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上位機のエッセンスを受け継ぐ4製品を比較視聴

アナログプレーヤー「30万円以下」厳選4モデル一斉レビュー。REGA/ELAC/ティアック/テクニクスの注目機を聴く

公開日 2024/03/06 06:30 生形三郎
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■「15万円以上30万円以下」アナログプレーヤーを聴き比べレビュー



15万以上30万円以下で購入できるハイミドルクラスのアナログプレーヤーを一斉試聴
アナログプレーヤーの音質精度は、機器の価格とダイレクトに比例するが、本稿で取り上げる「15万円以上30万円以下」のゾーンでは、各社のミドルクラス/ハイミドルクラスのアナログプレーヤーが並ぶ価格帯へと突入する。

ハイエンドモデルから高音質技術を継承したプレーヤーや、ブランド内でも上位に位置するモデルが登場してくるのが特徴だ。基本的にフォノイコライザーやカートリッジは別途必要となるモデルも増えてくるため、好みのアイテムを組み合わせてユーザー自身で音の傾向を作っていく、オーディオならではの楽しみに応えてくれる製品が主軸となってくる。

今回の4機種の試聴にあたっては、レファレンスシステムとして、スピーカーにKEF「R3 Meta」、カートリッジにはオーディオテクニカ「AT-VM95SH」(カートリッジが付属しないモデルに使用)、フォノイコライザーアンプにフェーズメーション「EA-220」を使用した。


試聴では、KEFのスピーカー「R3 Meta」をはじめ、オーディオテクニカ「AT-VM95SH」やフェーズメーション「EA-220」を使用した

■REGA「Planar 3 MK2 with Exact」試聴:「音楽の内容が掴みやすい音」




REGA 「Planar 3 MK2 with Exact」 165,000円(税込)
英国Regaの中核機となるミドルクラス・プレーヤー。同社ならではのシンプル、かつ軽量なスタイルを踏襲したベルトドライブ機となっている。耐久性やワウフラッター特性に優れる、フラグシップモデルにも採用されている「Advanced EBLT Drive Belt」 を装備するほか、パイプのテーパー処理が美しいオリジナルのストレート型トーンアームを搭載する。


Planar 3 MK2 with Exactのカートリッジ部

Planar 3 MK2 with Exactのトーンアーム/ウェイト部
筐体はMDF材をベースに、それをアルミプレートとフェノール材で挟み込むダブルブレイズ構造によって振動をコントロール。ガラス製のプラッターがスタイリッシュなほか、スタート/ストップボタンを備えるコントローラー兼電源部が別筐体となっているなど、本格派の仕様を採る。本モデルは同社製MMカートリッジ「Exact」が付属するモデルで、ほかに、同じくMM型カートリッジ「Elys2」付属モデルやカートリッジレスモデルも用意されている。


Planar 3 MK2 with Exactの電源部
フラットな音色バランスが基調ながらもエネルギッシュ
そのサウンドは、エネルギッシュかつ賑やかで、直線的なエネルギーの伝わり方が楽しめるものだ。ピアノの打鍵やシンバルのアタックが明瞭に伝わり、積極的に音がこちらへと飛んでくる様が快い。

各楽器要素がイーブンに見渡せるフラットな音色バランスを基調としながらも、全体的にやや明るめの印象で、旋律の動きや演奏の細部がよく見える。音楽の内容が掴みやすい音に仕上げられていることが魅力だ。


Planar 3 MK2 with Exactの音質傾向

■ELAC「MIRACORD 60」試聴:「演奏が立体的に立ち上がる」




ELAC 「MIRACORD 60」 198,000円(税込)
ELACはスピーカー開発で高名だが、かつてMM型カートリッジのパテント取得や自動演奏機構を持つアイドラードライブ式プレーヤー「MIRACORD」のヒットで名を馳せたブランドでもある。2016年に創業90周年記念モデル「MIRACORD 90」をリリースしてプレーヤー製造を復活させたが、本機はフラグシップモデルのコンセプトを引き継ぎながらも可能な限りリーズナブルな価格を目指して開発されたミドルクラスモデルとなる。


MIRACORD 60のヘッドシェル部。付属カートリッジはなし

MIRACORD 60のトーンアーム/ウェイト部
駆動方式はベルトドライブを採用し、プラッターはアルミダイキャスト製。カーボンファイバーを使用したストレートアームは、専用ヘッドシェルを搭載しておりカートリッジ交換が容易な仕様となっている。


MIRACORD 60の背面端子部/電源端子部
上質な質感描写はそのままに豊かな躍動感も備える
潤い豊かでシルキーな再生質感が快いプレーヤーである。きめ細やかな描写で、同じカートリッジを使っても、プレーヤーによってここまで異なる音が楽しめるということを実感させてくれる。オーケストラソースは、弦楽器がビロードのような滑らかな質感で特に心地よい。

ロックミュージックでも、音色の上品さと上質さはそのままに、それぞれの楽器が解けて重なり合う開放感や躍動感を存分に楽しませる。エネルギッシュさが魅力のジャズのピアノトリオソースでも、それぞれの楽器の輪郭がしっかりと描き出されながらも、音が硬くならず、躍動感も豊かに音楽演奏が立体的に立ち上がる様に感心させられる。


MIRACORD 60の音質傾向

次ページ ティアック「TN-5BB」、テクニクス「SL-1200GR2」をチェック

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