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公開日 2013/01/07 11:05
【CES】東芝、「シネマ4Kシステム」搭載の84/65/58V型テレビを上半期に発売
65/58V型は「1インチ1万円以下」
(株)東芝は本日、2013 International CESのプレイベントとして、日本メディア向けの説明会を開催した。
同社は、2013年グローバル市場において、84V/65V/58V型の3サイズを発売することを表明した。国内での発売は2013年度上半期(4〜9月)を見込む。これまで同社は、84V型モデルの投入を昨年9月にアナウンスし、ほかに60V型台と50V型台を発売する計画を明らかにしていたが、具体的に65V型と58V型というサイズが表明されたのは初めて。
価格はまだ発表されていないが、同社執行役専務 デジタルプロダクツ&サービス社 社長の深串方彦氏は「価格については1インチ1万円を切る価格を実現したい。ただしこれは65V型と58V型に限り、84V型はまだ難しい。84V型は恐らく他社さんと同じ程度の価格になるのではないか」とした。
65V型と58V型は、他社の4Kテレビに比べかなり安い価格帯となるが、これについて深串氏は「4Kテレビを単なるショーケースの製品とするのではなく、手に届く価格帯で展開していく。我々の意気込みを感じて頂きたい」とアピールした。
パネルは84V型がIPS、65V/58V型がVA。3機種とも3Dに対応する予定だが、84V型はパッシブとする以外は、65/58V型にどの方式を採用するかなど、詳細はまだ検討段階という。「将来的にグラスレス3Dも展開していきたい。まだ3Dのチャンスはあると思っている」(深串氏)。
なお、バックライトは3機種ともエッジ式で、上下か左右か、またローカルディミングを行うか、行ったとしたら何分割になるかなど、詳細は現段階では公開されていない。
3モデルには、新画像処理エンジン「REGZA ENGINE CEVO 4K」を搭載。これに高精細4Kパネルを加えたシステムを「シネマ4Kシステム」と命名した。「技術的には基本的にこれまでと同じものだが、昨年9月に発表した際に比べ、画質が大きく進化したことがわかるはずだ。髪の毛や小石など、ディテールをしっかりと出せるよう作り込んできた」(深串氏)。
深串氏は2012年のデジタルプロダクツ&サービス社を振り返り、「他社さんも当社も、一言で言って大変苦しい年だった」としながらも、「そんな中でも2012年は、新しい商品やサービスを積極的に投入してきた。タイムシフトマシン機能やクラウドサービスのTimeOn、Windows 8対応のUltraBookなどだ」とアピールした。
そして、2013年のテレビ戦略は「クラウドサービスと大画面4K高画質」がテーマとする。51V型以上の大型テレビ市場が急速に拡大し、12年下期は11年上期の3倍以上になったと同氏は述べ、「今後も大画面化はますます進む。大画面テレビを戦略商品と位置づけて積極的に取り組んでいく」(深串氏)と宣言した。
ただし、大画面化と高画質化の両立を目指すのは難しいと同氏は指摘。それを表すためにユニークな指標を用意したと述べ、「感動指数」という言い方で4Kテレビの必要性を訴えた。「中小型テレビの場合、WXGAクラスでは、サイズが大きくなるにつれて感動指数が次第に低下する。55〜65V型の場合では、フルHD解像度でも画素の粗さが目立ちはじめ、感動指数が低下する」とし、4Kテレビであればさらなる大画面でも感動を最大化できると説明した。
高画質な4Kを支えるのが「シネマ4Kシステム」だ。同社が映像のスペクトル分布を調べたところ、オリジナルの4Kモデルを100%とすると、フルHD映像では精細度が約63%程度に落ちてしまうが、シネマ4Kシステムでアップコンバートすることで精細度が約90%にまで高まるという。同社では「ほぼ4K映像に復元できる」と説明する。説明会会場には3サイズのの試作機をそれぞれ展示し、そのアップコンバートの性能の高さをアピールしていた。
また同社は、大画面テレビ(58V型以上)における4Kモデルの構成比を拡大することをアナウンス。2013年度が約40%と予想し、以降、2014年度には約70%、2015年度には約90%にまで高める予定だ。
■北米向けのクラウドTVサービスを今春開始
さらに同社は、北米向けのクラウドサービスの展開も発表した。同社はすでに日本国内で「TimeOn」というサービスを展開しているが、今年春、北米市場でもクラウドサービス「Toshiba Cloud TV Services」を開始する。同サービスのなかの「MediaGuide」機能では、STBをコントロールすることで、放送波やCATV、VODなどを横断的に検索することが可能。また友人へ番組情報をシェアしたり、ネット上の関連サイトへのジャンプなども行える。
またクラウドを使うことで、番組の推薦機能も進化。サービス開始時は新着番組、人気ランキング、関連情報など、全ユーザーを対象とした番組リコメンドが利用できるが、将来的には視聴経験などを組み合わせ、ユーザーに合わせた番組リコメンドを可能にする考えだ。
■PCはノートブックとタブレットに注力
深串氏はPCの商品戦略についても言及。2012年のトピックとしてウルトラブックの市場構成比が上がったこと、タブレットの急速な伸長、Windows 8が登場したことの3点を挙げ、これらのことから2013年はウルトラブック/スリムスタンダードノートPCとタブレットに注力していくと宣言した。
会見の中で東芝製タブレットのシェアが低いことを指摘された深串氏は、「シェアが低いことは事実で、忸怩たるものがある。タブレットはもともと当社が先鞭を付けていたが、それを続けていけなかった。では今後どうしていくのかということだが、挽回していきたい。春には画期的なタブレットを出す。まだ詳細は言えないが、キーワードは「手書き」。手書きの書き心地がこれまでとは違うものを出す予定だ」と今後の商品展開を明らかにした。
さらに、B2B事業の拡大に取り組むことも表明。このために昨年7月、B2B事業推進室を新たに設置し、ここにTV部門やPC部門のB2B事業を移管した。たとえばPCであればセキュリティや省電力、データ解析技術、テレビであれば4Kやグラスレス3Dなど、これまで同社がPCやテレビで培った技術をB2B事業に活用。デジタルサイネージや特殊用途ディスプレイなど、幅広いB2B事業領域への進出を図っていく。
■クラウドを活用したホームソリューション提案
今年同社は、ホームソリューションの取り組みもさらに加速させる。これまでの取り組みと今後の展開について、スマートコミュニティ事業統括部長の丸山竜司氏が説明した。
同社のホームソリューションは、スマートメーター大手のランディス・ギア社を買収したことからも明らかなように、エネルギーマネジメントから様々なサービスを展開していることが特徴。昨年は蓄電池を初めて市場投入するなど、電気を使用する家電だけでなく、エネルギーの使用状況を調べるメーター、そしてエネルギーを溜める電池など、様々なHEMS関連機器を展開する。日本国内と北米ではかなり市場環境が異なるため、それぞれに合わせた戦略を立て、実行する考えだ。
そして、今後同社が力を入れていくのが、これにクラウドを組み合わせること。たとえばクラウドでライフログを収集することで、これを利用したサービスをタイムリーに提供することが可能になる。一例を挙げると、生活パターンに即した節電のアドバイスを行ったり、食材管理や買い物支援を行うことなどが可能になる。
8日から公開されるCESの同社ブースでは、ホームソリューション提案のデモも実施。中にはテレビとLED照明を連動させ、テレビが映画鑑賞モードに移行した場合、LED照明をシアターモードに自動調整するといったデモが見られるという。
同社は、2013年グローバル市場において、84V/65V/58V型の3サイズを発売することを表明した。国内での発売は2013年度上半期(4〜9月)を見込む。これまで同社は、84V型モデルの投入を昨年9月にアナウンスし、ほかに60V型台と50V型台を発売する計画を明らかにしていたが、具体的に65V型と58V型というサイズが表明されたのは初めて。
価格はまだ発表されていないが、同社執行役専務 デジタルプロダクツ&サービス社 社長の深串方彦氏は「価格については1インチ1万円を切る価格を実現したい。ただしこれは65V型と58V型に限り、84V型はまだ難しい。84V型は恐らく他社さんと同じ程度の価格になるのではないか」とした。
65V型と58V型は、他社の4Kテレビに比べかなり安い価格帯となるが、これについて深串氏は「4Kテレビを単なるショーケースの製品とするのではなく、手に届く価格帯で展開していく。我々の意気込みを感じて頂きたい」とアピールした。
パネルは84V型がIPS、65V/58V型がVA。3機種とも3Dに対応する予定だが、84V型はパッシブとする以外は、65/58V型にどの方式を採用するかなど、詳細はまだ検討段階という。「将来的にグラスレス3Dも展開していきたい。まだ3Dのチャンスはあると思っている」(深串氏)。
なお、バックライトは3機種ともエッジ式で、上下か左右か、またローカルディミングを行うか、行ったとしたら何分割になるかなど、詳細は現段階では公開されていない。
3モデルには、新画像処理エンジン「REGZA ENGINE CEVO 4K」を搭載。これに高精細4Kパネルを加えたシステムを「シネマ4Kシステム」と命名した。「技術的には基本的にこれまでと同じものだが、昨年9月に発表した際に比べ、画質が大きく進化したことがわかるはずだ。髪の毛や小石など、ディテールをしっかりと出せるよう作り込んできた」(深串氏)。
深串氏は2012年のデジタルプロダクツ&サービス社を振り返り、「他社さんも当社も、一言で言って大変苦しい年だった」としながらも、「そんな中でも2012年は、新しい商品やサービスを積極的に投入してきた。タイムシフトマシン機能やクラウドサービスのTimeOn、Windows 8対応のUltraBookなどだ」とアピールした。
そして、2013年のテレビ戦略は「クラウドサービスと大画面4K高画質」がテーマとする。51V型以上の大型テレビ市場が急速に拡大し、12年下期は11年上期の3倍以上になったと同氏は述べ、「今後も大画面化はますます進む。大画面テレビを戦略商品と位置づけて積極的に取り組んでいく」(深串氏)と宣言した。
ただし、大画面化と高画質化の両立を目指すのは難しいと同氏は指摘。それを表すためにユニークな指標を用意したと述べ、「感動指数」という言い方で4Kテレビの必要性を訴えた。「中小型テレビの場合、WXGAクラスでは、サイズが大きくなるにつれて感動指数が次第に低下する。55〜65V型の場合では、フルHD解像度でも画素の粗さが目立ちはじめ、感動指数が低下する」とし、4Kテレビであればさらなる大画面でも感動を最大化できると説明した。
高画質な4Kを支えるのが「シネマ4Kシステム」だ。同社が映像のスペクトル分布を調べたところ、オリジナルの4Kモデルを100%とすると、フルHD映像では精細度が約63%程度に落ちてしまうが、シネマ4Kシステムでアップコンバートすることで精細度が約90%にまで高まるという。同社では「ほぼ4K映像に復元できる」と説明する。説明会会場には3サイズのの試作機をそれぞれ展示し、そのアップコンバートの性能の高さをアピールしていた。
また同社は、大画面テレビ(58V型以上)における4Kモデルの構成比を拡大することをアナウンス。2013年度が約40%と予想し、以降、2014年度には約70%、2015年度には約90%にまで高める予定だ。
■北米向けのクラウドTVサービスを今春開始
さらに同社は、北米向けのクラウドサービスの展開も発表した。同社はすでに日本国内で「TimeOn」というサービスを展開しているが、今年春、北米市場でもクラウドサービス「Toshiba Cloud TV Services」を開始する。同サービスのなかの「MediaGuide」機能では、STBをコントロールすることで、放送波やCATV、VODなどを横断的に検索することが可能。また友人へ番組情報をシェアしたり、ネット上の関連サイトへのジャンプなども行える。
またクラウドを使うことで、番組の推薦機能も進化。サービス開始時は新着番組、人気ランキング、関連情報など、全ユーザーを対象とした番組リコメンドが利用できるが、将来的には視聴経験などを組み合わせ、ユーザーに合わせた番組リコメンドを可能にする考えだ。
■PCはノートブックとタブレットに注力
深串氏はPCの商品戦略についても言及。2012年のトピックとしてウルトラブックの市場構成比が上がったこと、タブレットの急速な伸長、Windows 8が登場したことの3点を挙げ、これらのことから2013年はウルトラブック/スリムスタンダードノートPCとタブレットに注力していくと宣言した。
会見の中で東芝製タブレットのシェアが低いことを指摘された深串氏は、「シェアが低いことは事実で、忸怩たるものがある。タブレットはもともと当社が先鞭を付けていたが、それを続けていけなかった。では今後どうしていくのかということだが、挽回していきたい。春には画期的なタブレットを出す。まだ詳細は言えないが、キーワードは「手書き」。手書きの書き心地がこれまでとは違うものを出す予定だ」と今後の商品展開を明らかにした。
さらに、B2B事業の拡大に取り組むことも表明。このために昨年7月、B2B事業推進室を新たに設置し、ここにTV部門やPC部門のB2B事業を移管した。たとえばPCであればセキュリティや省電力、データ解析技術、テレビであれば4Kやグラスレス3Dなど、これまで同社がPCやテレビで培った技術をB2B事業に活用。デジタルサイネージや特殊用途ディスプレイなど、幅広いB2B事業領域への進出を図っていく。
■クラウドを活用したホームソリューション提案
今年同社は、ホームソリューションの取り組みもさらに加速させる。これまでの取り組みと今後の展開について、スマートコミュニティ事業統括部長の丸山竜司氏が説明した。
同社のホームソリューションは、スマートメーター大手のランディス・ギア社を買収したことからも明らかなように、エネルギーマネジメントから様々なサービスを展開していることが特徴。昨年は蓄電池を初めて市場投入するなど、電気を使用する家電だけでなく、エネルギーの使用状況を調べるメーター、そしてエネルギーを溜める電池など、様々なHEMS関連機器を展開する。日本国内と北米ではかなり市場環境が異なるため、それぞれに合わせた戦略を立て、実行する考えだ。
そして、今後同社が力を入れていくのが、これにクラウドを組み合わせること。たとえばクラウドでライフログを収集することで、これを利用したサービスをタイムリーに提供することが可能になる。一例を挙げると、生活パターンに即した節電のアドバイスを行ったり、食材管理や買い物支援を行うことなどが可能になる。
8日から公開されるCESの同社ブースでは、ホームソリューション提案のデモも実施。中にはテレビとLED照明を連動させ、テレビが映画鑑賞モードに移行した場合、LED照明をシアターモードに自動調整するといったデモが見られるという。