ビクター、“ウッドコーン”オーディオシステムのエントリーモデル「EX-S1」を発売 − iPod/iPhoneドックを搭載

日本ビクター（株）は、木製素材の振動板を採用した“ウッドコーンスピーカー”搭載のオーディオシステム「EX-S1」を10月上旬に発売する。iPod/iPhoneのダイレクト接続にも対応する。

価格はオープンだが、45,000円前後での販売が見込まれる。カラーバリエーションはブラック/ナチュラルウッド/ピンク/ホワイトの4色が揃う。本体サイズは高さ約12cmのロースタイルデザインとしてデザイン性を高め、女性ユーザーにも魅力をアピールする。

本機はJVCがIFA2010に出展したブースにも展示され、注目を集めていたモデル（関連ニュース）。木製振動板を採用したウッドコーンスピーカーと、iPod/iPhone、CD、FM/AM、USB音源の再生が楽しめるセンターユニットを組み合わせた一体型システムとなっている。

センターユニットの天部にはiPhone/iPodのダイレクト接続に対応したドック端子を設けており、コンポジット映像出力端子の搭載により、ビデオコンテンツもテレビ等に出力して楽しむことができる。iPhoneは最新世代のiPhone 4にも対応し、同様に最新のiPod touch 第4世代、iPod nano 第6世代も対応する。なお音声信号はアナログ出力となる。本体接続時には電源の充電も行える。

スピーカーのキャビネットは4方側面にパーチクルボード、天底面にはMDFを素材に用い、木の持つ特性を最大に活かしながら高いコストパフォーマンスを実現している。内部には補強桟と補強板を最適に配置し、チェリー響棒をバッフル面の外側と内側に1本ずつ、垂直方向に配置している。これらにより、高さを抑えた筐体ながら上下方向の豊かな音の響きを実現し、豊かなスケール感を持たせている。


8.5cmのフルレンジスピーカーユニットを1基搭載。不均等コルゲーション形状を内周から外周に向けて山谷の高さが大きくなる形状で設けてリニアリティを向上させている。ポールピース上部には銅キャップを採用し、高域特性の向上と歪みの抑制を実現した。また4N-OFC1ワイヤーを平角線に加工して4層でボイスコイルに巻くことで、占積率を向上させて効率を高め、ナチュラルな中音域特性を実現した。



スピーカーの内部配線は、ターミナルからスピーカーユニットを接続するケーブルに18番線OFCを採用。アンプとスピーカーを接続するスピーカーケーブルにも同じ18番線OFCを用い、高音質化を図っている。

アンプ内部には高音質コイルを採用。デジタルアンプの出力LPFのコイルに低DCR＆OFC巻線を採用し、音質向上を図った。上位モデルのEX-A150に採用した高音質オペアンプも搭載している。また内部シャーシのアースポイントを最適化したほか、厳選した高音質コンデンサーを採用するなどのこだわりも盛り込まれている。

再生専用のUSB端子は本体正面に設け、MP3/WMAファイルの再生が可能だ。音声出力のない状態が30分続くと自動で電源スタンバイ状態になるオートパワーセーブ機能も搭載している。


本日ビクターは新製品の記者説明会を開催した。はじめに同社経営企画部 デザイングループ クリエイティブスタジオ デザイナーの吉村智至氏が本機のデザイン面におけるこだわりについて紹介した。

同社のウッドコーンオーディオシステムについては、これまで“本物を求める大人の価値ある製品”をコンセプトにハイクラスな音質と、モノとしての魅力・存在感を前面に打ち出してきた。新製品「EX-S1」のコンセプトについて吉村氏は「自分の好きなインテリアや小物に囲まれた空間で、気持ちの良い音楽を楽しめる製品を提案したいと考えた。ゆったりとした時間を一緒に過ごせるようなオーディオとして、ふだんの生活やインテリアにフィットするデザインを追求してきた」と語る。

デザインのポイントは本体の高さ寸法をコンパクトに抑えた「ロースタイルデザイン」であるという。周りに圧迫感を与えないような佇まいと、ラックやブックシェルフなど様々な場所に設置できる軽快さを実現している。センターユニットとスピーカーは、前面トップに緩やかなカーブをもたせたデザインを共有している。またセンターユニットのフロントパネルのカーブ部に操作ボタンを配置し、使いやすく仕上げている。カラーバリエーションは様々なユーザーのライフスタイルに合わせた4色を用意。吉村氏は本機の仕上がりについて「人と機器との関係をより親和させるためのデザインが出来上がった」と自信を見せた。

続いて同社ホーム・エンタテインメント事業部 パーソナルAV統括部 技術部 開発グループ シニアエンジニアリングスペシャリストの今村智氏が製品の技術的な特徴について説明した。

「EX-S1」の位置づけについて、今村氏は「ウッドコーンオーディオのラインナップとしてはエントリーに位置づけられるモデルだが、シリーズのコンセプトである“木”の素材を活かした高音質を継承している。ハイコンポのテイストで開発してきたウッドコーンシリーズを、今度は女性の方も含めた幅広いユーザーに訴求していきたい」とアピールした。

またiPhone/iPodダイレクト接続機能を初めて採用した点については「シリーズユーザーの裾野を広げるモデルとして、iPodオーディオをワンランクアップした音質で楽しめる魅力も打ち出したいと考えた。iPodをメイン音源として楽しむユーザーにもぜひ使ってみて欲しい」と述べた。


【問い合わせ先】
日本ビクター　お客様ご相談センター
TEL/0120-2828-17