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公開日 2009/09/28 18:16

パナソニック、50V型の新PDPを使った3Dシステムを公開 − 蛍光体やLSI、アルゴリズムなど新開発

CEATECでの公開に先駆けメディアに披露
Phile-web編集部
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パナソニックは本日、大阪のパナソニックプラズマディスプレイ(株)にて、メディア向けにPDP技術開発に関するセミナーを開催。10月6日より開催される「CEATEC JAPAN 2009」に出展予定の3D映像再生システムのデモなどを実施した。

同社の3D映像再生システムは、フルHDの映像をそのまま2ch収録し、60pで交互に表示するフレームシーケンシャル方式を採用。視聴の際には赤外線で信号を同期して左右を切り替えるアクティブシャッター方式の3Dメガネを使用する。これまでにもCES 2009やIFA2009などで披露されているが、それらの会場ではディスプレイサイズが103V型だったのに対し、今回は50V型プラズマを使用。一般家庭での使用を考慮したシステムでデモがを行った。

50V型ディスプレイを使用し家庭用としても現実的なシステムに仕上げた

プレーヤー部にはメガネとの信号を同期させる送信機が。製品化の際には内蔵させる可能性もあるとのこと


アクティブシャッター式のメガネを使用する

セミナーに出席したパナソニック AVCネットワークス社 技術統括センター高画質高音質開発センター所長の宮井宏氏は、「我々が採用するフレームシーケンシャル方式は3D映画を上映する劇場と全く同じシステム。これによって劣化のない正しい3D映像を家庭で再現できる」とコメント。様々な方式がある3D映像の中での同社の優位性を説明した。

パナソニック AVCネットワークス社 技術統括センター高画質高音質開発センター所長 宮井宏氏

フルHD映像を左右それぞれの眼用に2チャンネル使用

宮井氏は続けて「3Dで特に重要になってくるのが、劇場品位の奥行き感と実物の質感、リアリティ。遠方の奥行き感をいかに描くかが重要になる」と説明。最近の研究成果で3Dは2Dよりも質感が出ることが分かったとし、「質感」というキーワードを重要視していると述べた。

奥行き感や質感を高めた「劇場品位の3D」を追求したという

そして「3Dの奥行き表現は画面サイズが大きくなるほど広がる。プラズマは大画面化が容易という特徴があり、そうした観点からプラズマは3D表示に最適なデバイスだと考えている」と語り、「その上で家庭用のボリュームゾーンが見込めて、なおかつリビングでも充分な奥行き感が得られるサイズとして50V型のシステムを開発した」と説明した。

さらに質感表現についてはプラズマの「超高速表示技術」を新たに開発したとコメント。右眼用と左眼用との各映像を切り替える際に残像が発生し、二重像(クロストーク)となってしまい高品位の立体視ができないという従来の課題を、同技術によって最小化したと宮井氏は説明する。

また、視聴に用いる3Dメガネについても改良を重ねていると説明。高遮断特性を持たせることで漏れ光を最小限に抑制し、消光比1,000対1以上を実現したことや、シャッターの開閉タイミングに「高精度タイミング制御方式」を採用したことを明かす。左右が一緒に開閉するような形だった従来のシステムから、左右を独立開閉させることでプラズマの発光パターンに最適化したという。

アクティブシャッター方式の説明図

次ページさらなる技術詳細も明らかに - 2D映像の高画質化も実現

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