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公開日 2009/07/08 18:05

三洋、iVDRに録画可能な3波チューナー“repoch”を発売

今秋のアップデートでアクトビラにも対応予定
Phile-web編集部
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三洋電機コンシューマーエレクトロニクス(株)は、iVDR-Sへの録画も可能な地上・BS・110度CS対応デジタルチューナー“repoch(レポック)”「IVR-S100M」を9月1日より61,950円(税込)で発売する。

IVR-S100M

背面の様子

本製品は、iVDR-Sへの録画に対応したデジタル3波チューナー。iVDRに対応している点とA5サイズというコンパクトな筐体が特徴。コンポジットとアナログ音声出力に加え、1080iまで対応のHDMI端子を1基装備しているため、アナログテレビとデジタルテレビ双方で利用できる。

アナログテレビに接続したところ

カラーはホワイトのみで、日立マクセル製の容量160GBのiVDR-Sが1台同梱される。録画フォーマットはMPEG-2 TSで、画質はHDとSDから選択可能。再生に関してはMPEG-2とMPEG-1、H.264フォーマットに対応している。なお、iVDRスロットを備えたWoooで録画したコンテンツを本機で再生することもできる。

外形寸法が約230W×41H×170Dmm、質量が約800gと小型軽量で、同梱のスタンドを使用すれば縦置きでの設置も可能。すでにデジタルテレビを所有しているユーザーは本機をデジタルハイビジョンレコーダーとして使用できる。

同梱のスタンドを使用しての縦置きも可能

録画リストを表示させたところ

EPGからの予約録画にも対応しており、よく使う操作を一発で起動可能なリモコンも付属する。また、今秋の放送波アップデートで「アクトビラ ビデオ・フル」「アクトビラ ビデオ」「アクトビラ ベーシック」にも対応する予定だ。

本機のリモコン

本日都内で行われた発表会では、同社車載機器事業部 事業推進部 部長の佐々木慶宏氏が製品説明を担当。「新時代を意味する“epoch”と録画の“recording”を組み合わせた造語」と“repoch”という製品名の由来をコメント。「デジタル新時代のコンテンツを保存する機器という意味が込められている」と言葉を続けた。

三洋電機コンシューマーエレクトロニクス(株)車載機器事業部 事業推進部 部長 佐々木慶宏氏

また、日本国内のアナログテレビ保有台数が2009年時点で4,000万台で、2011年のアナログ完全停波後もその数は2,000万台程度残るという市場予測を発表。そして、2011年になってもデジタルチューナー搭載機器の台数は470万台程度という予測にも触れ「アナログ停波後は1,200万台が放送を受信できなくなるかもしれない」という見通しを示した。さらに、まだ使えるのに放送を受信できないテレビが大量に発生する状況を「もったいない」とも表現した。

2011年には「使えるのに放送を受信できないテレビ」が1,200万台にると予測

続けて佐々木氏はデジタル化が進むコンテンツの現状についても言及。ネットワーク経由でのコンテンツ視聴など多様化が進む一方で、著作権管理も高度化し、ライトユーザーに「めんどくさい」という感情を抱かせてしまうのではないかとも危惧する。その上で佐々木氏は、「こうした“もったいない”と“めんどくさい”について三洋電機が考えた答えが本製品だ」とコメントした。

アナログテレビを今後も大切に使いたい人、2台目や3台目のテレビにシンプルなレコーダーを欲している人、そして一人暮らしでシンプルなものがあれば充分だというようなユーザーをターゲットにしている

そして、iVDR対応デジタルチューナーの今後の展望についても言及。デジタル放送チューナーと録画、そしてiVDR技術の実用化を実現した本機を第1世代とし、第2世代でブロードバンド接続を利用しオンデマンド機能を持つ家庭用サーバーへ進化させ、第3世代でメディアが外せるHDD、大容量性、家庭内ネットワークのサーバーへ進化させるというロードマップを示した。

iVDR対応機についてのロードマップ

また、発表会には製品に同梱されるiVDRの製造元である日立マクセル(株)から、コンシューマ販売事業部 商品部 主任技師の黒田一典氏も出席。iVDRメディアの特徴とともに、今後の展望などについて語った。

日立マクセル(株)コンシューマ販売事業部 商品部 主任技師 黒田一典氏

黒田氏は冒頭で、著作権保護技術「SAFIA」対応によりハイビジョン映像をそのまま録画し持ち出せる世界で唯一のリムーバブルHDDであることなど、iVDR-Sの利点を改めて説明。ISO/IEC国際標準規格として年内に採用される予定であることから、テレビやパソコンのみならず他の機器にもiVDRスロットが採用される可能性があることも明かし、「iVDRは誰にでも使えて、“つながる”メディア」だと製品の優位性を改めてアピールした。

様々な機能を持ちながらも簡単に使えるメディアであることを説明

テレビやパソコンなど様々な機器とつながるメディアだとアピール

また、DVDやBDなどのディスクメディアともiVDRは共存できるという考え方も披露。長期保存性に優れるディスクメディアはアーカイブに適している一方で、大容量で高速アクセス可能なiVDRは日常の映像管理や編集に適しているとし、「iVDRとディスクメディアはニーズによる使い分けの時代に入ってくるだろう」とコメントした。

ディスクメディアとiVDRは共存するものであるとの考え方を示した

そして、黒田氏はDLNA環境の普及が進んでいることや電子ペーパー搭載iVDRも2010年春に登場予定であることなど、iVDRの利用環境がますます整ってきていることに触れ、「iVDRは今後さらなる普及が見込まれる」とコメント。「マクセルは、今後もハードメーカーとの戦略的なタイアップも視野に入れ、iVDRビジネスの拡大をメディアメーカーとして強力にサポートしていく」と語った。

周辺機器も今後さらに充実する予定


以下、質疑応答の様子をお届けする。

Q.今後iVDR対応テレビを出すなどの予定はないのか。
A.テレビについては事業部が異なりコメントできる立場にないので、本日は回答できない。

Q.HDD容量を160GBにした理由を教えて欲しい。
A.一般的に家庭で利用する分にはこれくらいで充分なのではないかと考えた。こうした観点と価格とのバランスも加味しながら決定した。

Q.今後のアップデートでアクトビラに対応するということだが、「アクトビラ ビデオ・ダウンロード」には対応しないのか。
A.当初はダウンロードには対応していないが、対応への検討もロードマップに入れている。なお、ダウンロード対応はアップデートなどでなく、次の世代の商品化ということで検討している。

Q.iVDRの普及に関する戦略を聞かせて欲しい。
A.iVDRコンソーシアムへの参加企業も海外からも増えてきている。メディアを採用して頂けるハードメーカーへ訴えを行っている。

Q.この商品はあくまで「チューナーの付加価値モデル」という位置づけだと思うが、録画機能もあるということで、店頭ではどの売り場に置かれることを想定しているのか。
A.チューナーということだが、レコーダー機能もあるので、どの売り場に置くのかなどは販売店の判断だと思っている。

Q.iVDR対応テレビを発売している日立との連動したプロモーションなどは考えているのか。
A.具体的な話は現時点ではない。一緒にiVDRを立ち上げてきた間柄なので検討していく価値はあるアイディアだと思う。

Q.本製品の海外展開は考えているのか。
A.国際規格になりつつあるメディアなので、海外展開も視野にいれながら事業化をしていきたい。ただ、時期についてはまだ未定だ。

Q.DVDなどと比べてしまうとメディアとしての普及は今ひとつだと思う。こうした状況をiVDRは打破できると考えているか。
A.光メディアが入っているレコーダーはHDDも内蔵している。本機はHDDだけなのでコンパクトにでき、低価格化も実現しやすい。BDレコーダーなど立派な機器も必要だと思うが、ハイビジョン対応している点から2台目、3台目需要などでこうした製品も必要とされると思う。

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製品スペックを見る
  • ジャンルその他
  • ブランドSANYO
  • 型番IVR-S100M
  • 発売日2009年9月1日
  • 価格¥61,950(税込)
●端子:HDMI(1080i/720p/480p)、コンポジット、音声出力(アナログ)、LAN ●消費電力:約18W ●本体外形寸法:約230W×41H×170Dmm(突起部含まず) ●本体質量:約800g
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