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公開日 2007/01/11 15:35

<折原一也のCES2007レポート>【次世代TV編】未来の技術を採用したテレビたち

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CES2007の会場では、液晶・プラズマといった現行方式のテレビの展示が人気を集めていた一方で、将来の技術を採用したテレビの試作機も見ることができた。ここでは注目の4つの展示を紹介しよう。


ソニーの有機ELテレビは小型超精細を実現

今回CES会場で展示されていた製品のうち、もっとも次世代のテレビとして注目されていたのがソニーの有機ELを採用したモニタだろう。27型のフルHD、11型HDパネルの2製品で、製品化も決まっていない段階だったが、コントラスト比1,00,000対1以上、明るさは全白で200カンデラ、ピークで600カンデラという強力なスペックを誇る。10ビット処理される色彩は鮮烈で、一目見て圧倒されるほどの精細感、そして奥行き感が出ている。まだ研究所段階の製品でコストについても分からない段階だったが、将来の実用化に期待したい製品だ。

有機ELは小さな画面に鮮やかで高精細な映像を表示でき来場者を驚かせていた

デザインは現時点でも奥行きが非常に薄くコンパクト。TVチューナーを搭載する予定で端子が付けられている


圧倒的な色域を再現するレーザー光源SXRDリアプロ


レーザー光による色表現は、従来難しいと言われていた赤色も圧倒的な艶のある色が再現できていた
ソニーが展示していたSXRDデバイス採用製品のうち、レーザー光源を採用しているリアプロジェクションテレビは、異彩を放っていた製品の一つだ。係員の話によると、「レーザー光源は光源としては非常に純度が高く、今まで純度が高いと言われていたLEDよりも遙かに良い色が出せる」もので、「単色のためフィルターなどを通さなくても使用できるなど、高いポテンシャルを持った光源である」という。

その一方で「レーザーの出力はリアプロジェクションテレビの光源として必要な、出力の安定をコントロールすることが難しく、今回ようやく展示できる段階まで改善が進んだ」とのことだ。

実際の映像は、深みのある高い色再現が特長的。今までに見たこともないような色彩を実現しており、今後の動向が楽しみだ。


シャープの64V型4k2k液晶テレビ


一目見て本当に解像度の高さを感じさせる映像は、フルHDの次の世代を視野に入れたものだ
シャープ・ブースの奥のスペースには、液晶を使った64型の4k×2kスーパー高解像度パネルの展示が行われていた。これはハリウッドのデジタルシネマで使われる解像度を液晶で実現したもので家庭にすぐ導入されるようなものではないため、フルHDを超える解像度の可能性を示した「技術展示」として見るべきものだろう。

映像は4k×2kのソースを表示していたことだけあって、細部のドット一つ一つまで情報が詰め込まれており目で見て圧倒されるほどの高精細な映像を実現している。この展示を見れば、液晶のリーディングメーカーである同社の技術の高さがよく伝わるはずだ。


ビクターのLEDリアプロ「LED HD-ILA」

ラスベガス市内のホテルで開催されたビクターのプライベートショーで、フィルム映像の表現に特化した「LED HD-ILA」が展示されていたのを改めて紹介したい。

これは同社が将来の技術を展示する撮影禁止エリアに展示されていたもので、HD-ILAデバイスを採用する同社のリアプロジェクションテレビの光源にLEDを採用した研究所レベルのモデル。色純度の高いLEDを採用したことによって、非常に高いレベルの映像の表示を可能としている。

展示されていた試作機は映画フィルムの再現に特化した調整を行ったもので、黒色再現性の向上が非常に顕著で、映画のフチの部分はまさに漆黒の黒が再現できていた。デモ映像に使われた『バットマンビギンズ』は特に暗部ディテールのしっかりと乗っている映像だが、暗闇のなかの微かな動きをしっかりと見て取ることができた。コントラスト比の測定値は「D-ILAプロジェクタのDLA-HD1と比較して少なくとも桁一つは上を行くコントラスト比が出ている」とのことで高画質を印象付けられた展示であった。


将来の画質向上に期待は高まる

本項で紹介した技術は、まだ実用化されるかどうかも分からない段階のものだが、どれも現在発売されている液晶・プラズマなどのテレビとは比べものにならないほど高い画質を実現しているものばかりだ。薄型大画面テレビの画質は毎年進歩を続けてきており、近年はフルHDの達成によってかなり高水準に進化した印象を持っていたが、それを遙かに上回る画質をこれらのディスプレイは見せてくれた。もちろん液晶やプラズマの画質も、日々進化を続けている。より高画質な製品の登場に期待し、ハイクオリティを目指して製品開発を続けるメーカーを応援していくことにしよう。

(折原一也)

ces2007

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