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公開日 2013/09/19 18:21
テレビは「プレミアムモデル」の時代へ − BCNが4Kテレビの販売動向を紹介
4Kでテレビ市場回復へ
(株)BCNは、全国大手家電量販店のPOSデータを集計した「BCN ランキング」のデータ分析にもとづいた、デジタル家電およびPC関連商品の最新市場動向について記者発表を行った。BCNアナリストの道越一郎氏と森英二氏が登壇し、「4Kは日本に根付くのか」をテーマに、薄型テレビをはじめとした4K対応家電製品の現状分析と、今後の展望について解説した。
■薄型テレビの国内売上金額が25ヶ月ぶりに前年比プラスに
まず道越氏は、8月度の薄型テレビ国内売上金額が前年同期比で102%と25ヶ月ぶりにプラスになったことを紹介した。「ようやく薄型テレビ市場は“地デジ化バブル”から回復の兆しが見えてきたのではないか」と語る道越氏は、「これまでは価格の安さが大きなファクターだったが、これからは“価値あるプレミアム製品”が市場を牽引していくと思われる」と分析する。
メーカー側の体制としても、安価な製品を大量に販売する流れから、価値あるプレミアム製品を伸ばして収益を確保する流れができつつあり、実際にテレビ以外も含む多くの製品カテゴリーで高価格帯のプレミアムな製品の販売数が伸びているという。薄型テレビのサイズ別販売金額構成比でみると、パイは小さいものの25万円以上の高価格帯レンジが一番伸長率が高いとのことだ。
道越氏は「そんなプレミアム製品の代表格が4Kテレビになるだろう。HDMI 2.0規格が策定されたことで、普及への足場が出来つつある。3Dは専用メガネが必要になるなど視聴者の環境を制約する部分があり、普及にややハードルがあったが、4Kはそういったところが無いことも大きい」と語った。
「薄型テレビの平均インチサイズは30型台で推移しており、大型化の流れが続いている。住環境による限界などもあり、大型化の流れはある程度のところで止まるだろうが、4Kはそこからさらに広がる可能性が大きい」(道越氏)。
現在のところ、薄型テレビ全体の販売台数における4Kテレビの構成比はわずか0.7%だが、50型以上のモデルに限定した構成比をみると7.2%を占めているという。同金額ベースでは2割程度の水準で、メーカーではソニーの販売数が急伸して突出している。なお、現在の4Kテレビのインチ単価は8,000円台とのことだ。
今後の展望については「2020年の東京五輪開催までの明確なロードマップができつつあることは大きい。来年に4Kの、2016年に8Kの試験放送が実施され、2020年には4K放送を自宅のテレビで視聴できる環境が整うのではないか。同年には、薄型テレビ販売台数の4割は4K対応になると見込んでいる。4Kと8Kが混在して両方視聴できる環境になっていくだろう」と予想した。
また、中国などの国外メーカーによる低価格帯の4Kテレビ展開が予想されることについては、「コンテンツを絡めたスマート化への対応などで、国内モデルが低価格帯モデルに浸食されることなく戦っていけるのではないかと思う」と述べた。
「現在のところ4Kのネイティブコンテンツはほとんどないが、ソニーが4K対応ハンディカムを発売するなどコンテンツの下地作りはだんだん進んでいくと思われる。2015年くらいからVOD配給などを主流として、4Kネイティブの流通ができるようになっていき、同時にテレビのスマート化も進むのではないか」と分析した。
■デジタルカメラは大型センサー搭載モデルがプレミアム製品になる
デジカメ市場では、カメラ機能を搭載するスマートフォンとの差異化がわかりやすいデジタル一眼レフなど、1/1.7型以上の大型センサーを搭載するモデルの販売台数が急速に伸長しているとのことで、前年同月比で60〜70%増加しているという。反対に、スマホとの競合関係にある小型モデルは伸び悩んでおり、道越氏は「デジタルカメラ分野でいうプレミアム製品は、大型センサー搭載モデルになるだろう」とコメントした。
また、PC関連製品は全体的に販売台数が伸び悩んでおり、タブレット製品がカバーしている傾向だという。「PC製品分野では、タブレットとしても使えるデタッチャブル型などの変形タイプ、タッチ操作に対応するモデルがプレミアム製品として伸びていく可能性がある」と道越氏は分析する。なお、高精細なフルHD対応モデルも全体の1割水準まで伸びているという。
また、携帯電話の8割がスマートフォンになっている現状で、スマホを超小型PCとして位置づける周辺機器分野が拡大している。ここから道越氏は「PC周辺機器も、スマホ連携に対応するものがプレミアム製品になっていくのではないか」と述べた。
続いて登壇した森氏によれば、タブレット市場は5月にアップル製品が価格改定したことによりやや冷え込んだものの、8月に「Nexus 7」の新モデルが登場したことで改善したという。またNexus 7の伸長により、8月度のメーカー別タブレット台数シェアではASUSが全体の41.2%を占め、アップルの37.9%を抑えて首位となった。
本日の発表会で道越氏は、デジタル家電における“プレミアム”について「一言でいうと、“心地よさ”という主観的価値の追求になるだろう。ユーザーに“キレイ”と思わせる技術や、細かく説明しなくてもわかる使いやすさ、製品の世界に没頭できるUIなどだ」と結んだ。
■薄型テレビの国内売上金額が25ヶ月ぶりに前年比プラスに
まず道越氏は、8月度の薄型テレビ国内売上金額が前年同期比で102%と25ヶ月ぶりにプラスになったことを紹介した。「ようやく薄型テレビ市場は“地デジ化バブル”から回復の兆しが見えてきたのではないか」と語る道越氏は、「これまでは価格の安さが大きなファクターだったが、これからは“価値あるプレミアム製品”が市場を牽引していくと思われる」と分析する。
メーカー側の体制としても、安価な製品を大量に販売する流れから、価値あるプレミアム製品を伸ばして収益を確保する流れができつつあり、実際にテレビ以外も含む多くの製品カテゴリーで高価格帯のプレミアムな製品の販売数が伸びているという。薄型テレビのサイズ別販売金額構成比でみると、パイは小さいものの25万円以上の高価格帯レンジが一番伸長率が高いとのことだ。
道越氏は「そんなプレミアム製品の代表格が4Kテレビになるだろう。HDMI 2.0規格が策定されたことで、普及への足場が出来つつある。3Dは専用メガネが必要になるなど視聴者の環境を制約する部分があり、普及にややハードルがあったが、4Kはそういったところが無いことも大きい」と語った。
「薄型テレビの平均インチサイズは30型台で推移しており、大型化の流れが続いている。住環境による限界などもあり、大型化の流れはある程度のところで止まるだろうが、4Kはそこからさらに広がる可能性が大きい」(道越氏)。
現在のところ、薄型テレビ全体の販売台数における4Kテレビの構成比はわずか0.7%だが、50型以上のモデルに限定した構成比をみると7.2%を占めているという。同金額ベースでは2割程度の水準で、メーカーではソニーの販売数が急伸して突出している。なお、現在の4Kテレビのインチ単価は8,000円台とのことだ。
今後の展望については「2020年の東京五輪開催までの明確なロードマップができつつあることは大きい。来年に4Kの、2016年に8Kの試験放送が実施され、2020年には4K放送を自宅のテレビで視聴できる環境が整うのではないか。同年には、薄型テレビ販売台数の4割は4K対応になると見込んでいる。4Kと8Kが混在して両方視聴できる環境になっていくだろう」と予想した。
また、中国などの国外メーカーによる低価格帯の4Kテレビ展開が予想されることについては、「コンテンツを絡めたスマート化への対応などで、国内モデルが低価格帯モデルに浸食されることなく戦っていけるのではないかと思う」と述べた。
「現在のところ4Kのネイティブコンテンツはほとんどないが、ソニーが4K対応ハンディカムを発売するなどコンテンツの下地作りはだんだん進んでいくと思われる。2015年くらいからVOD配給などを主流として、4Kネイティブの流通ができるようになっていき、同時にテレビのスマート化も進むのではないか」と分析した。
■デジタルカメラは大型センサー搭載モデルがプレミアム製品になる
デジカメ市場では、カメラ機能を搭載するスマートフォンとの差異化がわかりやすいデジタル一眼レフなど、1/1.7型以上の大型センサーを搭載するモデルの販売台数が急速に伸長しているとのことで、前年同月比で60〜70%増加しているという。反対に、スマホとの競合関係にある小型モデルは伸び悩んでおり、道越氏は「デジタルカメラ分野でいうプレミアム製品は、大型センサー搭載モデルになるだろう」とコメントした。
また、PC関連製品は全体的に販売台数が伸び悩んでおり、タブレット製品がカバーしている傾向だという。「PC製品分野では、タブレットとしても使えるデタッチャブル型などの変形タイプ、タッチ操作に対応するモデルがプレミアム製品として伸びていく可能性がある」と道越氏は分析する。なお、高精細なフルHD対応モデルも全体の1割水準まで伸びているという。
また、携帯電話の8割がスマートフォンになっている現状で、スマホを超小型PCとして位置づける周辺機器分野が拡大している。ここから道越氏は「PC周辺機器も、スマホ連携に対応するものがプレミアム製品になっていくのではないか」と述べた。
続いて登壇した森氏によれば、タブレット市場は5月にアップル製品が価格改定したことによりやや冷え込んだものの、8月に「Nexus 7」の新モデルが登場したことで改善したという。またNexus 7の伸長により、8月度のメーカー別タブレット台数シェアではASUSが全体の41.2%を占め、アップルの37.9%を抑えて首位となった。
本日の発表会で道越氏は、デジタル家電における“プレミアム”について「一言でいうと、“心地よさ”という主観的価値の追求になるだろう。ユーザーに“キレイ”と思わせる技術や、細かく説明しなくてもわかる使いやすさ、製品の世界に没頭できるUIなどだ」と結んだ。