとても綺麗に録れています。
山崎(evosound) イマーシブで録る、というのも今回の大きな目的でしたから。
山本 その目的の通りに録れてる感じがあるね。改めてこうやって聴くと、すごくオーディオも進化しているんだねぇ。
吉田(ティアック) ブラシワークがすっと消えて、空間が見えてくるところはゾワゾワきましたね。その後またブラシが戻るところも胸にグッときます。空間表現力というか、CDの凄みを改めて感じました。
ーー現場の空気がそのまま戻ってくるみたいな感じがしますね。
ーー次はMQA-CDをMQAデコードして聴いてみましょう。ふつうのCDでは、44.1kHz/16bitのフォーマットで収録されているのですが、MQA-CDでは96kHz/24bitのハイレゾフォーマットが“折り畳まれて”入っています。このティアックのCDトランスポートとDACでは、ハイレゾのデータがそのまま再生できます。
山本 ちょっと元気のいい曲を聴いてみようか。「ラストタンゴ・イン・パリ」、これはマーロン・ブランドの映画の主題歌なんだよね。
♪Tr.8「ラストタンゴ・イン・パリ」
山本 MQAというフォーマットのおかげなのかも知れないけど、空間の伝わり方が違いますね。これも面白い。
ーーエネルギーが乗ってくる感じがありますね。一方でレコードは濃い感じというか、炎が広がるみたいな熱気を感じます。
山本 うん、レコードはやっぱり音がいいんだ。いまレコードが改めて注目されている理由がよくわかりました。ところで、このレコードプレーヤーは最後まで再生すると自動で針が上がるんだね。今時はみんなこういうふうになっているの?
吉田(ティアック) オートリフトアップ機能がついたプレーヤーは、むしろ珍しい方だと思います。ですからレコードを聴きながら寝落ちてしまっても安心です(笑)。実はこれはトーンアームにもこだわっていまして、サエクさんの「ナイフエッジ」機構を採用した、とても精度の高いアームを搭載しています。レコードの音溝に刻まれたすべての情報を引き出せるように作られています。
ーーステレオだからこその完成度の高さも感じますね!
山崎(evosound) 実は4月にシカゴで開催されるAXPONAのオーディオショウでも、この盤を紹介していただく予定になっています。LINKWITZというスピーカーブランドのブースです。日本もそうですが、いまアメリカ、それに東南アジアでも山本さんの人気はすごく高まっているんです。
ーー和ジャズは録音クオリティのレベルも高くて、海外のオーディオショウなどで再生するとびっくりされる、というお話も伺ったことがあります。アメリカでも山本さんがますます人気になりそうですね。
ーー改めて聴き比べの感想、いかがでしょうか?
山崎(evosound) なんというか、今までなんとなく違いはあるんだろう、と思っていたのですが、ここまでわかりやすく違いがあると驚きです。evosoundがいろんなフォーマットを出すことの意味が改めて深く納得できました。
山本 「違いのわかる男」ってことだね。そう言うのもかっこいいよ。
吉田(ティアック) 音楽制作の方にそう言っていただけると、ハードウェアメーカー冥利につきます!フォーマットの違いをしっかり出せているんだと自信につながります。
ーーこれがイマーシブだとどうなるか、ますます楽しみになってきました。
山崎(evosound) 映像ディスクの方には、AURO-3Dとドルビーアトモスを収録予定です。ちょうどいま仕上げの作業に入っているところです。さらに、96kHz/24bitのステレオ音源も収録します。
山本 イマーシブは俺も楽しみなんだよ。もっとすごくなるんだろうね。ドラムの中に入ったみたいになっちゃったりして(笑)!
ーーイマーシブでの聴き比べもぜひ実現したいですね!本日はありがとうございました。
昨年9月、evosoundレーベルより最新アルバム『ア・シェイド・オブ・ブルー』(A SHADE OF BLUE)が発売された。コロナ禍の最中、2021年9月に五反田文化センターにて収録され、イマーシブオーディオの第一人者である入交英雄氏が録音エンジニアを担当している。録音クオリティの高さはもちろん、MQA-CD、SACDハイブリッド盤、レコードなど複数のフォーマットで発売されており、オーディオのシステムチェックにも活用できる作品である。
今回は、ティアックのCD&レコードシステムを準備して、山本 剛さんとプロデュース担当・evosoundの山崎賢太郎さんと一緒に『ア・シェイド・オブ・ブルー』の聴き比べを実施。ピアニストの耳にはレコードとCDの違いはどんなふうに感じられるのか、たっぷり語っていただいた。
ほぼ一発録りで収録されたジャズ・トリオ・アルバム
ーー今回はお時間をいただきありがとうございます。山本 剛さんといえば、オーディオファンの間ではTBMレーベルの『ミスティ』(1974年)が大変有名ですが、現在も積極的にレコーディングやコンサート活動を続けていらっしゃって、音楽ファンにたくさんのエネルギーを届けてくれています。今回は、昨年発売になりました最新アルバム『ア・シェイド・オブ・ブルー』をCDとレコードで聴き比べたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
山本 こちらこそよろしくお願いします。
ーーまずはアルバムのコンセプトについて教えていただけますか?
山崎(evosound) その点は、私の方から説明いたします。evosoundは香港に拠点を置くレーベルですが、音質や画質クオリティに非常にこだわった作品作りを行っています。今回、オーディオファンに人気の高い日本人ピアニストで作品を作りたい、となった時に、山本 剛さんのお名前があがりまして、お声かけさせていただきました。
2022年にはボブ・ジェームスで『フィール・ライク・メイキング・ライヴ!』というアルバムを制作いたしました。こちらもイマーシブフォーマットで録音したのですが、世界各国で非常に好評で、ぜひ日本発の企画としてやりたい、という思いもあったのです。
『ア・シェイド・オブ・ブルー』もMQA-CD、SACDハイブリッド盤、レコード、それからBlu-ray、Ultra HD Blu-rayでのリリースを予定しております。昨年発売になったのはMQAとSACD、レコードの3種類で、こちらはステレオで収録されています。今年春に映像作品としてもリリース予定で、こちらはイマーシブでの収録を予定しています。
ーー映像コンテンツも楽しみですが、今日はまずステレオでの音質チェックですね。山本さんは、この時のレコーディングで印象に残っていることはありますか?
山本 ほとんど一発録りでやったんだよね。ベースの香川(裕史)さんもドラムの大隅(寿男)も長くやっているメンバーだから、気心が知れているというのもありますが、なにより2回やると鮮度が落ちちゃうんだよ。
山崎(evosound) そうなんです。やり直しもほとんどなくて、私もとてもびっくりしました。リハーサルもやりますが、収録する曲はやらないんですよね。
山本 そう。録音チームのサウンドチェックは必要なんだけど、そこで(本番の曲を)やっちゃうと、終わっちゃう感じになるの。その日その日で演奏の内容は違うから、一発でやったほうが絶対いいものができるんだよね。
ーー今回の作品も、一発録りだからこそのフレッシュな空気感が詰まっているように思います。
山本 ミスももちろんないわけじゃないんだけどね、それをミスと考えないんです。“その時にしかできない演奏をする”、ということをいつも考えています。
ーー2021年にはレコードのダイレクト・カッティングにも挑戦されていましたが…。
山本 あれは大変だった(笑)。途中でやめられないからね、あれは本当に大変だったけど、それに比べるとこの時はもっとリラックスした感じでやれたかなぁ。
レコードとCD、それぞれの音の違いを体験
ーー今回はティアックのCDとレコードの再生システムをご用意しています。CD再生は、CDトランスポートの「VRDS-701T」とUSB-DAC「UD-701N」、レコード再生は「TN-5BB」とフォノイコライザー「PE-505」を組み合わせています。カートリッジはデノンのMCカートリッジ「DL-103」ですね。早速1曲聴いてみましょうか。まずはTr.3の「ザ・ウェイ・ウィー・アー」をレコードとCD(SACDハイブリッド盤のCDレイヤー)で聴き比べましょう。
♪Tr.3「ザ・ウェイ・ウィー・アー」
山本 これは2回目に録ったやつなんだっけ。
山崎(evosound) そうですね。基本的にはアルバムの順番に収録しましたが、これだけは2回録って、2回目に録った方が収録されています。
山本 どちらもすごくいい音だと思うけど…レコードの音の太い感じ、すごくいいね。針で擦っているのとデジタルで拾っているのと、それぞれの違いがあるんだと思うけど、これを聴くとレコードの音の良さがよく分かるね。
ーー次は山本さんの代表曲、「ミスティ」聴いてみましょうか。
♪Tr.9「ミスティ」
山本 いやぁ、改めて聴き返すといろんなことやってるなーって思うね。いいオーディオ装置で聴いているから、細かいところまでしっかり見えてくる感じもする。
ーーこちらは一発でOKが出たテイクなんですよね。
山本 これはCDもいいね、ニュアンス感がすごく出てくる感じ。いま録音した日のことを思い出してきたよ。「ミスティ」はいままで何百回って演奏していると思うんだけど、これはなかなか斬新だね。ドラムがドンって始まってから俺が出てくる。その時は自然だったんだけど、改めて聴き返して「こんなことやってたんだ〜」って発見があるね。
山崎(evosound) 収録当日も、4曲目くらいから演奏がぐっと良くなっていったんですよね。ちょっとお酒も入っていたんですけど、それもあってどんどんエンジンがかかっていったというか。
山本 あの日はカメラも入っていたから、最初はそれも意識していたところはあったよね。
吉田(ティアック) このCDトランスポートは、昨年春に発売になった製品です。このご時世にいまさらCD再生機かよ、という意見もあったのですが、私たちはCDもまだまだいい音で聴けますよ、ということを繰り返し言っています。新作も発売になりますし、過去に集めてきたコレクションをお持ちの方もたくさんいます。CDはそう簡単に劣化しませんので、その中に収められている情報量をいかに引き出すか、ということにこだわって作りました。
ーー録音がいいからこそ空気感の違いなどもとてもよく見えてきますね。この時はなんのピアノを使っていたのですか?
山本 これはスタインウェイですね。響きもすごくいいですし、ホールの残響音もとても綺麗に録れています。
山崎(evosound) イマーシブで録る、というのも今回の大きな目的でしたから。
山本 その目的の通りに録れてる感じがあるね。改めてこうやって聴くと、すごくオーディオも進化しているんだねぇ。
吉田(ティアック) ブラシワークがすっと消えて、空間が見えてくるところはゾワゾワきましたね。その後またブラシが戻るところも胸にグッときます。空間表現力というか、CDの凄みを改めて感じました。
ーー現場の空気がそのまま戻ってくるみたいな感じがしますね。
MQA-CDもデコードして再生。空間の伝わり方に違いあり
ーー次はMQA-CDをMQAデコードして聴いてみましょう。ふつうのCDでは、44.1kHz/16bitのフォーマットで収録されているのですが、MQA-CDでは96kHz/24bitのハイレゾフォーマットが“折り畳まれて”入っています。このティアックのCDトランスポートとDACでは、ハイレゾのデータがそのまま再生できます。
山本 ちょっと元気のいい曲を聴いてみようか。「ラストタンゴ・イン・パリ」、これはマーロン・ブランドの映画の主題歌なんだよね。
♪Tr.8「ラストタンゴ・イン・パリ」
山本 MQAというフォーマットのおかげなのかも知れないけど、空間の伝わり方が違いますね。これも面白い。
ーーエネルギーが乗ってくる感じがありますね。一方でレコードは濃い感じというか、炎が広がるみたいな熱気を感じます。
山本 うん、レコードはやっぱり音がいいんだ。いまレコードが改めて注目されている理由がよくわかりました。ところで、このレコードプレーヤーは最後まで再生すると自動で針が上がるんだね。今時はみんなこういうふうになっているの?
吉田(ティアック) オートリフトアップ機能がついたプレーヤーは、むしろ珍しい方だと思います。ですからレコードを聴きながら寝落ちてしまっても安心です(笑)。実はこれはトーンアームにもこだわっていまして、サエクさんの「ナイフエッジ」機構を採用した、とても精度の高いアームを搭載しています。レコードの音溝に刻まれたすべての情報を引き出せるように作られています。
ーーステレオだからこその完成度の高さも感じますね!
山崎(evosound) 実は4月にシカゴで開催されるAXPONAのオーディオショウでも、この盤を紹介していただく予定になっています。LINKWITZというスピーカーブランドのブースです。日本もそうですが、いまアメリカ、それに東南アジアでも山本さんの人気はすごく高まっているんです。
ーー和ジャズは録音クオリティのレベルも高くて、海外のオーディオショウなどで再生するとびっくりされる、というお話も伺ったことがあります。アメリカでも山本さんがますます人気になりそうですね。
イマーシブフォーマットにも期待大
ーー改めて聴き比べの感想、いかがでしょうか?
山崎(evosound) なんというか、今までなんとなく違いはあるんだろう、と思っていたのですが、ここまでわかりやすく違いがあると驚きです。evosoundがいろんなフォーマットを出すことの意味が改めて深く納得できました。
山本 「違いのわかる男」ってことだね。そう言うのもかっこいいよ。
吉田(ティアック) 音楽制作の方にそう言っていただけると、ハードウェアメーカー冥利につきます!フォーマットの違いをしっかり出せているんだと自信につながります。
ーーこれがイマーシブだとどうなるか、ますます楽しみになってきました。
山崎(evosound) 映像ディスクの方には、AURO-3Dとドルビーアトモスを収録予定です。ちょうどいま仕上げの作業に入っているところです。さらに、96kHz/24bitのステレオ音源も収録します。
山本 イマーシブは俺も楽しみなんだよ。もっとすごくなるんだろうね。ドラムの中に入ったみたいになっちゃったりして(笑)!
ーーイマーシブでの聴き比べもぜひ実現したいですね!本日はありがとうございました。
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