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公開日 2010/01/10 19:04
【CES】メタデータとDLNAを武器にメディアポータルの覇権を狙うRovi「TotalGuide」
様々なメディアを一元管理
CESが行われているラスベガスにおいて、米Roviの日本法人である(株)ロヴィのVPオブセールス 出口雄一郎氏に、同社の今後の主力製品となるTotalGuideの戦略について取材を行うことができたため、そのレポートをお送りする。
Roviの前身は、アナログコピーガードで有名な、あのマクロビジョンだ。今から4年ほど前、デジタル時代に対応できる会社に変わる必要があると決意した社長が、戦略を大きく転換し、その新たな目的のため、次々に4つの会社を買収したという。
最初に買収したのはDLNA技術を持つ会社「Mediabolic」。続いて、商用で世界最大の音楽、映画などのメタデータ データベースを持つAMG。そして、EPG技術を持つGemstarと、ヨーロッパ関連の強力なメタデータを持つMuseを買収した。さらに、日本のAMG代理店であるレインボー・パートナーも買収している。
これらを組み合わせて構築したシステムが「TotalGuide」。このTotalGuideは、同社が社名を変更した2010年7月に発表している。TotalGuideの目的は、放送、インターネット、家庭内のメディア情報を統合管理し、検索できるようにすることにある。
メインターゲットとするメディアデバイスは、現時点ではテレビ、BDプレーヤー、ビデオレコーダーだという。BDプレーヤーはテレビ放送に関するデータを直接必要としているわけではないが、TotalGuideシステムは、必ずしもすべてのメディアに対応するわけではなく、インプリメントする機器の種類ごとに、必要なデータだけを提供することができるという。
現在のスケジュールとしては、2010年4月ごろに欧米向けにリリースし、そこから実際に機器へのインプリメントをはじめるという。そのため、実際の機器の登場は2011年春ごろからになる予定。日本向けには、欧米向けのリリースに続いて対応をはじめるという。
TotalGuideの特徴は、従来はコンテンツプロバイダーやメディアごとに検索しなければならなかった作品情報を、網羅的に検索、表示できることだ。これは同社が膨大なメタデータを備えているからこそ可能なことだ。
EPGから表示できる作品情報は、DVDやBDソフトでよく見かけるような、登場人物やキャスト情報にまで及んでいる。テレビ番組に関して、ここまで深い情報が表示できるサービスはこれまでにない。
さらにEPGのなかに広告を折り込むなど、これまでにない番組宣伝ができるようになっている。日本のGガイドでも番組表の端に広告が表示されるが、それとは異なり、ダイレクトに番組を宣伝する手法がとられ、より宣伝効果の高いものとなっている。
ちなみに同社にはアメリカのCATV局向けに広告を制作するセクションがあり、動画広告の制作ノウハウをすでに持っている。そのため、EPGの広告からリンクする、ダイナミックな動画広告を制作することが可能だという。
TotalGuideでは、VODをどう扱うのだろう。これまでのVODサービスでは、タイトル表示がやや単調になりやすく、ユーザーが目的とするものを見つけにくい面があるが、TotalGuideではこれを解消するために、いくつかのアプローチを用意している。まず、「HotList」はその時点で人気のあるもの、「Just Added」は最近、追加されたものを表示する。、
これらはすでに多くのシステムで採用されているものだが、TotalGuideではこれ以外にもアプローチを用意している。まず「For you」ではユーザーの利用傾向を学習し、そのユーザーが好みと思えるものを表示してくれる。
さらに「My Friend」はソーシャルネットワークサービスと連携し、友達として登録している人がおすすめしているタイトルを表示することができる。また、ユーザーが自分でタイトルに評価をつけることもできる。
また、変わったところでは、「Similar」表示がある。これは類似タイトルを表示するというもので、たとえば「CroverField」からSimilarを表示すると、「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」、「ゴジラ」、「REC」などが表示される。単純にホラー、スリラーなどのジャンルからだけでなく、作品の内容から類似したコンテンツを検索できる、高度な検索機能だと言える。これも膨大なメタデータを持つ同社ならではだ。
ちなみに同社はコンテンツプロバイダーにもメタデータを提供しており、データの提供に関しては相互的な関係にあるなど、強力な体制を持っているという。
現時点ではDLNA部分は完成していないため、デモを見ることはできなかったが、前述した部分だけでも十分、これまでにないユニークな技術になっている。
テレビというリビングの中核になるもので、テレビ放送、VOD、家庭内メディアコンテンツを1つのインターフェースから扱うことができるというTotalGudeのアプローチは、成功すれば、膨大な数のメディアポータルになれる可能性を持っている。まさにメディアコンテンツ界のGoogleのようなものだ。
その野心的な試みが成功するかどうかは現時点では未知数だが、このサービスの実現には同社の持つ膨大なメタデータが背後にあるため、他社が容易にまねできるものではないだろう。TotalGuideの今後は要注目だ。
Roviの前身は、アナログコピーガードで有名な、あのマクロビジョンだ。今から4年ほど前、デジタル時代に対応できる会社に変わる必要があると決意した社長が、戦略を大きく転換し、その新たな目的のため、次々に4つの会社を買収したという。
最初に買収したのはDLNA技術を持つ会社「Mediabolic」。続いて、商用で世界最大の音楽、映画などのメタデータ データベースを持つAMG。そして、EPG技術を持つGemstarと、ヨーロッパ関連の強力なメタデータを持つMuseを買収した。さらに、日本のAMG代理店であるレインボー・パートナーも買収している。
これらを組み合わせて構築したシステムが「TotalGuide」。このTotalGuideは、同社が社名を変更した2010年7月に発表している。TotalGuideの目的は、放送、インターネット、家庭内のメディア情報を統合管理し、検索できるようにすることにある。
メインターゲットとするメディアデバイスは、現時点ではテレビ、BDプレーヤー、ビデオレコーダーだという。BDプレーヤーはテレビ放送に関するデータを直接必要としているわけではないが、TotalGuideシステムは、必ずしもすべてのメディアに対応するわけではなく、インプリメントする機器の種類ごとに、必要なデータだけを提供することができるという。
現在のスケジュールとしては、2010年4月ごろに欧米向けにリリースし、そこから実際に機器へのインプリメントをはじめるという。そのため、実際の機器の登場は2011年春ごろからになる予定。日本向けには、欧米向けのリリースに続いて対応をはじめるという。
TotalGuideの特徴は、従来はコンテンツプロバイダーやメディアごとに検索しなければならなかった作品情報を、網羅的に検索、表示できることだ。これは同社が膨大なメタデータを備えているからこそ可能なことだ。
EPGから表示できる作品情報は、DVDやBDソフトでよく見かけるような、登場人物やキャスト情報にまで及んでいる。テレビ番組に関して、ここまで深い情報が表示できるサービスはこれまでにない。
さらにEPGのなかに広告を折り込むなど、これまでにない番組宣伝ができるようになっている。日本のGガイドでも番組表の端に広告が表示されるが、それとは異なり、ダイレクトに番組を宣伝する手法がとられ、より宣伝効果の高いものとなっている。
ちなみに同社にはアメリカのCATV局向けに広告を制作するセクションがあり、動画広告の制作ノウハウをすでに持っている。そのため、EPGの広告からリンクする、ダイナミックな動画広告を制作することが可能だという。
TotalGuideでは、VODをどう扱うのだろう。これまでのVODサービスでは、タイトル表示がやや単調になりやすく、ユーザーが目的とするものを見つけにくい面があるが、TotalGuideではこれを解消するために、いくつかのアプローチを用意している。まず、「HotList」はその時点で人気のあるもの、「Just Added」は最近、追加されたものを表示する。、
これらはすでに多くのシステムで採用されているものだが、TotalGuideではこれ以外にもアプローチを用意している。まず「For you」ではユーザーの利用傾向を学習し、そのユーザーが好みと思えるものを表示してくれる。
さらに「My Friend」はソーシャルネットワークサービスと連携し、友達として登録している人がおすすめしているタイトルを表示することができる。また、ユーザーが自分でタイトルに評価をつけることもできる。
また、変わったところでは、「Similar」表示がある。これは類似タイトルを表示するというもので、たとえば「CroverField」からSimilarを表示すると、「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」、「ゴジラ」、「REC」などが表示される。単純にホラー、スリラーなどのジャンルからだけでなく、作品の内容から類似したコンテンツを検索できる、高度な検索機能だと言える。これも膨大なメタデータを持つ同社ならではだ。
ちなみに同社はコンテンツプロバイダーにもメタデータを提供しており、データの提供に関しては相互的な関係にあるなど、強力な体制を持っているという。
現時点ではDLNA部分は完成していないため、デモを見ることはできなかったが、前述した部分だけでも十分、これまでにないユニークな技術になっている。
テレビというリビングの中核になるもので、テレビ放送、VOD、家庭内メディアコンテンツを1つのインターフェースから扱うことができるというTotalGudeのアプローチは、成功すれば、膨大な数のメディアポータルになれる可能性を持っている。まさにメディアコンテンツ界のGoogleのようなものだ。
その野心的な試みが成功するかどうかは現時点では未知数だが、このサービスの実現には同社の持つ膨大なメタデータが背後にあるため、他社が容易にまねできるものではないだろう。TotalGuideの今後は要注目だ。